雲井通5・6丁目再開発

新・三宮バスターミナルは国営施設に 国交省の主導でバスタ整備を全国で強化 年度末までに事業計画案はとりまとめられるか?

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雲井通5丁目再開発事業によって建設が予定されている超高層複合ビルの低層部に開設されるバスターミナルですが、この床を国土交通省近畿整備局が建物の完成後に再開発株式会社より取得し、同省が直轄して運営する方針である事が分かりました。これまでもこのバスターミナル整備と中央幹線/国道2号線周辺の再整備計画には同省が深く関与し、神戸市と検討を重ねてきました。最近の事業計画の検討結果は同省と同市が共同発表する機会も増えました。神戸市が産学連携下で「未来型の駅前空間の創出」を目的とした整備方針を検討していますが、今年度内にとりまとめを完了する予定としており、タイムリミットが残り2週間と迫っています。

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2016年に開業した日本最大規模のバスターミナルである「バスタ新宿」は国交省関東整備局が主体となって整備したもので、今後、国交省は全国に大規模バスターミナルの新設・展開を主導していく方針です。三宮のバスターミナル計画はそんな同省の思惑の中において、タイミング的にも規模的にも最適なプロジェクトとなりました。今回の三宮のターミナルのように国交省が直轄するだけでなく、全国の地方の拠点都市においてバスターミナル整備を促進させる為、民間参入を促す制度を創設する方針を固めました。


同省はバスターミナルビルの民間運営企業が施設内に賃貸床を設け、テナント料を得られるようにする為、道路法改正案を国会に提出し、20年度には制度を活用できるようにする方針です。今や品川駅前と三宮は国交省の国道を活用したバスターミナル展開事業のリーディングプロジェクトとしてを紹介されるに至った国家事業となりました。



神戸市はこのプロジェクトが国直轄になる事を当初から想定していたのでしょうか。構想策定時のアドバイザリー公募では名だたる企業連合が参加するコンペになり、その注目度の高さが示されましたが、当時より水面下で は国の関与が見え隠れしていたのかもしれません。今年度の神戸市予算案に三ノ宮駅南側の駅前広場再整備の都市計画決定やJR新駅ビルの名が記載されたのは国交省の動きが表立ってきたからかもしれません。コロナウイルスの感染拡大防止を受けて「第3回 国道2号等神戸三宮駅前空間整備事業計画検討会」を書面会議に変更しました。この結果が年度内に取りまとめを予定していたバスターミナルを含む整備計画の具体化に影響無き事を祈り、年度末まで待ちたいと思います。

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