雲井通5・6丁目再開発

神戸三宮雲井通5丁目第一種市街地再開発事業 2027年度に「EVOL HOTEL KOBE(仮称)」が開業予定


神戸三宮雲井通5丁目第一種市街地再開発事業は地上32階 地下2階 延床面積10万平方メートルの超高層複合ビルを建設するビッグプロジェクトですが、中高層階のオフィス及びホテルは事業参画者の三菱地所が取得・保有する予定です。タワーの最上層に位置するホテルについて、婚礼大手の株式会社テイクアンドギヴ・ニーズが出店する事を発表しました。

ホテルのブランド及び名称はEVOL HOTEL KOBE(仮称)」。EVOL HOTELはテイクアンドギヴ・ニーズ社が新規に展開するラグジュアリーブティックホテルブランドです。

三菱地所は、東京・渋谷の道玄坂二丁目南地区第一種市街地再開発事業、神戸三宮雲井通5丁目第一種市街地再開発事業という大規模再開発プロジェクトの参加組合員・事業協力者を担っていますが、これらの複合開発に誘致するホテル運営をテイクアンドギヴ・ニーズ社に委託する事になった形です。因みに渋谷のホテルは「TRUNK(HOTEL) DOGENZAKA(仮称)」を予定しており、双方とも2027年の開業を計画しています。

インフィニティプールをはじめとした充実した付帯施設


ホテルの客室数は60~70室。以前より公開されていたビル断面図からもフロア数は限られていたので、大規模ホテルではない事は予想されていましたが、宿泊特化型ホテルにはならず、充実した共用施設を「売り」とする高級ホテルになるようです。

特筆すべきは最上フロアに備わるルーフトッププールで、その幅は30mに及びます。いわゆる「インフィニティプール」になり、高さ150mから空と神戸港やポートアイランドを一望します。恐らく日本で最も高い場所に位置する屋外プールになるのではないかと思われます。



六甲山も望める客室イメージです。高層階客室からの眺望については、常に神戸市の消防条例による二方向避難経路がネックになってきますが、どのようにこの制約を避けるのかにも注目しています。

付帯施設はバーを併設したループトップのインフィニティプールの他、オールデーダイニング、スペシャリティレストラン、スパ、ジム、バンケット、チャペルまで備わる総合ホテルです。客室数を絞って、付帯施設を充実させています。

想定されている客室単価は30,000円〜200,000円。

大手デベロッパーが開発したホテルに婚礼会社がホテル運営を受託する前例として、三井不動産が保有する神戸旧居留地25番館の「ORIENTAL HOTEL神戸旧居留地」があります。同ホテルは婚礼大手のPlan Do Seeが運営を担っています。

この建物にはてっきり外資系高級ホテルが誘致されるものと期待していましたが、公開された施設・設備は外資をも凌ぐ充実ぶりです。新ホテルブランドではありますが、今後、2027年までに国内に10店舗の展開を計画しているとの事で、一挙にその知名度が高まる可能性があります。

高単価のホテルですが、開業時には是非とも宿泊してみたいと思います。

神戸三宮雲井通5丁目第一種市街地再開発事業は、意外にもいきなり出店ホテルからの概要判明となりました。またホテルの開業が2027年と判明した為、施設全体の完成も5年後になりそうです。近日中に全体像やイメージが判明する事になるのではないでしょうか。しっかり注視していきたいと思います。

 

プロジェクト概要

神戸三宮雲井通5丁目地区第一種市街地再開発事業




事業名称  神戸三宮雲井通5丁目地区第一種市街地再開発事業

施行者   雲井通5丁目再開発株式会社

施行区域  兵庫県神戸市中央区雲井通四丁目345番の一部,346番,347番の一部,同五丁目301番, 302番,303番,317番,318番,319番,320番の一部,322番の一部, 323番, 324番,

敷地面積  約8,230㎡

延床面積  約98,900㎡

建物構造  鉄骨造 鉄骨鉄筋コンクリート造

階数/高さ  地下2階 地上32階 塔屋1階/約164m

主要用途  商業施設、バスターミナル施設、公益施設、業務施設、宿泊施設 公共施設

市道葺合南146号線を幅員18mに道路拡幅

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  1. 文京移民 より:

    この手の、国内独立資本で超高級ホテル運営、という会社の営業を聞いたことがありますが、おそらく日本にはもう外資ブランドだけに頼らなくともこういった最高級価格帯のホテルを各地に運営するノウハウや人的資本があると思います。その会社は首都圏しか狙っていませんでしたが、テイクアンドギヴ・ニーズの運営で、おそらくMCだと思うのでそれを受ける企業さえあるなら神戸は十分に都市型リゾートが成立すると思います。30,000円から20万円、というのはむしろ控えめに思います。

    • しん@こべるん より:

      全国の地方都市のあちらこちらにも外資が入ってくるので、日本の市場もだんだんと飽和してくるかもしれませんが、ポストコロナで訪れたい国のトップに日本が選ばれたようなので、高い需要が見込まれているのも事実です。今回、三菱地所が外資ホテルを誘致しなかった事について、同社が神戸のインバウンド取り込み需要をどう見ているのか気になります。渋谷の再開発にもテイクアンドギヴ・ニーズを選んだので、これまでのワンパターンを変える戦略的な意気込みもあるのかもしれません。ただこれで市役所2号館跡やJR駅ビルのホテルについての行方が分からなくなってきました。外資ホテルの存在は訪日客へのアピールにもなるので、最低限、どちらかには入って欲しいと思います。

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