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地域探訪: 福岡・天神ビッグバンの目玉プロジェクト 福岡大名ガーデンシティが完成 Part2 福岡大名ガーデンシティ・パークと旧校舎を活用したFukuoka Growth Next



昨日のPart1に引き続き、「福岡大名ガーデンシティ」についてのレポートです。Part2は、タワーの背後にあるその他の施設と機能について取り上げます。



タワー中央のスリット下にある吹き抜けアプローチ空間を抜けてくると到達するのが、「福岡大名ガーデンシティ・ガーデン」。



目の前に突如、緑の溢れたオアシス空間が広がります。



向かって右にはタワーと連絡しているアネックス棟である「福岡大名ガーデンシティ・テラス」。建物中層階の壁面を完全緑化した地上11階 地下1階の複合コミュニティ施設で、低中層部には公民館、保育園、クリニック、創業支援施設、高層部は19戸のみの賃貸レジデンスです。



左手にはシンボリックなツリーを中央に置く憩いの親水緑地空間が広がっています。



せせらぎのある水路やベンチとテラコッタ調の路面で覆われたプロムナード。



商業施設の「BIO SQUARE (ビオスクエア)」の名称ですが、「BIO」とは、「生物」や「生命」、「有機物」などに関する単語を形作る接頭辞であり、この自然豊かなガーデンに由来して名づけられたのではないかと思われます。



パークエリアの面積は約3,000平方メートル。建物を高層化し、空いた土地にこうした緑地空間を都心エリアに創出する事が再開発の醍醐味です。



タワーのスリットにデザインを統一した施設案内サインは敷地内共通で、至る所に配置されています。



パーク内角にあるのがガーデンステージ。音楽イベント時等にはステージとして機能しますが、通常時はカフェのようです。



ガーデン内のカフェテラスとして、優雅な時間が流れています。ステージの壁面も緑化されて、視覚的にも緑で溢れています。



ステージ横には緩やかなカーブを描く洒落た階段があります。



ステージの上は屋上庭園となっています。



どこを切り取っても緑が豊富です。



屋上庭園から見渡すパーク全体の様子です。



ステージの屋上から旧大名小学校校舎に沿って伸びる歩行者デッキ。



福岡大名ガーデンシティ・テラスの2階まで連絡し、更にはタワーの2階にも接続しており、ほぼグルリと1周出来ます。



パークの2/3近くは人工芝が敷かれています。貸し出しもしており、様々なイベントに活用されるようです。この日もGWのイベントとしてマルシェの開催準備が進められていました。



シティテラスに沿って整備された通路。植えられた木々も大きいので、涼しい木陰が出来ています。



敷地の南側は全て大名小学校旧校舎をリノベーションした「Fukuoka Growth Next」。



中央には南側の「大名小前えのき通り」へと通り抜けができる通路が設けられています。



旧校舎内はスタートアップ企業へ貸し出す賃貸オフィスとなっており、Fukuoka Growth Nextは創業支援の拠点施設です。



校舎をくり抜いた天井は板張りにし、照明やプロジェクターを設置。1階にはカフェテラスも営業しています。



この通路は大名小前えのき通りから福岡大名ガーデンシティへと誘うエントランスアプローチとしても機能しています。



旧校舎の建物は耐震補強工事が施され、制振ダンパーが取り付けられています。



神戸にも「北野工房のまち」や「NATURE STUDIO」等、旧校舎を活用した施設が幾つかあります。



しかしこれ程の大規模再開発と絡めている例はありません。旧校舎のリノベーション施設をスタートアップ企業の創出拠点として活用する事はなかなか良いアイデアかと思います。



この施設は行政だけでなく、地場企業がスポンサーとなってスタートアップ企業を支援しています。



施設内にはシェアオフィスも整備されており、企業の規模や形態に合わせた支援が行われています。



北野工房のまちも1998年の開館から25年が経過し、現在の事業者とのマスターリース契約期間が満了となる為、2024年1月以降の事業者について公募を開始しています。コンセプトは「上質な神戸のライフスタイルを発信する拠点として、来街者や地域住民に親しまれ賑わう施設」ですが、



6月にはホテルや商業ゾーンを含めて全面開業に至る福岡大名ガーデンシティ。意外にもリッツ・カールトンの開業による福岡への外資系高級ホテルの進出は、1996年のキャナルシティ博多へのグランド・ハイアットに続いてまだ2例目です。

丁度、4年前のGWに福岡を訪問した際は着工直前の段階でした。



都心エリアに立地する廃校小学校跡地の再開発事例として、積水ハウス他企業グループの力量が求められた本プロジェクト。商業施設、オフィス、五つ星高級ホテルの複合機能を組み合わせた高層ビルとしては、オリックス不動産他が計画する市役所2号館跡の開発プロジェクトが類似しており、この福岡大名ガーデンシティを参考にできる点は多いのではないかと思われます。次回の福岡滞在時にはザ・リッツ・カールトン福岡に宿泊してみたいですね。

福岡大名ガーデンシティ



所在地 福岡県福岡市中央区大名二丁目165番1及び165番2
事業者 大名プロジェクト特定目的会社
積水ハウス株式会社 福岡マンション事業部
西日本鉄道株式会社
西部瓦斯株式会社
株式会社西日本新聞社
福岡商事株式会社
敷地面積 11,821.64㎡
延床面積 約79,260㎡(容積対象面積)
階数 オフィス・ホテル棟:地上24階/コミュニティ棟:地上14階
高さ オフィス・ホテル棟:111m/コミュニティ棟:約45m
構造 鉄骨(柱CFT)造 一部鉄筋コンクリート造 鉄骨鉄筋コンクリート造
用途 オフィス・ホテル棟:オフィス、ホテル、商業 コミュニティ棟:老人いこいの家、保育施設、創業支援・人材施設、共同住宅
設計 久米設計 醇建築まちづくり研究所
施工 清水建設 鴻池組 積和建設九州
着工 2019年6月
全面開業 2023年6月

公式サイト
https://fukuoka-dgc.jp/

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POSTED COMMENT

  1. 通りすがり より:

    Fukuoka Growth Nextは、福岡市スタートアップ政策の要で、全国でも再先発のスタートアップ支援施設ですが、とにかく都心に作ることに拘ったそうです。

    市がスタートアップ支援を重視する姿勢を強く打ち出していくために、大規模かつ市中心部に創りたかったということでした。

    ちなみに、この大名小学校は福岡市の学校番号一番という由緒ある建物です。

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