こべるん ~変化していく神戸~
熊本

地域探訪: 熊本の既存繁華街は大規模再開発にどう対抗していくのか



これまで桜町の再開発ビルやJR熊本駅周辺の駅ビルを中心とした開発を取り上げてきました。どの計画もこれまでの熊本には無かったレベルの大規模なプロジェクトで目白押しです。加えて郊外ではゆめタウンやイオンモールが広域から集客しており、再開発ビルの完成後には上通・下通のアーケード街を中心とした既存繁華街の客足に大きな影響を与える可能性があります。



熊本の中枢・通町筋で鎮座する鶴屋百貨店本店。市内唯一の百貨店で直近の売上高は約577億円の地域一番店です。近年は売上を伸ばしており、これまでは独り勝ち状態でした。しかし傍目には建物老朽化の激しい地方百貨店にしか見えず、競争が無い為に需要を独占しているようにも思えます。



隣接する再開発ビルは同百貨店の東館として機能しており、東急ハンズを誘致。鶴屋は付近の再開発ビル内にも出店し、4館運営による売場面積は合計で7万平方メートルを超え、国内有数の規模を誇ります。



通町筋には熊本のファッションを牽引してきた商業施設が集積しています。熊本パルコは1986年に開業。



しかしながら建物老朽化と市内の再開発による競争激化を懸念してか2020年に閉店予定です。パルコは宇都宮や千葉等の不採算店舗のリストラを進めています。ビルの保有者である山陽はパルコ閉店後、新たな複合商業施設への建て替えを予定。パルコも再出店を検討しているようです。恐らく売場面積を縮小してゼロゲート化するのではないかと思われます。



パルコ横にポッカリと口を開けているのが下通商店街。幅員の大きなアーケード商店街で昼夜を問わず多くの人で賑わっています。



様々な業態の店舗が営業していますが、長いアーケードの中で物販店舗は比較的少なく、飲食店やサービス、コンビニ、ドラッグストアも多く見受けられます。競争の激化でテナントの業態変化が進行している事が見てとれました。



しかし未だ通行量の多い一等商業地である事には変わりはなく、ダイエー熊本下通店跡の再開発によって2017年に開業した新商業施設のCOCOSAは地上8階 地下1階の下通NSビルの地下から5階までの6フロアを占め、無印良品をはじめ40店のテナントが集結。下通では現在、最もホットな場所です。



テナント業態変化に伴う街の変遷の流れは今後も加速していく事は止められないでしょう。大型再開発は時に街の新陳代謝をある種強制的に促進します。その促進が既存の街に競争力を与えるチャンスを創り出します。促進が進まなければその街は衰退を遂げます。



ぴぷれす熊日会館は通町筋沿いの上通A地区第一種市街地再開発事業として誕生した再開発ビルで鶴屋の出店する商業施設New-Sや熊本市現代美術館、ホテル日航熊本等で構成された地上14階 地下2階 高さ60.64m 延床面積56,205.84平方メートルの複合施設です。



ぴぷれすに面するアーケード街が上通。下通よりも洗練された雰囲気が漂います。



通町筋でも所々で建て替え工事が進んでいるようです。



一見、街の新陳代謝は進行中といった印象を受けますが、本格的な荒波はこれから数年で上通・下通を襲う事になります。これまでエリアで行われてきた再開発は健闘していますが、サクラマチやJR駅ビルはどれも太刀打ちが難しいレベルの黒船です。

兵庫県内でも姫路で駅ビルや駅前の商業施設の集積によって老朽化したヤマトヤシキやフォーラスが淘汰の道を歩みましたが、熊本ではどのような変化が現れるでしょうか。



既存中心部の対抗策を考える中で、やはり鍵を握るのはシンボル熊本城に近いという地の利を活かす事、そして巨人・鶴屋本館の建て替えなのではないかと思います。

次に熊本を訪れる機会があればサクラマチクマモトとJR駅ビルの開業後になるでしょう。その頃の熊本がどう変化しているのか。興味深く今後の動向に注目したいと思います。

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