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JR九州が2019年に着工し、2021年4月に開業させたJR熊本駅前の駅ビルを中心とした「JRくまもとシティ」。駅高架下や駅周辺に複数の商業施設、駐車場を建設し、熊本の玄関口一帯を複合機能を持たせるゾーンに変貌させました。JR三ノ宮新駅ビルの概要やスケジュールがなかなかな発表されない中、このJR熊本駅ビルの概要発表を見て、驚愕と羨望の思いを抱き、JR九州の投資意欲と九州エリアの勢いを強く感じる出来事でした。
JR熊本駅ビルの概要
建物はJR熊本駅の駅前広場南側に立地し、地上12階 地下1階 延床面積109,000平方メートルの規模は全国でも有数の大型駅ビルで、政令市の玄関口に相応しいランドマークです。
- 商業施設・シネコン 1-8階 (アミュプラザ)
立体庭園 1-7階 - ウェディングバンケット・チャペル 8-9階
- ホテル 9-12階 (ホテルブラッサム 203室)
- 駐車場 (800台)
建物のエントランス部には「水と緑の立体庭園」が設けられると報じられていた為、この出来栄えを実際に見るのが非常に楽しみでした。
2019年5月の取材時には、まだ着工して間も無く、杭工事が開始されたばかりの段階及び既存のホテル施設の解体中でした。
JRくまもとシティは、JR熊本駅を中心にその南北に駅ビル、オフィスビル、タワーマンションを建設し、文字通りJR九州が作り上げる街となりました。
熊本城を意識したシンボリックな外観デザイン
ファサードはメインの商業ゾーンをカーテンウォールで覆い、これをL字型に囲うように外壁を取り付けています。そして下には2層分の吹き抜けとなる大屋根があります。
JR九州の運営する駅ビル「アミュプラザ」はどの建物もエントランスに大屋根を設けており、下では様々な集客イベントが開催されています。悪天候や炎天下でもイベントが開催できます。熊本駅ビルではこの日、ムラサキスポーツ主催のスケボー競技イベントが行われていました。
この屋根の上には「おおやねテラス」という屋上庭園が設けられています。
バス・タクシーロータリー越しに眺める熊本駅ビル。セットバックした上層階3フロアがホテルです。3フロアしかありませんが、200室を超える客室数があります。
延床面積が約11万平方メートルもある箱形の建物の為、南北スパンは大きく、巨大な建物です。
建物のデザインやダークグレーを基調とした色調は、JR熊本駅舎同様に熊本城の城壁をモチーフにしているものと思われます。
熊本駅ビルの規模は、JR九州管内では、鹿児島中央、大分よりも大きく、JR博多駅シティに次いで2番目です。
九州新幹線の開通によって、鹿児島ではJR九州による鹿児島中央駅周辺の商業集積が成功し、駅周辺の賑わいが大きく高められました。JRくまもとシティでも2匹目のどじょうを狙う形で進められた大規模開発でした。
敷地に余裕があった為、巨大な立体駐車場も完備しています。立体駐車場については、JR九州が駅周辺に3箇所を整備しており、収容台数は合計2,127台を確保しています。
更に駐車場の南側の敷地にはタワーマンションの建設を進めました。
超高層の熊本城!?「MJR熊本ザ・タワー」
JR九州は独自の分譲マンションブランド「MJRシリーズ」を九州一円で展開している他、近年は関西等、九州外でも分譲を開始しています。
熊本駅前に3ヶ月前に誕生したばかりなのが「MJR熊本ザ・タワー」。地上30階 延床面積25,313.23平方メートル 住戸数230戸のタワーマンションです。高さは110.00m。熊本市内では2番目の高さを誇る建物です。建物外観デザインは、大阪市中央区のMJR堺筋本町タワーにも共通しています。
この建物もJR駅ビル以上に熊本城を強く意識したデザインが特徴です。
敷地と周辺の道路を隔てる塀、エントランスゲート等、和をイメージしたデザインが光ります。
まるで石門のようなエントランスゲート。
熊本駅周辺は同じく「城」を街のシンボルとしている姫路以上に、デザインの中に熊本城の要素を採り入れています。
建物基壇部はまるで石垣のような風合いです。
だんだんとこの建物が背の高い熊本城にも見えてきました。上層階の価格は勿論、億超えの「億ション」です。
周辺は地方合同庁舎が立ち並ぶ駅前官庁街でもあります。
JR駅ビルの東側には一般車用のロータリーと平面駐車場が整備されました。
広大な敷地を活用して、非常にゆったりとした造りになっています。
駅前の交番もデザインに優れています。三宮でも駅ビル開発に伴って、北側に仮交番が建設されていますが、こんな洒落た交番に出来ると良いのにと思います。
駅ビル前の広場には涼しげな水盤も整備されました。
4年前までは殆どまだ何も無かった熊本駅前。開発が進み、巨大な駅ビルを中心として、政令市の玄関口としての風格を整えました。中核商業施設のアミュプラザ熊本はコロナ禍真っ只中の開業で、初年度は売上・集客共に伸び悩みましたが、昨年度は24%増の238億円を記録。来館者も28%増の1438万人に達しました。流石、JR九州の手掛ける駅ビルといったところでしょうか。立地と規模を活かしたリーシング力とコンテンツが大きな強みです。Part2は「水と緑の立体庭園」や展望デッキを中心とした館内の様子をレポートします。
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熊本では現在、半導体世界一の台湾TSMCがソニーと約1兆2000億円を投資し菊陽町で2024年末稼働を目指し20万坪位の敷地だったと思いますが半導体工場を建設しています。
この工事は通常10年近くかかるような大工事を2年ほどで完成させるべく急ピッチで進められています。この事業は政府が4760億弱の補助金を投入するまさに国策事業です。
この事業により半導体周辺企業の熊本進出も加速しており土地相場は森林農地まで値上がりしています。
昨年の年初以来、駅前への投資も今後さらに加速すると言われていましたが、さらに今年3月にTSMCが同規模の第2工場建設を発表しました。建設場所は未定ですが同じ菊陽町が最有力との見立てです。第一工場の経済波及効果が4兆円と試算されていたように記憶しますが、更に1兆円規模の工場建設となると熊本は今後経済的にも急伸しそうですね。
西村経産相も呑気に第2工場に期待なんて言ってないで兵庫に引っ張って欲しいもんです…西村さん、斎藤さん、久元さん…無理だろうなぁ。
兵庫県警は神戸市と仲が悪いのか、市で発案したプロジェクトに真っ向から反対することが多いんですよね。交番もきっと質素なものになるでしょうし、仮説だけでなく本設の交番もあまり期待できないのだろうなと思います。
クロススクエアが中途半端になったのもしかり、新港町もしかり、…神戸市警察局とかになれば一体となって進められるんでしょうけれど…そのあたり市長が県警とのつながり大事にしてほしいですね。