東京

地域探訪: 渋谷スクランブルスクエア SHIBUYA SKYから眺める東京都心 2020冬



先日、記事を掲載した渋谷の新ランドマーク渋谷スクランブルスクエアの最上部にある展望施設SHIBUYA SKY。今回はそこから眺める東京の都心風景をご紹介します。まず最初に広大な代々木公園の背後に広がる西新宿の超高層ビル群。言わずと知れた日本最古の超高層ビル街です。昔はよく新宿に存在する超高層ビルの棟数を数えていましたが、最近は更に増えてもう何棟あるのか分かりません。



西新宿5・6丁目を中心にまだまだ再開発は続いており、高層ビル街の拡大・集積は進行中です。また西新宿3丁目に高さ235mのツインタワーが計画されており、これらの登場で更にビル群の厚みが増します。並み居る都心の再開発エリアの中で、西新宿の地位は相対的に低下傾向にありましたが、今後はJR、小田急、京王等の鉄道会社が駅ビルを中心とした新宿駅の再開発も本格化させる動きを見せており、地位挽回を図るものと思われます。



完成したばかりの新国立競技場です。こけら落としの天皇杯にて我らがヴィッセル神戸が優勝を果たした事も記憶に新しいですね。構造事はデザインコンペでザハ設計のスペースシップのような斬新なデザイン案が選ばれた後、その工費の高さから再コンペに至り、最終的に隈研吾氏の現デザイン採用となりました。その後、ザハ氏は死去し、何とも後味の悪さが残りましたが、いよいよ今夏に夢の舞台として同競技場が活躍します。



そして発展著しい六本木・虎ノ門。ミレニアムの象徴として誕生した六本木ヒルズもあと数年で開業から20年を迎えます。その後、ミッドタウン、泉ガーデン・グランタワー、虎ノ門ヒルズと東京最高峰クラスの230-250m級の超高層ビルが次々と誕生。森ビル、三井、住友の大手デベロッパーがブラックシッププロジェクトとして推し進めました。森ビルは東京タワーに匹敵する高さの超高層ビルを中心とした虎ノ門・麻布台プロジェクトを着工しており、ますますダイナミックに変貌を遂げていきます。



赤坂のビル群の背後には丸の内、大手町の超高層ビル群が複層しています。



丸の内、大手町は三菱地所によって既存ビルの建替が進み、その工程はほぼ大詰めを迎えています。恐らく日本一超高層ビルの密集度の高い地域になっています。今後は日比谷方向に向かって建替が進みます。バブル期に地所が描いた丸の内マンハッタン計画がほぼ実現しつつあります。東京駅周辺の再開発は更に八重洲口にメインの舞台を移し、常盤橋地区の再開発では高さ390mの日本一の超高層ビルが誕生する他、次々と200m級のビルが建設中でです。そしてその背後にはスカイツリーが静かに佇みます。



東京タワーの存在は年々、薄くなっていきます。タワーの周りは超高層ビルの建設が一定度制限されていますが、その背後の湾岸地区でも超高層化がますます進んでいるので、タワーが埋もれています。



田町から品川に向かって羽田空港の航空法高さ規制がある為、ビルの高さも低くなっていきますが、このエリアでも再開発は盛んです。特に今春暫定開業する山手線の高輪ゲートウェイ駅周辺ではJR東日本が初の本格的なまちづくりに取り組み、複数の超高層ビルを建設します。



青山通り沿いにも高層ビルが増えました。しかしそこは青山。高さは突出していないものの、デザインは奇抜な高層建築が多いのも特徴です。



一連の都心大規模再開発とは少し距離を置いていた北の副都心の池袋もタワーマンションを中心にサンシャイン60の周りに高層ビル群化し始めています。黒い建物は旧豊島区役所跡の再開発で誕生したハレザ池袋。西武池袋ビルも完成し、今後も再開発が連鎖的に進行していくようです。



時間帯的に南西側は逆光でした。シルエットになっていますが、右の高層ビル群は武蔵小杉のタワーマンション街。中央奥は横浜みなとみらいです。



夏のオリンピックに向かって着々と準備を整える東京都心。オリンピック後に完成するプロジェクトも数多く、当初心配されていたオリンピック後の市況悪化の懸念はあまり無さそうです。しかしこれだけの開発を消化してしまう東京及び首都圏の需要は一体どこから来るのでしょうか。常にこれまで何度も◯◯年問題とオフィス床大量供給年の度にダブつきが問題視されてきましたが、結局は杞憂に終わってきました。個人的には東京は世界の大都市と競う首都として、風格と規模を備えるべきと考え、その発展は大いに結構と思ってきましたが、今はその100分の1でもその旺盛な需要を神戸にも分配して欲しいです。ただ今や地方都市も中央からの再分配に過度の依存をせずとも、アジアや世界を相手に直接、繁栄の果実をもぎ取るチャンスに恵まれており、大阪、京都、九州の諸都市は見事これを具現化させています。

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  1. kkbb より:

    東京全体に及ぶまちづくりの超高層化は国の一局集中政策が行き過ぎてどうなのかと思いますね。ゼネコン批判も併せてやり過ぎているのが地方の過疎化も引き起こしているし、高層ビルによる再開発案件そのものがサヨク市民に政府批判の格好のヤリ玉に挙げられる原因にもなっていると思います。
    東京は日本が国策としても、世界に向けた街づくりをせねばならぬ命運を握る街なので再開発し続けなければならないのは分かりますが、日本人の人口減少、地方の過疎化も含め国力の地方分散を真剣に考えなければならない時代に来ていると思います。
    しかるに神戸は、震災以降どうしても国の助力を受けねばならぬ状況下にあり市の財政や資金繰りも含め、国主導によって復興が進められてきました。2000年代当初の神戸のタワマン政策は日本でも例を見ない都市計画であったと思います。
    これらは武蔵小杉市などの住宅都市開発モデル開発になったと思います。そして批判が出始めると、人間的生活を重点に置いたトランジットモール政策や都市空間向上計画など、何かと国交省の影を感じるまちづくり構想が現れます。
    つまり神戸は今の現時点でも国や国交省の意向によって都市計画が大きく左右される操り人形のような行政都市になっています。
    つまり神戸という街は、国交省の今後やる事業のアテ馬都市にされているのです。まちづくり政策の実験都市なのです。このまちづくりに神戸市民、事業人の自主性はあまり見られません。親方日の丸なので、国の言うとおりにしておけば、お金はみんな国が用意してくれるからです。今の市長が悠長にしていられるのもキャリア出身だから中央のコネには自信があるようです。それを知っている取り巻き連もこの市長をおだてることに尽力しています。与党市議連も同じです。
    もし今後、神戸が都市の大開発を捨て地域住民主導のコンパクトシティとして成功を収めるなら全国の都市の見本となるでしょうが、逆に失敗して平凡な一地方都市に堕するのか?
    国は実験者の冷徹な視点で今後も神戸を凝視し続けるでしょう。

    国交省のHP、都市再生に関するページです。
    今まで、さらび今後、神戸市が国によって何を実験的事業を課されるのかが分かり過ぎてこの街が国の掌の上で遊ばれているかが分かります。
    http://www.mlit.go.jp/toshi/machi/index.html

  2. 区民g より:

    何度も東京へは行っておりますが、中々好きになることができない街です。全国からの富が集まって、かつ謳歌する姿を街中で見ていても色んな人がいることがわかり、ある意味大阪と同じような感じさえします。ただやはり消費都市としての成熟さはありますけれど、その富を生み出す源泉は基本的に地方頼りです。余った余剰を東京で食いつぶすのです。
    そして
    関西と違い、重要なのは東京出身、
    地元出身の首長が少ないことです。
    地方がさびれて生産額も沈めば中国といった近隣諸国の資本力が勝ることになり、人口減と相まって砂上の楼閣と為す可能性は否定出来ません。当然何をストックとするかは地域によって違います、東京であれば住居オフィス的不動産ですね。
    しかし東京は人口の再生産も出来ず(出世率全国最下位)、
    地方に人材を頼る構図はいつか限界が来ます。
    ですから関東圏においては
    その環境整備のためにインフラ整備は進むことになります。
    役人の方々政府の方々に勘違いされたくないのは東京だけが国を引っ張るリーダーではないということですね。
    美味しい海の幸やお肉や自動車は一体どこから来ているものなのかを本当に分かっているのかと。
    そしてビルのニョキニョキを山の隆起現象のように
    自然現象だと勘違いされないで頂きたい。
    悪口に成り下がってしまいましたが、東京の企業の経営者ももう少し柔軟性と、創造性があれば地方に本社を移すことは容易であるはずです。ですがそうでないのは、人に依存する産業の比率が高いこと、察するに彼らの東京愛も中々凄まじいものだなと思いますね。まぁとはいえ、その愛を引き剥がせない政府の明らかな失敗であると同時に、東京への流入人口の多くは日本の産業競争力の低下ぶりが遠因であるような気さえし、これからの地方は個々の可能性を追求できる場が多くあることから質で勝っていく事ができる可能性も大いにあると思います。
    自然には人間は到底勝てないですし、
    一方その恩恵はプライスレスです♪
    耐震900mのビルを東京で
    建ててみたらそのときは
    私も頭を垂れようと思います。

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