神戸三宮阪急ビル

阪急三宮駅ビル続報+新ビル概要を考える

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昨年の年末、12月31日付の神戸新聞は阪急阪神ホールディングスの角社長の単独インタビューを行い、ズバリ、阪急三宮駅ビルの建て替えとその着手時期について聞き取りを行った模様を報じました。

以下記事抜粋

『神戸・三宮の玄関口となる駅ビルの建て替えを控える阪急電鉄。高さ100メートル超のビルにホテルを中核に据え、神戸への観光客の受け入れ増加を目指す。阪急阪神ホールディングス(HD)社長の角和夫氏(66)は「神戸市営地下鉄との相互乗り入れや次世代型路面電車(LRT)を(神戸市に)提案しており、にぎわい再生へ貢献していきたい」と意気込む。

-神戸阪急ビル東館の建て替えのめどは。

「阪神・淡路大震災から20年が過ぎた2015年度中の着手を目指していたが、神戸市との協議が完全には整っていない。16年度の早い時期に当社の構想を示したい」

-新ビルの概要は。

「商業施設やオフィスを入れ、メーンは宿泊特化型ホテルだ。神戸観光の拠点になるよう整備する。近年、訪日外国人観光客が急増しているが、関西では京都や大阪が中心で、神戸の名前が出る数が少なく寂しい。外国人を数多く受け入れてきた歴史ある街に、今、何が足りないのか考える必要がある」

-阪急神戸三宮駅の将来をどう考える。

「市営地下鉄西神・山手線との相互乗り入れは夢として持ち続けたい。西神中央-梅田を直結することが一番の利点だからだ。通過駅になるとの懸念も聞くが、そうならないよう知恵を絞ることが大事。駅を地下にすることで跡地に広場ができる。バスターミナルにすれば外国人にも分かりやすい乗り場となり、利便性が高まるのではないか」

-LRTの市内での導入も提案している。

「神戸市が新たな交通手段の導入を検討するというので、当社の事業案を示した。今の市内の交通網の欠点は南北の移動だ。連節車両を用いたバス高速輸送システムも組み合わせて、都心の回遊性向上を狙う」』

結局、神戸市との調整が完了していない為、着工時期は未だ未定というのが結論です。ただ構想は2016年度中に発表する事が示唆されています。年度の早い段階でという事なので夏までには構想内容が明らかになる事を期待したいと思います。

ここで言う市との協議とは具体的にはどういった事柄についてなのかに考えを巡らせてみると、最も期待したいのは市営地下鉄乗り入れまでを視野に入れた総合計画ですが、記事内で乗り入れはあくまでも「夢」とされているので、今回実現するであろう駅ビル建て替えには考慮されてはいないと思われます。

となると、やはり市が進める三宮再整備構想と新駅ビルとの連携方法の模索ということになるのですが、市は地下、地上、空中の三層ネットワークの強化、拡大も再整備構想の柱の一つとしています。現神戸阪急ビル東館は地上はパイ山公園やサンセット通り、そしてフラワーロードを介してJR三ノ宮駅とも至近距離にあります。地下階は直接他施設と連結している訳ではありません。空中は駅舎の2階部分が西口改札となってJR駅と連絡しています。

地下階へは現在、地下鉄三宮駅東6番出口が阪急ビル内と接続しています。これを新ビルの地下階と直接結ぶかもしくはもっと回遊性の向上を狙うのであれば、現在地下鉄駅と三宮ターミナルビル前を結ぶ地下通路から西側に支流を作って、新駅ビルに繋げる事も考えられるでしょう。

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地上階はパイ山公園の空中の有効利用を考えて欲しいと思っています。市が阪急に貸し出す形で広場を活用し、新しい阪急の駅ビルの敷地に加えます。但し、広場の機能は残すように建物を設計。市の資料でしきりに出てくる「ボイド」空間として、吹き抜けの広場に作り替えて、空中は阪急の新駅ビルの低層部として床面積を拡大。

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高層部はセットバックしてオフィス階やホテル階とします。例えるなら神戸国際会館が良い一例ですね。このビルはさんちかや地下鉄駅と直結しつつ、大きな交差点の角地に位置する回遊性の拠点となって水平+垂直方向共に人の流れを生み出している非常に完成度の高い複合商業施設です。

国際会館の成功例を基に広場を活用できれば阪急はビルを拡大する事ができますし、神戸市は駅周辺の活性化実現と賃料収益を得る事もできますので、Win x Winではないでしょうか。

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上記は勝手に想像した新阪急駅ビルのフロア構成です。現ビル内の西口改札前のコンコースは柱も多く非常にせせこましい空間となっているので、いっそのこと、現在の1階への大きな階段は廃止して上下のエスカレーターのみに変更。2階部分は東西に長いコンコース空間へ。現在は天井高が低く圧迫感もあるので、ビル内3階の一部は吹抜にしてコンコース上に開放感を創出。また2階はフラワーロード上に構築されたデッキと直結して、JR駅方面へアクセス可能とします。

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記事を書いていて思いついたのが、パイ山公園も国際会館のように地下と接続した空間にできないでしょうか。地下には地下鉄三宮駅のコンコースがあるのでこことの連携をうまく活用できれば地下から新ビルの垂直方向にも更に回遊性が生まれて賑わいが増すことでしょう。

とまあ、勝手気ままに憶測を述べました。本当はもっと飛躍的な想像をしたいのですが、現実的には現駅ビルの建て替えだけではそこまで阪急側も投資はしないであろうと思いますので、これ以上の大きな開発はあくまでも市営地下鉄乗り入れ後にもっと開発用地が広がってからの第二段階になるであろうと期待したいと思います。

まずは一刻も早く市との協議・調整を終え、開発の方向性と新ビルの概要を明らかにし、具体的なタイムフレームに載せて欲しいですね。そしてこの建て替え計画には広場の活用もぜひとも盛り込んで欲しいです。



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POSTED COMMENT

  1. 夢想家 より:

    明けましておめでとうございます。
    今年もよろしくお願いいたします。
    早期に阪急駅ビルの構想発表を期待したいところですが、未だに「構想」と言っている時点で、先は長い予感がします。
    ここまで待たされたのですから、少々時間がかかっても後世に禍根を残さない計画にしてほしいと思いますね。
    相互乗り入れはたとえ市長が乗り気でも、市長の一存で決められるような案件ではなく、当然市議会なりにかけられ、市民・関係団体等を巻き込んで論議が尽くされてからの手順となるはずですので、サプライズ的な発表はありえないでしょう。
    現在の東館の敷地面積だけで、100mを超える超高層ビル建設が可能なのか少々疑問ですので、阪急が市側を巻き込んでどんな妙案を出してくるのか、とても楽しみです。

  2. 匿名 より:

    地下部分を広げると、地下鉄乗り入れ構想の難易度・施工費が上がるのでは?
    その際には潰す覚悟で一次利用するのも手でしょうが、どっちがいいんjでしょうね。

    今更言っても詮無きことですが、地下鉄海岸線をバス専用道くらいにしておけば、
    今頃は毎年50億程度の黒字が自由に使えたはずです。
    長田の再開発も身の丈に合ったものにしておけば、市の財政事情も相当良くなったはずです。
    (国からの補助金は減りますが)
    こういう過去の誤りを全市民に周知し、二度と同じことを繰り返さない為に
    どういうシステムを作るか、誰がどういう指標でチェックするか、
    そして一番大事なことは、誤りが有った場合は完全にストップして、
    ゼロベースで見直すことが重要です。
    今の自治体の殆どは、サンクコストという概念すら理解していませんよね。

  3. とま より:

    個人的な意見ではパイ山を取り込んだ開発になると思いますね。
    ただそれがボイドを作るかというとということになるとちょっとスペース的に厳しいのかなと思います。
    作るとしたらパイ山の一部を取り込んだ上でビルの中になるのかなと。
    阪急としてはある程度神戸の顔を意識した作りにしなければなりませんから北側のアプローチにある程度スペースを確保しなければならないでしょう。
    細かい話ですがバス停の場所も移動(南か北)するのではないでしょうか。
    いずれにしてもすっきりと小ざっぱりしたものにして欲しいです。

  4. sirokuma より:

    こんにちは。
    阪急の角社長も業を煮やしてるんでしょうね。行政との交渉がうまく進んでいれば、計画発表前に単独会見なんてしないでしょうに。
    神戸新聞頑張ってますが、現在の決まらない決められない行政に対し危機感を持ち、もっともっと神戸市の尻を叩いてほしいですね。

    三宮構想会議が出したタイムスケジュールを思い出して下さい。何とも解りにくい資料で明確な時間軸が示されていません。ただ三宮の整備は30年ほどの長期スケジュールでとらえているとアナウンスしていましたので、短中長期のスケジュールを型通り10年単位読み返すと。
    各駅前広場の計画⇒設計⇒整備までに要する期間が、 ①JR南側では、H27.9~完了は20年後  ②JR北・阪急北の広場に至っては、20年後に着手し30年後に完成となります。そう、市長は任期中は、何もしないと宣言しちゃったんです。
    投資環境の整った絶好機に、こんなスケジュールを組むなんて、企業が神戸市の都合に合わせて何時でも大規模投資をしてくれるとでも思っているのでしょうか?議会も全く機能していないしどうなっちゃうんでしょうか。
    最後に、阪急の相互乗り入れ、西神中央と梅田の直結は、少子高齢化時代に向けての必須の事業でしょう。これにより大阪の人口を吸収出来たら将来、神戸市の大きな活力となりますよ。

  5. masa より:

    大阪梅田の郵便局跡地再開発の二の舞にならなければと心配する。
    着工間際に大臣の一言でストップ、福田政権か、第一次安倍政権の時と思えるが、それから何年なるかわからないが、未だに着工されず、一等地が更地のまま、今は少し動きがあるようだが、着工の正式な発表はない。
    阪急三宮も着工間際のストップ、今はインバウンドが盛り上がっていてもいつまで続くのか、年明けから株式急落、円高と世界経済は不穏。
    企業の投資意欲がいつ減退するかわからない。
    それにしても私有地における企業の建設に対する行政の異常指導というかは、どうなんだろう。問題があれば指摘して直させればよいのになぜ認めず無期限に着工を延期するのか、まさに異常指導である。
    指導するならもっと早く着工すべきと指導すべきだったのに。

  6. kingi より:

    建設の計画だけでも正式に発表してくれればそれに伴い
    周辺も投資や再整備が活発になるんですけどねえ・・・
    建設計画が決定される頃に景気が落ち込み、
    規模が縮小なんて事にならなければ良いのですが・・

    現市長は就任後何の功績も有りません
    無能ぶりには呆れるを通り越して乾いた笑いしか出てきません。

  7. しん@こべるん より:

    夢想家さん
    本当に待ちに待たされていますね・・・。開発のキャッチボールが現状、阪急から市にわたっているのであれば市のもたつきにはやきもきしますが、少なくとも阪急はやる気満々であるという意味では救われる気がしますね。

    名無しさん
    海岸線の公費が三宮再整備に使う事ができればどれだけ大きな構想が描けたかと思うと公共投資の先見性は非常に重要だと痛感しますね。

    とまさん
    実際にパイ山公園を再度見てきましたが、やはりあまりスペース的に大きなものではないですね。ただビルに取り込むとしても広場的な要素は残して欲しいと思います。市有地である場合、それが民間企業が活用できる条件ではないかと。

    sirokumaさん
    当面は何もしない、問題の先送りが構想の最終形なのであればこれは全くの形骸化ですね。。。一応、バスターミナルの整備と市庁舎2-3号館の再開発はするようではありますが。市にも具体案はそこまでしかありません。人口が伸び悩む神戸では地下鉄沿線を大阪のベットタウンにしても人口を増やせる方が吉です。その分、三宮を魅力的にして途中下車させれば良いのですから。横浜、川崎の元気の良い事を考える必要がありますね。

    masaさん
    市も反対しているわけではないかと思います。ただ再整備構想との連携における調整が終わってないのではないでしょうか。しかしもたついている間に経済情勢が変わって着工できなくなる事態は必ず回避しなければなりませんね。

    kingiさん
    阪急もしかり、JRもしかりですね。具体構想が出てこない時間があまりにも長いので半信半疑な状態になりつつあります。再開発の気運もいまいち盛り上がらないのはこれら駅ビル計画が具体化しないからでしょうね。

    市長については・・・。もうあまり期待していません。

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