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4月26日に全面開業した神戸三宮阪急ビル。開業前から夜間のライトアップを開始しており、その荘厳で美しい姿をお披露目していましたが、GWにようやく本格的な撮影を行う事ができました。昼間は建物規模だけでなく、そのデザインの良さやディテールの拘りが際立つ駅ビルですが、夜間にはその存在感が数倍にも膨れ上がるランドマークの登場に三宮が大きな変革期に突入した事を強く実感します。
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神戸で夜間に最も美しい超高層建築へ変貌
この建物は初代神戸阪急ビル東館のデザインを継承した基端部、カーテンウォールに身を包んだ中層部のオフィスフロア、マリオンが高さを強調する高層部のホテルフロアという3つのデザインを垂直に組み合わせた見事な調和によって成り立っていますが、照明演出は基端部とホテルフロアに集中しています。
照明計画にほぼ忠実にライトアップが実施されたようです。唯一、「CONNECT Line」と称されたホテルゾーンとオフィスゾーンを結び付けるリズミカルな光のラインー西側のカーテンウォールの部分にライン状の照明が取り付けられる計画のみが変更され、取り止めになっています。
撮影日が祝日だったので、オフィスゾーンには一切の光が灯っていない事が残念でしたが、平日にはオフィスの光も入って、これ以上に美しい姿になる模様です。現在、オフィスフロアは、5-6階、13-15階の5フロアのみにテナントが入っていますが、その他のフロアの多くもテナントが既に決まっているようです。
建物の上下を色温度の低い照明で統一し、中間をオフィスの白い光でアクセントを付けるとう「光のタワー化」が実行されています。その美しい姿には荘厳さも備わり、新時代の三宮のランドマークに相応しい照明演出が行われた事に、このビルに対する阪急の拘りを強く感じます。
シンボリックなシリンダー部は円筒の壁面を複数の照明で下からライトアップ。そして北面の2階及び6階の庇に間接照明を入れて、壁面をライン状に照らしています。シリンダー頂部の避雷針のベースは光の柱になっており、色を変更する事が可能のようです。
建物の照明デザイナーという職業もなかなか興味深いですね。その建物が夜間に一番映える姿を想像しながら、計画を練る。どのように、どの部分に、どんな色の照明を当てると、建物が美しく見えるのかをハッキリと頭の中で描く必要があります。経験値が大きく問われる仕事かと思います。
これから整備が開始されるさんきたアモーレ広場も照明演出の美しい広場になるものと想像していますが、神戸三宮阪急ビルの基端部に呼応する形のシンボリックな広場になるでしょう。
この建物がこうしたモダンクラシックなデザインとなった事は初代ビルから受け継いだ歴史の継承が大きな意味を持っているからこそですが、神戸のイメージにはピッタリと当て嵌まっています。今後進む駅南側の再開発もデザインの基本路線はこの阪急を中心とする「サンキタ」がモデルケースになっていく事になるのでしょうか。
美しい基端部もさることながら、この建物を「光のタワー」に変貌させている一番の功労者は16-29階までのホテルフロアです。
16階の機械室フロアの壁面を煌々と照らし上げ、更にはホテルフロアの各客室バルコニーも全て下からライトアップする事で、建物上層部全体が闇夜に浮かび上がるように設計されています。
駅南側の広場から眺めてもランドマークの称号に相応しい存在感です。JRの三宮ターミナルビルが閉館して以来、駅前が暗かったのですが、神戸三宮阪急ビルの完成で華やかさが戻ってきました。
最も強調されているのが、塔屋部分です。「Candle Light -安らぎの明かり」と称された頂部のライトアップは「remm+」のロゴと共にタワーの先をキャンドルの明かりが灯るように非常に美しく照らし上げています。また色温度が徐々に下がるよう壁面上でグラデーションになっている様にも拍手喝采です。
最上階の29階展望レストランフロアが営業を休止している為、暗くなっているのが残念ですが、営業開始後には完成された姿を拝む事ができるでしょう。
国際会館前交差点から遠望する神戸三宮阪急ビル。この新ランドマークタワーはその高さによって都心部の至る所から見える存在ですが、夜間には更にその姿を強く主張しており、神戸の夜景に素晴らしい彩を与えるに至っています。今後、続いて建設される予定の複数の高層ビルも神戸三宮阪急ビルを手本として、負けず劣らずの照明演出の実施を期待したいところです。
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阪急百貨店もこのデザインの流れで整備されるとお隣の国際会館迄の間が落ち着いたレンガ調の大人びた景色になりますね。