6月以降の着工が控えるJR三ノ宮新駅ビルですが、都市計画決定に伴い駅ビル内やその周辺で整備される交通広場や通路の詳細について取り上げてきましたが、今回はその最終回として、駅ビル建設に伴って再編される駅前広場について触れたいと思います。
現在の駅前広場の南西側を活用して新駅ビルが建設される為、広場は北東側に面積が縮小される形で再整備が予定されています。この縮小分を補う為、広場上空に人工地盤のデッキを建設し、「人の広場」として、駅前に「にぎわい空間」を創出します。
2,500平方メートルに及ぶ人の広場には人工芝を張り、駅ビルの低層部店舗に面したり、低層のにぎわい施設が整備される予定です。
神戸経済同友会が三宮駅活性化に打ち出した提言案は駅前広場や中央幹線までの駅前空間全てを人工地盤で覆うデッキ化でしたが、部分的にこの案が実現する事になりました。
このデッキ整備には都市再生特別措置法第36条その2の「道路の上空又は路面下における建築物等の建築又は建設」が適用され、都市の再生に貢献し、土地の合理的かつ健全な高度利用を図るため、道路の上空又は路面下において建築物等の建築又は建設を行うことが適切であると認められるときは、当該道路の区域のうち、建築物等の敷地として併せて利用すべき区域(以下「重複利用区域」という。)を定めることができるとしています。
左側のアールを描いている部分が広場上に飛び出したJR新駅ビルの低層部で、ガラスの開口部を有する2層分の店舗フロアとなります。右下の小さいな四角が独立した待合施設です。
デッキの高さはTP+17.1mあり、既存のミント前やポートライナー三宮駅と同じレベルに合わせられています。
地上階の一般車・タクシーロータリーは現在の駅と平行した東西方向の形状から、駅に対して垂直に配置した南北方向の形状に変更されます。
ロータリーの図面です。中央はタクシープールには20台以上のタクシー収容が可能です。南北型だと十分なスペースが取れるのか心配でしたが、杞憂だったようです。
しかしながら、いきなり敷地全体で工事を開始してしまうと、既存のロータリーに大きく干渉を与える事になります。また旧駅ビルの一部やその地下階、そして地下駐車場が未だ広場の地中に存在していますので、まずは西側のこうした既存施設の解体撤去に着手しながら、東側でロータリーの改造も進めていくのではないかと思われます。
このロータリー改造と合わせて、2025年に第一段階の整備を目指す三宮クロススクエアについても工事の着手が予想されます。現在は駅北側が工事の中心ですが、来年度からはいよいよ駅南側の変化が顕著になります。JR西日本には、駅ビル建設と合わせて、ホームを含む駅舎やコンコースのリニューアル、サイン等の刷新も実施して欲しいと思います。
JR三ノ宮新駅ビル東側に再整備される「人の広場(5号三宮駅前交通広場)」
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