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日本真珠輸出組合が所有する国の登録有形文化財に指定されている「日本真珠会館」を3月末に閉鎖する方針を決めたとの報道が出ました。同組合のオフィスや「神戸パールミュージアム」は隣接するビルに移転し、老朽化の激しい既存建物の活用については現状は未定との事です。
同会館は1952円に竣工し、既に築後70年を経過。2014年には建て替えが検討されましたが、保存を巡る議論が勃発し、建て替えは棚上げのまま9年が過ぎていました。
少なくとも現状のまま継続使用はできないというのが、閉鎖の理由との事ですが、老朽建物の維持管理には膨大なコストと使用者も忍耐が強いられます。
ただ2014年の議論の際にも記述しましたが、正直、個人的には登録有形文化財としての価値がこの建物に本当にあるのか疑問に思っていました。その建物の活用の歴史には重みを感じますが、建物単体で見た際、非常に突出して優れた設計やデザインでもありません。商船三井ビルのようなランドマーク性もありません。この土地は再整備の進む東遊園地の南西角に面しており、今後は人の往来も多くなる事が予想されます。記憶を継承しつつも、建て替えで新しい会館に生まれ変わらせ、カフェも併設した新パールミュージアム、組合事務所、上層部はホテルにする等、街の賑わいに貢献し、より人々に愛される建物にする事が望ましいのではないでしょうか。
一旦は保存の道を選んだ日本銀行協会ビルも現在、建て替えに向けて解体工事の真っ最中です。
海岸通り沿いのチャータードビルもホテルとして改装される計画がありましたが、頓挫してしまいました。ホテルになると非常に重厚で素敵な名物施設になるかと思うのですが、頓挫した背景には神戸市の火災予防条例の壁が立ちはだかった可能性があります。
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名前だけ聞くと仰々しいけど登録有形文化財は、登録されているけど文化財の指定は受けていないのだから所有者が決定すれば解体はできるし、解体後は登録が抹消されるだけでしょう?何か罰則があるんでしょうか?
民間企業や個人の所有物なら解体・売却決定は簡単でしょうが、組合の所有となると組合員のコンセンサスを取りまとめる必要もあるし難しいんでしょうね。行政とのシガラミもあるでしょうしね。
でも、この建物は老朽化が激しく安全面を考慮すると残す意味も無いと思います。
因みに、登録有形文化財に登録された建物は、兵庫県が全国で2番目に多い(749件)ようです。