ホテル・旅館宿泊記

東府やResort&Spa-Izu 宿泊記 広大な敷地内で提供される高次元のサービスに感嘆



昨秋は伊豆に二泊しましたが、二泊目にステイした伊豆市吉奈温泉にある「東府やResort&Spa-Izu」は、想像以上に素晴らしい温泉リゾートでした。高級宿泊施設予約サイトの一休でも、口コミの点数が4.7を越えており、最高評価の「素晴らしい」にランクされています。今回は長編記事でこの宿泊施設をレポートとしたいと思います。



東府やResort&Spa-Izuは自然の中の敷地面積約3.6万坪という広大なエリアに広がるスパリゾートで、日帰り利用も可能です。温浴施設以外にもカフェやベーカリー、散策コース等も整備されており、十分に満喫するには丸一日以上の滞在が必要です。

施設到着後、まずはおもてなしを司る玄関棟でのチェックインからスタートです。



玄関棟は天井の高い和風建築です。三角の天井が特徴的です。ソファーセットで待っている間にチェックイン手続き及びスーツケースの部屋への運搬が行われます。



玄関棟には本格的な薪ストーブが備わっています。



館内にはクリスマスツリーも飾られていました。



天井の梁を見せて

チェックインの手続きが終わると、部屋への案内となります。エレベーターを使ってまず2階へ移動します。



さてここから広大なリゾートエリアを散策しながら宿泊棟へと誘われます。



ランタン型の照明と紅葉がマッチした風景は非常に風情がありました。



吉奈川の上に架かる渡り廊下は香風橋。清流のせせらぎを聞く事が出来ます。この橋を渡る段階からワクワク感が止まりません。



渡り終えると本館エリアに突入。宿泊棟ですが、大湯の内風呂や露天風呂、貸切風呂もこの本館エリアにあります。



日本家屋の集合体が本館です。名物のエステルームもこの館内にあります。



建物間には風情のある日本庭園が点在しています。



本館の建物内を抜けると、川沿いに面したウッドデッキのテラスに出ます。左手の茅葺屋根の建物が夕食を提供する懐石茶や「水音」です。



本館と西館を抜け出すと、次の橋「芳泉橋」が見えてきます。



芳泉橋は非常に歴史のある石橋でなんと大正時代に造られたそうです。



川沿いに映える紅葉と歴史のある石橋が織りなす晩秋の光景はまさ芸術的でした。



散策路は更に緩やかな坂が続いていきます。途中で施設オーナーが所有していたフォードのクラシックカーなども展示されており、レトロ感が大きなコンセプトになっています。



門柱の奥には今回、宿泊したヴィラが並んでいます。3.6万坪の敷地がありながら、宿泊施設は30室のみに限定されており、混み合う状況は避けられているようです。



自然の中の散策路は陽が落ちると、照明が点灯し、木々がライトアップされて、夜の雰囲気もグッと渋さを増します。



敷地内には蔵のような可愛らしい小さな資料館もあります。



とにかく絵になる風景が点在しており、どこを切り取ってもフォトジェニックです。訪日客にも非常に人気が出そうですが、日本人としては隠れ家として秘密にしておきたいですね。



紅葉も素晴らしかったのですが、真冬には雪景色になるようですし、真夏は濃緑が眩しく、いつ訪れても魅力の溢れる風景が楽しめそうです。



更に散策路を進むと現れる大正館芳泉。レトロな建築は内部も大正浪漫に溢れている内装です。チェックイン後、この1階で宿泊者には生ビールやワイン、コーヒー、各種ソフトドリンクなどをフリードリンクで提供されています。また2階は翌日の朝食会場となります。



更に散策路を進むと3本目の橋に到達。昭和3年竣工の「み登里の橋」。



そして橋の袂にあるのが「東府や 足湯カフェ」です。



ベーカリーもあるカフェで、温泉で足湯をしながら、ドリンクや自家製焼き立てパン、食事を楽しむ事が出来ます。



足湯カウンターの前には爽やかなエメラルドブルーの水盤が広がっています。



石造りのカウンターテーブルの下に足湯の溝が掘られています。



座椅子に座って足湯を楽しみます。湯温は熱すぎ、足湯に適した丁度良い温度に調整されていました。



無料の足拭きタオルが用意されているのも嬉しいです。



足湯カウンターテーブルから水盤越しに見た東府やの敷地内や背後の山々。紅葉と水盤の色のコントラストが美しい風景です。



こちらが今回の宿泊棟であるヴィラです。2階建のメゾネットとなっており、1棟が右と左の2室構成です。まるで蔵のような外観です。



重厚な趣の玄関扉です。



ドアを開けるとまず玄関。靴箱を兼ねたカウンターの上にはさりげなく生花が添えられています。



向かって右の引き戸を開けると洗面・パウダールーム。



その奥が1階のトイレです。



向かって中央の扉を開けると、その中はリビングスペースです。



椅子二脚のテーブルセット。色々な種類の茶菓子とお茶が準備されています。



ソファーセットとテレビ台周りです。



テレビ台の下には暖炉を模したディスプレイがあります。



これはガスファンヒーターとなっており、エアコン以外にも部屋を暖かくする事ができる暖房があるのは良いです。



カウンター・デスクの上にはエスプレッソマシンと湯沸かしポット、ソーサー類が揃います。



デスク横には大容量のクローゼット。



引き出しボックスと金庫。扉の裏には姿見の鏡が備わります。



引き出しに浴衣、作務衣、足袋靴下が入っています。



冷蔵庫の中のドリンクもすべてサービスです。



1階の外には森林に面したウッドデッキテラス。ソファーセットが置かれています。



気候の良い季節にはチェックイン後に、森林浴をしながら、ひと息付く事が出来そうです。



メゾネットになっている為、開放的な吹き抜けがあります。



階段を上がると、ベッドルーム。2階はカーペット敷きになっています。



ハリウッドタイプのツインベッドです。2階も天井は高く開放感に溢れていますが、雰囲気は落ち着いています。



ベッドの隣にはクローゼットと飾り棚。ホテル仕様のしつらえです。



2階にもソファーセットとテレビが備わります。そしてその奥に洗面コーナー、トイレ、そして浴室があります。



洗面とトイレ。トイレの上には棚板が被せられるようになっています。



こちらの洗面にも1階同様にアメニティ類もひと通り揃っています。歯磨き粉も大きなサイズのソフテマ。



その奥には1人サイズの洗い場が備わります。



そしてテラスにある檜の浴槽の露天風呂。



源泉掛け流しの露天風呂は2人で入っても十分な大きさがあります。



森林の中で入る露天風呂は最高の気分です。鳥の鳴き声やすぐ下を流れる沢の音が癒しを与えてくれます。



東府やオリジナルのトイレタリー用品。



入浴中の休憩にクールダウンでこのソファーで寛ぐのも最高でした。



宿泊棟のすぐ側を流れる沢。入浴中には大きな白鷺が飛んできて、水の中の魚を狙っている様子を伺う事が出来ました。自然の真っ只中で癒しを満喫できる環境です。



メゾネット2階から吹き抜け空間を見下ろします。



夕食を提供する茅葺屋根の古民家を改修した懐石茶や「水音」。開口部はガラス張りになっていて、ウッドデッキテラスに面しています。



上質で洗練されたサービスやハードが整っているので、食事の内容にも大きな期待が高まります。懐石のコースには伊豆の厳選された地元食材がふんだんに使われているメニューです。



上品な味付けと芸術的な色の取り合わせで味覚も視覚も楽しめます。



地魚のお造り。沼津港で水揚げされた生の本鮪赤身の握りが最高に美味でした!



これがブリ大根!?こんな上品で味の深いブリ大根は食べた事がありませんでした。



どの一品も素材の良さが上手く引き立てられていて非常に洗練されていました。どれを食べてもハズレがありません。



地元の和牛と野菜のシンプルな取り合わせ。



ミニガスコンロと鉄板焼きに。熟成されているのか牛肉の旨味が凝縮されていました。野菜も甘味が強く出ていました。



〆もシンプルな白米と赤だし。よく旅館にありがちな食べ切れないという量でもなく、丁度の良さが好印象です。給仕も全く音を立てないよう食器を上げ下げしてくれます。



デザートはフルーツ盛り合わせに桃のジュレ、アイスクリーム。

とても感銘を受けた満足度の高い夕食コースでした。



朝食処は、夕食処とは異なる大正館 芳泉の2階でした。



大正時代には社交場として活用された歴史のある建物です。



1階はカフェやミルクホールとして活用されています。



ホール中央には歴史を感じさせる柱時計。館内はレトロを維持しながらモダンにリノベーションされています。



2階の朝食会場です。朝食には和食、洋食が選択出来ます。洋食を選択すると、大正館での朝食となります。



朝からしっかりとしたコース料理のテーブルセットが整っていました。



フレッシュサラダと野菜の特製スムージー。これが最高に美味しかったです。



敷地内のベーカリーから焼き立てのパンが届きました。カボチャのポタージュも美味です。



そしてメインの卵料理は、スクランブルエッグ、目玉焼き、オムレツから選べます。オムレツがダントツ1番人気でしょう。ハムとソーセージも自家製かと思います。



〆のデザートはプリン、ヨーグルト、フルーツ。そしてコーヒーもしくは紅茶で終了です。



席の隣は一面ガラスの開口部。庭園と山の緑や紅葉を見渡します。



広大な敷地内に点在する数々の施設を堪能するには一泊では物足りなさを感じます。満喫するには二泊あると丁度良いのではないかと思います。これまで泊まった旅館の中でも最高評価の一つではないかと思います。



今年も伊東市に立ち寄って鰻の有名店「まとい」さんにお邪魔してきました。



炭火で焼かれる鰻の串。静岡以西の鰻は一旦、蒸された後、蒲焼きにします。身がホワホワに柔らかくなるので、口に運ぶとご飯と一緒にトロけます。



今回の鰻重も貴重な3,000円台での提供でした。

伊豆半島は魚介も鰻も温泉も自然も全てが本当に良質です。そして素晴らしい旅館が豊富に揃っており、その多くが高いレベルで凌ぎを削っています。毎回、その満足度の高さに驚かれされますが、関西からだとどうしてもアクセスが良くないのが悩みの種です。淡路も最近はレベルが上がっているようですが、伊豆の洗練性を是非とも参考にして欲しいと思います。


施設基本データ
所在地 静岡県伊豆市吉奈97

http://www.tfyjapan.com/

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