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7年ぶりに名古屋遠征の取材に行ってきました。個人的にも名古屋を訪れるのは5年ぶり。大きく変わろうとしている名古屋のダイナミックさを肌で感じた訪問でした。
まず最初に訪れたのは久屋大通公園。JR名古屋駅周辺と双璧を成す名古屋最大の繁華街・栄にあるのが久屋大通公園です。西側には旧名古屋テレビ塔こと「中部電力 MIRAI TOWER」があり、札幌の大通公園にもよく似た構造をした都市公園で、都心における市民のオアシスです。
この公園の賑わい拠点化としての再生を目指し、名古屋市は公園PFI事業によるリニューアルを計画。「栄地区グランドビジョン」に基づいて、錦通から外堀通までのエリアの整備運営を行う事業者の公募を2017年に実施。これに名乗りを上げたのが大手デベロッパーの三井不動産です。
南北約1kmにわたる公園を4つのゾーンに区切り、24棟の店舗施設を設置。公園とあわせて運営・維持管理を行うPark-PFI制度事業としては日本最大級のプロジェクトとなりました。
再整備が完了したのは2020年の秋。誕生から2年を経過しての訪問となりましたが、実際に訪れてみて、そのスケールに圧倒されました。
公園のPFI事業による再整備で、用いられる賑わい拠点の大抵はカフェ・レストラン等の飲食店やコミュニティ施設になるのが通例ですが、久屋大通公園を手掛けるのは三井不動産。公園のショッピングモール化という新たな切り口でのリニューアルを試みました。
平家もしくは地上2階の低層建物24棟にリーシングされたテナントは全35店。その業態はカフェやレストランに留まらず、アパレルやインテリア雑貨などの物販店もある事に驚きを覚えました。
公園でありながら買い物や食事も楽しめるショッピングパークに生まれ変わったのがHisaya-odori ParkのRAYARDです。三井ショッピングパークのブランドとして、東京・渋谷の宮下公園に続き、全国2箇所目の開業となりました。
これだけの規模の施設に話題性と質の高いテナントを誘致出来たのは、三井不動産の力もさることながら、久屋大通公園の持つポテンシャルの高さも評価された事も大きいでしょう。
栄という名古屋都心商業地区のど真ん中に位置する都市公園という稀有な存在の秘める可能性に惹かれたのは、三井不動産だけではありませんでした。
名古屋市が行ったPark-PFI事業者公募には三井不動産を代表企業とする企業グループと三菱地所を代表企業とするグループの一騎打ちが行われ、最終的に三井不動産の率いる企業グループに軍配が上がりました。
日本を代表する大手デベロッパーが鎬を削る程、このプロジェクトの注目度は高かったと言えます。出店したテナントには公園との連携に力を入れるサービスの提供を課し、様々な体験を受ける事が出来ます。無論、公園内ではイベントも盛り沢山。
園内に誕生した新しい設備として、巨大な水景が出来ました。夏場は子供達の大人気スポットになっている事は想像に難くありません。
公園のリニューアルと共に名古屋テレビ塔も改修が行われ、4階・5階にホテル「THE TOWER HOTEL NAGOYA」が開業。21年からはネーミングライツの施設命名権契約を中部電力と締結し、現在の「中部電力 MIRAI TOWER」に名称が変更されています。
JR名古屋駅周辺の大規模再開発によって台頭した名駅エリアに大きく押され、地盤沈下が進んでいた栄エリアもここに来て老朽化したビルの建て替えや再開発が目白押しとなり、復権を目指して大きく生まれ変わろとしています。
久屋大通公園のリニューアルは生まれ変わる栄地区の急先鋒として真っ先に着手されたプロジェクトでした。三宮・東遊園地でもPark-PFI事業を採り入れた都心公園のリニューアルが進行中ですが、民間事業者による賑わい拠点は地元企業のみで構成された飲食・コミュニティ施設1棟のみに限られています。Hisaya-odori Parkの規模は求められませんが、少なくとも、もう数棟の飲食・サービス施設の投入はあっても良いのではないかと思います。
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