御堂筋を中心として老舗オフィス街の淀屋橋や本町地区で続々と大型再開発プロジェクトが始動・進行しています。昨年、竣工したばかりの超高層複合ビル「オービック御堂筋ビル(地上25階 地下2階 高さ116.35m 延床面積55,753㎡)」の南側に隣接したビルが解体されています。
解体中のビルは御堂筋に面するのが、旧パソナ大阪本社の入居していたUD御堂筋ビル、そして奥側にそのアネックスビルです。2棟の建物を解体して土地を集約し、再開発します。これらの土地を取得したのはNTT都市開発。敷地面積は2,770.88平方メートル。
仮囲いに建築計画のお知らせが掲示されていました。工事名称は「(仮称)御堂筋淡路町ビル新築工事」。
御堂筋に面するファサードとなる東立面図です。建物の規模は地上21階 地下2階 塔屋1階 高さ100.0m 延床面積42,359.95平方メートル。建物用途はオフィス、集会場、店舗、駐車場。隣接するオービック御堂筋ビルと同様に御堂筋に対して立面する基壇部の上にセットバックした上層部を載せた超高層オフィスビルとなります。1-2階は吹き抜けのエントランスホールとショールームのような店舗となるのでしょうか。
今年7月に着工し、2024年12月末に竣工予定です。設計・施工は珍しく大阪勢の竹中工務店や大林組でなく、鹿島建設が受注しました。オービック御堂筋ビルとツインビルのような形で2棟の高層ビルが立ち並ぶ事になります。
御堂筋淡路町ビルの計画地から100m程南下すると新たな建設工事現場があります。御堂筋安土町ビル(旧住友生命本町ビル)の建て替えが行われています。
この土地は積水ハウスが取得して新たに新築オフィスビルを計画しています。計画名称は(仮称)安土町3丁目ビル。事務所と店舗から構成される地上19階 地下2階 塔屋2階 高さ88.86m 延床面積19,106平方メートルの規模となります。昨秋に着工し、2024年春に竣工予定です。
現在はクローラークレーンが稼働しています。地中障害物の撤去工事が行われているのしょうか。この建物は大林組が設計・施工を担っています。
これらの2棟の新規オフィスビル計画、オービック御堂筋ビル、もう少し北には三菱UFJ銀行大阪ビル本館、そして淀屋橋駅東・西地区のツインゲートタワー等、重厚な中層ビルが並んでいた御堂筋は老朽ビルの建て替えによって高層化が顕著になってきました。今後もこの傾向は継続していく事になるでしょう。御堂筋の高さ制限解除によって50mのスカイラインは100m以上に揃っていく事になり、沿道の既存ビル建て替えが促進されています。御堂筋の現況は街の活性化に必要なのは規制強化ではなく、規制緩和である事を証明しています。
御堂筋から一歩入ったエリアでも高層化がますます進んでいます。ビジネスホテルやタワーマンションが主な開発用途だった淀屋橋・本町地区で次々と高層オフィスビル計画が相次ぎ、梅田に対して苦戦していた老舗オフィス街が息を吹き返し始めました。足下ではこれまでの需給逼迫状況から一転して、テレワークの普及やコロナ不況によって空室率がジワリと上昇しているようですが、2025年の大阪万博開催を中心とするアフターコロナを焦点として、需要の回復を睨んで、開発プロジェクトは予定通りに進められています。
地域探訪: 大阪・御堂筋で続々と新規高層ビル計画が相次ぐ (仮称)御堂筋淡路町ビル・(仮称)安土町3丁目ビル
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> 御堂筋の現況は街の活性化に必要なのは規制強化ではなく、規制緩和である事を証明しています。
全く持って仰る通りです。
高さ規制の関係で、神戸では建てられないような高層ビルが、すごいペースで建っていくのが特徴的ですね。
あと、高さに関連して、容積率が明らかに神戸より大きく緩和されていると感じました。
例えば、三宮バスターミナル1期ビルが1050%、神戸阪急ビルが駅の敷地も含めて700〜800%ですが、淀屋橋のツインタワーが1600%ですから、大阪のオフィスビルが高くなるのは当然ですね。
やはり三宮でもオフィスビルの建設の際には、自動的に高さ規制の例外適応や容積率の緩和をするべきなのではないでしょうか。
JR三ノ宮駅ビルの計画の詳細がいつまでたっても明らかにならないのは、神戸市の定める高さ規制や容積率の制限にJR西日本が納得できないからかもしれません。
神戸市は三宮など市街地でのマンション規制を続け、三宮をオフィス・商業地にしたいと主張するなら、その方針に従った建設にはメリットを与えるのが神戸市の責務であると考えます。
それと、こちらの記事や先の淀屋橋のツインタワーなど、本町のビルを見ていると、梅田だけでなく大阪内部に位置する淀屋橋・本町の古くからのオフィス街にまで高層オフィスビルが立てられていることを羨ましく感じました。
神戸も三宮以外の神戸駅や兵庫区などの旧中心街にオフィスビルを建てるような日が来ることを願っています。
神戸の場合、大阪と異なり旧中心街がJR東海道本線・山陽本線の沿線の国土軸に沿っている点にアドバンテージがあると考えています。
これは大阪の旧市街地からは、地下鉄に乗らなければJR東海道本線出ることができないことと対照的です。
ぜひこの地理的なアドバンテージを活かした街づくりを進めてほしいと願っています。