地域探訪・九州編の第二弾は鹿児島編です。かつて鹿児島は薩摩国と呼ばれ、日本の近代化に大きな貢献を果たした藩です。今も残る日本の多くの体制の基礎を築いた政治家を多く輩出した歴史の街です。
現在の鹿児島市は鹿児島県の県都であり、人口約60万を抱える南九州最大の都市でもあります。九州新幹線の開通によって福岡、大阪、東京からのアクセスが改善された事、インバウンドによる観光客増加によって、熊本に負けず劣らず、市中心部では大型開発が目白押しです。
開発エリアの急先鋒はやはり玄関口であるJR鹿児島中央駅周辺です。鹿児島中央駅はかつては西鹿児島駅と呼ばれていましたが、2004年に九州新幹線が同駅への乗り入れたのを機に駅名を改め、名実と共に鹿児島の玄関口へと変貌しました。新幹線駅開業と同時にJR九州は複合商業駅ビルを建設。地上6階(一部7階) 地下1階 延床面積67,100平方メートルの規模で本館(写真奥)と別館のプレミアム館(手前黒の建物)から構成されます。
この駅ビルの特徴はご覧の通りビルの上に直径60mの観覧車が乗っている事です。鹿児島一を誇るアミュランは高さ91m。
商業施設はJR九州のフッションビルブランドのアミュプラザ。福岡のJR博多シティに次ぐ規模です。211のテナントが集い、本館最上階にはシネコンも入っています。
本館とプレミアム館の間に設けられた大屋根の下はイベントが催されるアミュ広場。この日も地元のイベントが開催されていました。
アミュ広場には大型ビジョンのアミュビジョンも備わります。
アミュ広場は結構な奥行きがあるので全天候型広場として幅広い用途に活用できそうです。JR九州の駅ビルは共通してこうした広場を備え、駅ビルの外にも賑わいを生む工夫が施されています。
アミュプラザのテナントは玄関口の一等地という立地性を活かして人気と集客力の高いテナントが一斉に集います。既存中心街に出店していたであろうテナントの移転やこの駅ビル開業によって鹿児島初進出したであろうブランド等が多く見受けられます。アミュプラザの年間来館者は1,000万人を超えており、鹿児島でも駅ビルの強さを実証しています。
アミュ広場には鹿児島中央駅へのコンコースへと繋がる大階段を中心とし、両サイドにアミュプラザの本館、別館が両翼を担います。
鹿児島中央駅の改札外コンコースです。熊本駅のように鹿児島らしさを感じる要素はありませんが、綺麗で機能的です。駅舎内に鹿児島らしさを表現するのも至難の業かもしれません。
在来線のりばと新幹線のりばは並列しています。
鹿児島中央駅の1日の乗降客数は約4万人です。
改札外コンコースにはみやげ横丁と名付けられた大型のお土産売場も設けられています。駅ナカには名店街もあり飲食店が集います。
新幹線駅は在来線駅に対して垂直に乗り入れているので駅舎もT字型に拡大しました。従って高架下も商業施設として活用されています。
新幹線駅高架下はビックカメラ鹿児島中央駅店が出店しています。
西口1階コンコースの様子です。
西口の駅前広場です。駅前はビジネスホテルに囲まれています。
西口は表玄関の桜島口と比べて裏玄関なのであまり人通りは多くありません。しかしJR九州は駅前地区で今後、商業施設やマンションの建設を計画している他、鹿児島県は鹿児島アリーナと呼ばれるMICE施設の整備構想を検討しており、西口も大きく変貌を遂げる可能性を秘めています。
西口にはJR九州がアミュプラザの一部としてホテル棟も建設。地下通路を介して両施設が連絡しており、駅2階コンコースとホテルエントランスも直結しています。
九州新幹線の開業に合わせた駅ビル開発の組み合わせ第一弾となった鹿児島中央駅。JR九州は鹿児島での開発成功によって自信を深め、この後に最大規模の開発となる博多、そして大分の駅ビル建設プロジェクトを進めました。
次回の地域探訪は桜島口駅周辺で進む再開発計画に焦点を当てたいと思います。
地域探訪:鹿児島 鹿児島中央駅周辺の開発状況 その① JR駅ビルの来館者は年間1,000万人!
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク