旧そごう・神戸阪急

そごう・西武の行方は・・・そしてそごう神戸店の将来は?

百貨店縮小の嵐が吹いて止みません。一昨日、千葉県柏市にあったそごう柏店が閉店。43年の歴史に幕を閉じました。郊外店・地方店の各百貨店の閉鎖・閉店が加速度的に増加しています。今年から来年にかけて閉店となる百貨店はこんなに沢山あります。

三越千葉店
三越多摩センター店
そごう柏店
西武百貨店春日部店
西武百貨店八尾店
西武百貨店筑波店
西武百貨店旭川店
花田阪急

そのほとんどが首都圏や近畿圏の郊外店です。中でも群を抜いているのがやはり西武百貨店とそごう。経営破綻以来、そごうはもうかなりのスリム化が進んできているので、これ以上閉める店が無くなってきています。地方店では徳島、郊外店では西神中央でしょうか。あとは横浜、千葉、神戸、広島と政令市の都心立地店ばかりです。代わって西武はまだまだ地方店、郊外店が多く営業しています。

一時的には爆買いが起死回生のようにもてはやらされ、都心店を中心に息を吹き返した百貨店でしたが、本当に一過性の復活でした。やはりもう斜陽の道。一度転がり落ち始めたボールは止まりません。前期のそごう、西武の利益はセブン&アイグループ全体の2%を占めるに過ぎず、都心店が地方店を庇えなければ更なるリストラも進めざるを得ないでしょう。

そごう、西武の多くは建物の老朽化が進行し、抜本的な改革が難しい店舗も多く、都心店であるそごう神戸店や広島店もそんな古参店の一部です。グループ内最大店舗の西武百貨店池袋本店でさえ建て替えという選択肢は取られませんでした。最大店だからこそ建て替え中の減益には耐えられないという事情もあるものと思われます。翻って神戸店の建て替えはセブン&アイである以上、建て替えは諦めるしかないのかと言えば、まだ希望は残されています。同じく都心主要店でありながら、神戸店よりも売上高の低い西武百貨店渋谷店の建て替えが計画されているのです。

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時期詳細はまだ未定ですが、2020年以降の計画としています。そごう、西武に渋いセブンが渋谷店の建て替えを容認した理由は何でしょうか。渋谷店は1968年の開店で建物はすでに築50年を迎えようとしており、老朽化が1つの要因ではありますが、それだけが投資理由にはなり得ません。池袋本店やそごう横浜店のような1番店でない事も建て替えに着手しやすい事もあるでしょう。しかし最も大きな影響を与えたのは渋谷で進む複数の大規模再開発です。渋谷駅をはじめ、駅周辺で実に20もの再開発案件が進行しているのです。再開発が完了すると西武渋谷店を取り巻く環境は激変し、人の流れも大幅に変わります。

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セゾングループ時代には同じ傘下にあったパルコ渋谷店も建て替えに着手しました。

結果としてそごう神戸店よりも売上の低い渋谷店はその立地将来性が見込まれて、建て替えという選択肢が浮上した訳です。

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渋谷店を例にとるならば、そごう神戸店が現実的に建て替えという方向に向かうには三宮の駅周辺再開発が活発化し、収益性の高い立地として認識されなければなりません。再開発が進むと、三宮地区の拠点生が高まり、集客力も向上します。同時に商業施設の増床や新設によって競争も激しくなります。設備投資のできない施設は集客力が弱まって自然淘汰され、跡地が更に再開発されるという新陳代謝のサイクルが生まれます。

この流れの中でそごう神戸店が建て替えられる可能性が生じる事でしょう。そのきっかけはやはりJRの新駅ビルです。神戸阪急ビルは三宮再開発開始の狼煙としては十分なインパクトを与えましたが、何分、開発面積が限られている為、商業床は地域内競争を激化する程の力はありません。このビルの開業によって売上や集客に大幅な影響を受ける商業施設はあまり無いでしょう。

JR駅ビルには恐らく売場面積数万平方メートル級の商業床が新規供給される事が予想されます。こうなるとそごう、ミント神戸、神戸マルイ等の周辺地区に既存する商業施設はこれに対抗策を講じなければなりません。相乗効果で売上が改善に向かう事も考えられなくはないですが、やはり大幅な投資が出来ないと、中長期で確実に消耗します。投資を伴う競合によって街の魅力が向上しなければ、新しいパイは増えず、単に既存施設から、より新しい商業施設に顧客がスライドするだけです。

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神戸阪急ビル、JR新駅ビル、そごうの建て替え、マルイ街区の集約による再開発。この4つが進むだけでも三宮の顔は150万都市の玄関口としての威厳と風格を備えることが可能なのではないかと思います。

2016年2月期のセブン&アイグループの連結純利益は最高益を見込んでいたにも関わらず、前期比50%ダウンで600億円の減損が発生するとのこと。これは主にそごう・西武、そしてイトーヨーカ堂の不振が大きく影響しており、もはや好調なセブンイレブンによるコンビニ事業がこれら不採算部門を支えきれなくなってきている証拠です。百貨店事業はもはやグループのお荷物と化しています。そもそもスーパーとコンビニが主力事業だったイトーヨーカ堂がダイエーと同じく百貨店に手を伸ばした事は失敗でした。ロビンソン百貨店の失敗の後もデパートへの夢を諦めきれず、遂にはミレニアムの西武とそごうを手中に収めたまでは良かったのですが、百貨店業界が衰退すること自体を読み切れませんでした。

そごう・西武がセブングループから切り離されるのも時間の問題になってきているのかもしれません。セブン傘下時での建て替え可能性に期待するよりも、事業譲渡先が行う改革によって再開発が進むことに想いを馳せた方が現実的でしょうか。



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POSTED COMMENT

  1. 黒霧 より:

    おはようございます 百貨店! その街の顔として建っている姿は好きなんですが 時代も変わり ほとんどの百貨店経営が厳しいでしょうねー シンプルな意見ですが 今は家族で車で行けて駐車料金も場合によっては無料の郊外型のモールで間に合いますし 昭和バルブの大金持ちさんも年を取り 洋服はユニクロさんで充分 時計はカシオさんGショックで充分って方も増えてますので  とはいえ百貨店頑張ってほしいですね。特にこれからの三宮で 笑

  2. ロッコーマン より:

    三宮都心部の開発はまちのデザイン課の担当者の人は超高層化に否定的ではなく、マンションでなければ推進したいようです
    神戸が、まず主役のディベロッパーにとって魅力的なエリアに感じないことが、開発につながらない現状のようです
    デザイン課の人は神戸スピリットというかやる気は感じましたよ
    ただそれを阻害するのは何なのかですよ
    ゼネコンか大手ディベロッパーか地権者かあるいは神戸市行政のあり方なのかですよね
    いや、ほんとうは神戸市民かもしれないかもです
    まあ、こないだ話し合えた内容はだいたいここで紹介したので、あとはみんなで市に発言していくことが大事だと思います
    思っていても口に出して言わなければ思っていないのと同じだと思います
    いろいろ失礼しました

  3. そま より:

    三宮駅再開発の肝である駅ビルにプラスしてフラワーロードの歩行者天国化、路面電車等でこれからの神戸市の変化は非常に楽しみですがセンター街をもっと何とかして欲しいです。あとルクアが入る事でマルイと競合しそうで百貨店の動きも注目ですね。

  4. 夢想家 より:

    H2Oリテイリングに譲渡されれば、阪神百貨店建替えのようにスムーズに行くのですが。大型店が梅田の阪急と阪神だけでは心もとないので、神戸に復活してほしいですね。
    ところで、JR三ノ宮駅の耐震補強工事が大変みっともない事になっております。
    あのまま当分放置されるんでしょうか?それとも駅ビル建て替えへの布石でしょうか?どっちにしても、ただでさえ狭いコンコースがさらに狭くなり柱や鉄骨が邪魔でまっすぐ歩けない状態ですね。阪急は先が見えているので我慢できますが、JRさん早く今後の展望を示してくださいね。

  5. kingi より:

    セブンの元会長鈴木氏は
    「百貨店は売る努力をしないただの場所貸し業」と散々馬鹿にしていました。
    なので、百貨店事業買収時にはさぞかし秘策があるのかと思えば
    やったことはリストラと店舗閉鎖だけです。
    結局はコンビニの一発屋だったということが露呈しました。

    一番良いのは伊勢丹がここに百貨店を作ってくれる事なんですけどねえ

  6. JUNK より:

    神戸新聞にこんな記事が出ていました。
    一角にはホテルが建設され始めていますがどうなるのでしょうか。

    三宮再整備で高層ビル計画 バスターミナルやホテル 2016/10/5 06:58

    http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201610/sp/0009554316.shtml

  7. むろ より:

    予言的中ですね。いつも楽しく読ませて頂いております。
    西神と三宮のそごう、H2Oリテイリングに譲渡だそうです。ニュースみて真っ先にこちらの記事を思い出しました。
    三宮阪急ビル再建中のこの時期にそごう三宮店もらい受けるということは、そごうを阪神化して梅田みたいに阪急・阪神両百貨店が並ぶんですかね?それともそごうはそごうのままなんですかね。

    いずれにせよ、貰い受けたからには何らかのテコ入れはされるでしょうし、今から楽しみです。

  8. 夢想家 より:

    私の希望通りH2Oリテイリングに譲渡されてとても嬉しいです。やっと阪急が神戸に帰ってきてくれました!梅田の次は三宮開発に総力を注ぎ込んでくれることでしょう。
    逆にこれでJR駅ビルは伊勢丹(イセタンハウス?)で決まりでしょう!

  9. kingi より:

    まるでこべるんさんのこの記事を読んだかのようなタイムリーなニュースですね

  10. 元町 より:

    建物も新しくなれば、三宮が一層活気づきますね。

  11. りんご より:

    H2Oに神戸店と西神店が譲渡というニュースを知り、びっくりです!
    そうなれば、きっとのれん替えも考えられますよね。阪神にするのか、阪急にするのか、、、
    でも、そうなれば神戸店の建て替え話も夢ではなくなりましたよ!
    お願いだから、建て替えしてほしい!

  12. masa より:

    阪神梅田が完成すれば、そごう三宮の建て替えに入り、超高層ビルに生まれ変わる可能性大。百貨店、ホテル、オフィスの複合ビルに、阪急なら可能。それまでにJR三宮も建て替えが完了しており、活気のある三宮になりそう。

  13. 秋山 より:

    はじめまして。徳島在住の者です。この件で最大の課題はそごう徳島店との関係が今後どうなるのか、更にそごう徳島店そのものの存続は、の2点です。元々そごう徳島店は神戸店との関係が深く(高速バスなら三宮まで2時間ですぐ)、高級品については神戸店で買い物をしてもらう前提で、日常品中心の品揃えになっているからです。その神戸店が閉鎖となるとその前提が崩れてしまうため、徳島店の閉鎖も免れないと考えています。

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