神戸新聞が報じたところによると、神戸市観光局による調査にて、2024年に神戸市内に宿泊した外国人客の宿泊者数が94.5万人に達した事が判明しました。これまでの最高値はコロナ禍前の2019年で73.9万人。その後は減少しましたが、23年から回復し始め、昨年は一気に新たな記録を構築。

今年は4月より神戸空港に国際チャーター便が就航し、訪日観光客が大幅に増加しています。また一昨日前の記事でも触れましたが、神戸空港を利用した訪日客の7割は神戸市内に宿泊しており、25年の合計数は更に大幅な記録更新が見込める模様です。

既に6月までの累計で60万人に達しており、今年は100万人を超える事が確実視されています。国別の内訳でトップ3はやはり中国、韓国、台湾の順に並びます。また宿泊エリアの内訳は中央区が85%を占め、続いて有馬が10%。国内客を合わせた総合計は713.6万人。訪日客は約13%という結果でした。

着実に神戸にもインバウンド効果が現れていますが、国内トップクラスの大阪、京都と比較すると、まだ雲泥の差が開いています。2024年の記録として、京都市は1,630万人、大阪市も1,000万人近くに上ります。

神戸市と同じくインバウンド需要を上手く取り込めていないと言われる奈良市の昨年の外国人宿泊客数は44.5万人。しかし外資系ホテルの進出数は神戸を上回ります。

神戸にも2029年にコンラッドが進出する予定の他、今冬以降にはリブランドによってHMIホテルズ傘下の2ホテルがマリオットに変わります。まだホテルブランドが明らかにされていないJR駅ビルの上層階や神戸三宮ツインゲートの2期ビル上層階にもハイクラスホテルが入る可能性もあり、訪日客増に対する備えは進められています。

昨年からウォーターフロントや須磨、垂水の西海岸地区で新施設や既存施設のリニューアル開業が相次ぎ、集客力と魅力アップが図られてきた効果も着実に表れているものと思われます。神戸空港の国際便利用者数が200万を超えてくれば、宿泊客数も同規模に拡大する事が期待されます。過剰なオーバーツーリズムは避けつつも、国内客と上手くバランスを取りながらインバウンドの恩恵もしっかりと授かり、500万人レベルまでに広げて行ければ上出来でしょうか。
神戸市内の訪日客宿泊者数は100万人突破の見込み 神戸空港効果が着実に表れる
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成田空港も関西空港も、円安も相俟って日本からの渡航客と
インバウンド客の割合が取って代わられて久しい昨今、
オーバーツーリズム問題を孕みながらも、外国人から見て
魅力的な観光資源を持つ自治体が、余すことなくその恩恵に
預かろうとする姿勢は理解できます。
その点で神戸の場合は、観光資源となると旧居留地や北野の
近代建築群に有馬温泉、そしてウォーターフロント辺りに
なるので、どちらかと言えば国内からの観光客や台湾など
親日的な観光客向けとなるでしょう。
故に国際化を果たした神戸空港に今後期待する施策としては、
・客単価の高いビジネス客などの空港利用促進
・そうした客層を満足させ得るサービスを有する
国内・海外のFSC就航誘致
・ビジネス交流や国内からの渡航需要に応えるべく、
欧米便就航の実現へ向けての滑走路延伸
・それらによって得た観光客や航空会社からのニーズに応え、
利便性を向上させるための宿泊施設等整備
こうした施策を効果的に打つことが重要でしょう。
関西エアポートの幹部社員には、関空を経由した
目の前のインバウンド取り込みにばかり気を取られ、
神戸空港を含めて関西全域の経済発展施策が
おざなりになっていないか問いたい思いです。