惜しまれながらも2020年12月31日に東急ハンズ三宮店が閉店してから、早いものでまもなく6年が経過しようとしています。同店が入居していたM-1スクエアビルは、土地と建物を信和不動産が取得し、商業施設として復活を模索しましたが、ハンズ入居が前提として建設された建物は、スキップフロアが積み重なっている特殊な構造がハードルとなった為か、閉店後は一度も営業を再開する事なく、結局は建物を解体する事に至りました。

本格的な解体工事が2024年秋から開始され、既に現在は地上部が完全に消滅し、更地になっていますが、敷地の北西部一部では暫定利用としてコインパーキングが営業しています。しかし大部分はまだ仮囲いに隔てらた状態を維持しています。敷地面積は2,000平方メートル以上あるものと思われ、神戸市の都心機能誘導地区内にあるので、住宅が占められる容積率上限は400%に規制されています。また繁華街のど真ん中という立地条件的にも共同住宅単体でこの土地を活用する事は難しいでしょう。

考えられる土地の開発方法は、南北に敷地を二分し、異なる用途を与えるという手法が現実的なのではないかと思われます。敷地はL字型の形状です。生田新道といくたロードの交わる交差点に面する南側には、テナントビルもしくはホテルを配置する事が望ましいです。そして生田神社に面した北側には1,000平方メートル未満の建築面積を前提とした共同住宅を配置。周囲にホテルが複数立地する事でも証明されるように、閑静な生田神社や生田の森に面する敷地北側の眺望や環境は、住宅開発にも適していると言えるでしょう。

東急ハンズ三宮店が立地していた角地であり、地下鉄三宮駅にも直結している事も考慮し、交差点の新たなランドマークとなるようなデザインと機能を有するテナントビルの完成を期待したいです。テナントの用途の主軸はやはり飲食店となる事は間違いありません。

カフェやレストランを中心とし、パティスリーの出店も期待したいところです。その昔、交差点を挟んで斜向いには、アンテノールのカフェが営業していたり、向いはバームクーヘンのマ・クルールのカフェがありました。再び往時のお洒落な雰囲気を復活させられるようなテナントビルが欲しいところです。数フロアをテナントとしたホテル建築という路線もあるかと思いますが、メインの通りに面する事での喧噪をどう評価するか次第かもしれません。近隣には生田新道に面して、「the b 神戸」や「ザ ロイヤルパーク キャンバス 神戸三宮」も立地しています。
北側には神戸駅周辺でも複数の物件が新規供給されているのと同様、地上19-20階前後・高さ59.9mで100戸余りのタワー型レジデンスが建設されるのではないでしょうか。分譲マンションで、大手デベロッパーの参画が予想されます。利便性が非常に高く、都心生活をエンジョイしたいDINKSや子供が成人した高齢富裕層からも支持を集めるのではないかと思われます。

フラワーロード沿い・加納町4丁目で建設が開始された柏井ビル他跡地のプロジェクトでも、信和不動産が取得した土地に、東急不動産、関電不動産開発、伊藤忠都市開発が相乗りする形でのタワー型レジデンスの計画が進行を開始しました。この東急ハンズ三宮店跡地でも同様の開発手法が採用されるものと考えられるでしょう。

この開発も2030年の神戸空港国際定期便の就航開始や、三宮で進行中の大型再開発ビルと共に新しい三宮を形成する重要なパズルのピースの一つになると言えるでしょう。飲食店の多く集まるサンキタはインバウンド需要も高く、新たなテナント需要が生まれつつあるエリアでもあります。そのサンキタのど真ん中にある貴重な開発用地ですので、最大限に有効・高度利用できるような活用を行って欲しいですね。2029年の完成を考慮すると、年末から来年初辺りの着工が望ましく、従って秋頃までには開発概要の発表が必要になってくる事でしょう。さて、どのように計画が進められるでしょうか。
旧M-1スクエアビル/エピタ神戸三宮(旧東急ハンズ三宮店)跡地の活用方法について考える
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