神戸市は去る3月22日、鈴蘭台駅前地区第二種市街地再開発事業の事業計画を決定したと発表しました。北区の中心である神戸電鉄鈴蘭台駅前において、駅前広場等の整備による交通結節機能の改善と共同化ビル建設によるにぎわいづくりを一体的に行うというものです。
計画では駅前北側の約1.1ヘクタールを再整備し、共同ビルの建設、駅前広場の整備、幹線道路の拡張を行います。共同ビルは地上7階建てで現在の鈴蘭台神鉄ビルや駅前広場の跡地に建設。駅と鈴蘭台幹線間の商店や雑居ビルを撤去して、駅前広場と幹線道路の拡張を図ります。再開発ビルの1階部分はピロティ空間として駅前広場の上空に張り出すような構造です。主要用途として、建物低層階は店舗や事務所、高層階は北区役所等の公共施設が配される予定です。
事業計画の概要
施行面積 約1.1ha
敷地面積 約4,470㎡
建築面積 約3,570㎡(建ぺい率:約80%)
延べ面積 約23,120㎡(約18,500㎡)(容積率:約413%)
構造規模 鉄骨造 地上7階建
高さ 約33m
主要用途 店舗・事務所・公益施設・駐車場
総事業費 約117億円
事業スケジュール
平成25年度 管理処分計画の決定、特定建築者の決定
平成26年度 再開発ビルの工事着工
平成27年度 再開発ビルの完成
平成28年度 道路・駅前広場の整備、事業完了
この計画には事業協力者として大和リース・竹中工務店グループが決定しています。
また再開発ビルの建設に伴い、鈴蘭台駅舎の改良も行われます。現在、高架化されている軌道の上に橋上駅を整備して再開発ビルへの連絡を行う駅ビル方式が採用されるようです。3年後の完成を目指して、今後、事業が展開されていきます。
こちらが現在の駅ビルである鈴蘭台神鉄ビル。地上3階建てで銀行の支店が入居しています。古い建物ではありますが、アールを描いたそのファサードは外壁だけリニューアルされればまだ現代にも通用するように思われます。建設当時としてはさぞ斬新なデザインであったことでしょう。
現在の駅前広場は非常に狭く、ロータリーもタクシーが数台停まれる程度です。
現状の駅前には小さな商店が所狭しと密集しています。また道路幅も狭く蛇行しています。
鈴蘭台幹線、鈴蘭台環状線(駅前広場を含む)の都市計画決定は実は昭和39年に都市計画決定しています。再開発の実現には実に50年近くの歳月が経過していることになります。実質的に再開発案が動き出したのが、昭和55年の駅前再開発について懇談会発足。ここからもすでに30年近くが経過しています。多くの地権者が参画する再開発の難しさを浮き彫りにしています。
事業対象地区ではすでに事業開始に向けて解体撤去されている区画が多く見受けられます。
反面、全く移転が進んでいないこんな区画も。
施工区域内の建物は全て解体される予定です。この数の地権者の総意を得ることにこれだけの時間を要したことになります。東京・六本木ヒルズの再開発に森ビルが費やした歳月は17年と言われていますが、鈴蘭台の開発期間には及ばないでしょう。
事業が決定し、駅前には都市計画総局の再開発現地相談所が開設されています。
駅前から神戸電鉄と平行するように延びる鈴蘭台幹線。再整備後には幅員が大幅に広がり、駅前広場と直結する形へ改造されます。歩道も大きく拡張される予定です。
一方の駅南側です。鈴蘭台駅前唯一の大型商業施設であるダイエー鈴蘭台駅前店と分譲マンションが並び、一見、開発が進んでいるように見えます。
しかし実態は、駅南側が丘陵地ということもあってしっかりとした整備は行われておらず、区画整理もされていません。ダイエーとマンションが神鉄の高架を潜り抜けて北口と連絡する細い市道の両側に立つのみです。
現在、駅前には結構大きな駐車場があります。今回の駅北側再整備や鈴蘭台駅舎の改良が進めば、南側にも開発の余波が波及してくる可能性もあることでしょう。ダイエーもかなり老朽化が進んでいます。これらを絡めた南側の再開発もゆくゆくは検討されるべき課題です。
今後3年を掛けて大きく様変わりする鈴蘭台駅。とかく他区に比べて中心市街地の開発が遅れていた北区待望の再開発プロジェクトが動き出します。
神鉄沿線の駅はどこも老朽化が進んでおり、ローカル線の雰囲気が濃厚です。これはこれで神鉄の良さや味なのかもしれませんが、やはり将来的な人口減を控える上で、魅力的で活気のある路線でなければその経営の屋台骨が揺らぎかねません。鈴蘭台駅前の整備は拠点として今後の沿線開発の新たなモデルケースになることでしょう。
神鉄鈴蘭台駅前再開発事業
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ちなみに谷上駅周辺も整備が進んでいます
こんばんは。
度々覗かせて貰っています。
地元民としては長年の悩みというか、不便さがようやく解消されそうで嬉しい限りです。
特にバスのロータリーが設けられるのは、今更感さえあるんですが一番良かったと思えます。
なにせあの狭い駅前で、切り替えし旋回する始末で、専用の係員がピーピーと笛を吹いている光景がずっと続いてましたから・・・
あとは区役所が共同化ビルに入るのがいいですね。結構遠くの坂の上にあったので。
陰気な雰囲気を一掃できたらなぁと思います。完成されるまで待ち遠しいです。
西の軽井沢というキャッチフレーズで 開発されたと言われる鈴蘭台にかつて1年だけ住んだことがあります。それから20年振りに訪れた時には静寂さだけを感じました。
鈴蘭台の、北区の発展を願っております。
北区さん
北神急行で三宮まで2駅の谷上は神鉄沿線ではかなり進んだベットタウンですね。駅前マンション開発も行われ、ニュータウン的な整備が進んでいますね。
pekoさん
北区の顔としてようやく整備される鈴蘭台駅前ですが、地元の方の期待も大きいことでしょう。これをきっかけに周辺地域の活性化と神鉄沿線が盛り上がると良いですね。三宮乗り入れ等の話も進めばと思います。
tetさん
やはり沿線人口の増加が必須ですね。利便性向上と都心部への直通運転が神鉄の発展の鍵を握るのではないでしょうか。
東神戸を大阪圏にとられるなか 北神戸は三宮他市中心部にとって大事な市場です イオン北との商戦争も踏まえれば両駅を含め神鉄沿線整備は欠かせませんね パークアンドライドで割引とかやってほしいとこです なにせあの運賃… ま 長田もんのゆうことではないですがf^_^;
この駅周りの不便さが一気に解消されるとても良い再開発だと思います。
出来上がりがとても楽しみですが、北区役所が移転するって本当ですか?区役所は、まだまだ新しいし駅にも近いのでこれは無駄だと思います。狭小地の貴重な空間ですから、もっと違う運用が出来ないのでしょうか?
どうしても区役所の移転が必要なら北区全体で考えるとここを離れ谷上あたりへの移転が良いんじゃないかと考えてしまいます。
これは何とも言えないなぁ〜。
私は元鈴蘭台住人ですが、都市開発で幾つか納得いかない点がありますね。
バスロータリーなどの整備は非常に素晴らしい事だと思う反面、北区の活性化を目的としているようで…。
駅ビルに区役所関連が来るのは非常に利便性があがり住人は嬉しいですね。……で?
って話ですね。それで一体何が活性化をするんでしょうか?(笑)
若い世代を呼ぶ施設を設置したりしない限りは意味はないように思いますね。
年配にばかり合わせた駅ビルなら過疎化の一途なのは間違いありませんね。
例えば北区の最大の乗降客数を誇る駅に、カフェやファーストフード店などが入る商業施設は必須なように感じますね。
駅ビル横に大型立体駐車場を建設するみたいですが、お客様が駅ビルに来る用事があるような商業施設がない限りどこの誰が立体駐車場なんかりようするんでしょうか?(笑)
ハッキリ言って今回の都市開発自体は素晴らしいと想いますが、詳細が失笑ものですね。
ですから私は北区を出て某区でマイホームを購入しました。
駅前は賑やかでファミリー層も多く、天然芝生の公園まであり
その公園横に区役所があり…まさに理想的です。
今回の鈴蘭台駅の都市開発の決定的ミスは、現.商店街住人と区役所以外に視野が回らなく何をどうしたいのかビジョンを明確に出来なかった北区と神戸市の完全ミスだと思いますね。
従って活性化は100%あり得ません。
自信持って言い切ります
>神鉄沿線の駅はどこも老朽化が進んでおり
まさにその通り!しかしこれは神戸電鉄サイドではなく、各駅周辺に住んでる住人の方が招いた災いだと私は思います。
例えばまさに鈴蘭台です。
鈴蘭台駅前の都市開発の話は古くからありました。
しかし鈴蘭台駅周辺の住人の方が立ち退き協力を拒んだ結果どうでしょう?
びっくりするくらいの衰退ぶりです。
衰退した今頃立ち退きに応じた住人に対して私は強い憤りを感じております。
電車運賃が高い、汚い、田舎、活気がないと文句ばかり!
それらはまさに鈴蘭台駅周辺住人の招いた災い。
私は鈴蘭台に長年住んでいましたが、鈴蘭台駅周辺住人に対してバカバカしくなり他区で住宅を購入しました。
ハッキリ言って街の活気など戻りません。
手遅れです。
楽しみです!
やっと、あのごちゃごちゃしたものが解消されるのですね。駅からの狭い横断歩道で神鉄タクシーに轢かれた者としては嬉しい限りです。