提言

2025年の万国博覧会は大阪開催に決定! 神戸は2025年に備えて各プロジェクトに目処をつけよ!


2025年に開かれる万国博覧会はアゼルバイジャンのバクー、ロシアのエカテリンブルグとの競争を制し、見事に大阪が開催都市として選出されました。開催都市を決定する投票の行われたパリが立候補を断念し、途中で脱落した事は非常に大きかったと思います。


開催会場として予定されている夢洲はかつては大阪オリンピックの開催を目論みましたが、結果は立候補都市の中で最下位という惨敗となり、大阪のウォーターフロントはバブル期から続く負の資産として長く塩漬けにされてきた苦い経緯があります。

しかしこの万博開催を起爆剤として、夢洲は大きな変貌を遂げる可能性が高まりました!万博でその名を高め、その後は巨大なIR施設の建設・開業が計画されています。この一連の動きによる関西経済への波及効果は非常に大きく、東京・首都圏一極集中に対してもかなりの効果をもたらす可能性も高いと思われます。

大阪・京都がインバウンドによる国際観光都市としての地位を急上昇させている中での今回の万博開催決定はタイミングとしてはこれ以上ない位の好機と言えるでしょう。

さて、インバウンドでは遅れをとった神戸も関西の三大都市として、この一連の流れには必ず乗った発展を目指さなければなりません。その為のインフラ整備も確実に進める必要があります。

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まず万博からIRという流れとなれば、大阪のホテル需要は更に旺盛となり、溢れ出る需要はまだまだ神戸へも波及するでしょう。万博開催の2025年頃までには三宮の再開発もある程度の段階まで進捗し、JRターミナルビルやバスターミナルビル、神戸阪急ビル等の高層複合ビルの上層階を占める大型ホテルも開業している筈です。寧ろ万博開催に合わせた開業を目指す機運も出てきます。神戸市庁舎2号館の開発もしかりです。神戸の玄関を司る三宮再開発の一定の完了目処を2025年に設定するべきではないでしょうか。

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また世界中から押し寄せる来日客の対応には万博開催によってもはや関空のみでの対応は不可能になる事が決定的となりました。関西三空港の再編は関空のBCPの為ではなく、実需の対応について必須となるでしょう。2025年の神戸空港国際線就航に合わせてターミナルビルの拡充や再編も必要です。年内に開かれる予定の懇談会を巡っては泉州エリアの一部自治体首長から神戸や伊丹の国際化議論は時期尚早というコメントも出ましたが、万博の大阪開催決定はこうした牽制的な流れをも変える事になると予想しています。


阪神高速湾岸線西伸工事の予定工区全体の完成は難しいかもしれませんが、六甲アイランド-ポートアイランド間の部分区間開業は2025年を目指して完成させるべきかと思います。これにより交通インフラ面における神戸空港の受け入れ体制もかなり整うでしょう。

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ポートライナーは輸送力増強に8両化が本当に有効なのかを早急に検証して結論を出し、必要と判断されれば、ひとまず空港線駅の対応は同様に2025年までの工事完了を目指し、不要と判断するなら、別の形での代替輸送力アップ方法の策定と7年での実現化に向けて検討を進めなければなりません。


いずれにしても7年という期間で多くの事に一定の目処を成し遂げられなければ、この万博景気からも乗り遅れ、復活のチャンスはもう未来永劫巡って来ないかもしれません。本当の正念場がこれから始まるという自覚が必要です。座して何となくおこぼれに預かれれば良いという感覚を行政も民間企業も持つべきではなく、貪欲にこの機会を活用し、関西のゲートウェイの1つとしての役割を果たしながら、「使える」ビジネス・観光都市としても世界にアピールする絶好の機会なのです。

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POSTED COMMENT

  1. kkbb より:

    久元市長は神戸がインバウンドにスルーされていることを、逆にハード面よりソフト面で生き抜く文化都市にするいいチャンスと考えているような気がします。だからITやデジタルクリエイター関連のデスクワーク産業を積極支援してるような気がしてるんですが。商人とかガテン企業とかお嫌いなんでしょう。(あくまで私見)

    たぶん万博、IR関連のインバウンド需要だけが、その市長の目論見を外す絶好のチャンスです。我々も声高に今後の観光対策での経済活性化を神戸市に唱えるべきです。

  2. 烏龍茶 より:

    日本は今後少なくとも7年間は、大阪を中心に回っていくことになります。
    製造業含め既存の産業がボロボロになる中、政府は新たな、そして最後の成長エンジンとしての観光業に国運を託していく方針です。

    この国の国宝・重文の8割が、大阪から1時間圏内に集中しています。
    万博とIRは国の構想段階からセット扱いですので、IRが大阪に来るのも確実でしょう。
    そういった諸条件を考えると、大阪が数十年ぶりに、日本経済の中心に戻ることは確定しています。

    神戸はその日本経済の中心の外縁に位置しています。
    かつての神奈川や埼玉が勝手に人口が増えたように、中心からのお零れで勝手に発展します。
    もちろん人口の増加はもう望めませんが、神戸は発展への足掛かりを日本で2番目に得やすい立場にあることだけは自覚しておいた方がいいでしょう。

  3. sirokuma より:

    報道では、万博の関連イベントを行うサテライト施設を設ける方針のようですが神戸市は参加するんでしょうか?そうなると当然万博の分担金支出とかも絡んでくるんでしょうが、是非1番に参加表明して欲しいですね。
    IRリゾートは、順調にいけば万博の1年前の開業予定ですね。
    一つのイベントが決まると、ご指摘のホテル建設や高速道路もなど、緩慢だった他の事業も急速に動き始めます。

    橋下元市長、松井知事、吉村市長は、荒唐無稽にも思えた事業を一つモノにしました。大阪五輪は負けましたが、万博では勝ち、次はIRですがこれも一番手でしょう。

    残念ながら、我が神戸にはこのような大きな絵図を描いて見せる事ができる首長・政治家はおりません。行政は首長にやる気とと能力があれば大きく動かすことができるという事をお隣の大阪が私たちに見せてくれましたね。

  4. S.Y. Kobe より:

    2025年大阪万博開催が決定したことは首都圏・中部圏に比べて成長エンジンの少ない近畿圏に久々に夢と期待の7年間をもたらしました。
    首長が強い意志を示して誘致を推進した結果であり、今の神戸市長と対局的なリーダーシップを取っているところがうらやましいところです。

    夢と期待の7年間は近畿各自治体にとって振興施策と民間投資誘引の大競争期間でもあり、私もこの期間の成果が将来の神戸市の可能性を決定づけると思います。
    こべるんさんが提言で言われる通り正念場だと思いますし、提言の内容に同意します。

    都心再活性化、就業人口・交流人口の増大が急務の神戸市に期待したいのは、陸・海・空のマルチゲートシティとしての地位を固めることです。

    湾岸線の西部延伸工事も年末に着工されて高速道路網も飛躍的に拡充されるでしょうし、全国有数の中長距離バスターミナルも計画推進中です。
    年間輸出入額10兆円近い神戸港の存在もあり、あとは神戸空港の拡充・国際化が急務です。
    現在三空港の合計旅客数は5000万人近いですから7年後は6000万人を超えているかもしれません。
    神戸空港が控え目に全体需要の1割を分担しても600万人(現在は約300万人)、地域バランス的には2割程度分担すべきと思いますがその場合は1200万人となり有力な都市インフラとして企業誘致や交流人口の増大に寄与し続けるはずです。

    神戸市民としては今後に期待しつつも今の神戸市の姿勢や施策には少し違和感があり、心配も尽きないところです。

  5. 某京都府民 より:

    個人的には、短期的な経済的指標も当然ながら重要だと思いますが、それだけを万博の目標にしないでほしいとも思っています。

    一番大事なのは、我々が人類の社会のために何ができるかを、我々の文化を振り返りつつ深く考え、分かりやすく提案し、上手に宣伝することだと思います。それは、関西や日本のアイデンティティを世界に示すことです。その恩恵として、世界から見物客が来るわけなので。

    アイデンティティを持たない街や国は魅力がないと思います。例えば、中国は金儲けばかり考えている国ではなく、伝統のアピールにも非常に積極的で、こうしたことにおいても全く侮ってはいけません。もちろん、長期的に見れば、それは経済的発展にもつながっているわけです。

    外国人が「神戸ってどんなところ?」と聞いて、何も答えれないようでは話になりません。「山の稜線や水際線が簡単に見える街」とでも答えるのでしょうか。

    逆に、「神戸が不景気だったら他の街を応援すれば良い」という考えに同意せず、神戸のアイデンティティを信じて神戸を応援し続ける人がいるのは、私は素晴らしいことだと思いますし心から尊敬します。もちろん、アイデンティティさえあれば不景気でも良いというわけではありません。友達が風邪をひいても、友達は友達のままですが、だからといって友達の風邪が治らなくても良いとは思わないのと同じことです。

  6. あじさい より:

    大阪万博決定と神戸の施策
    万博が大阪に決まりうれしい。かつて1970年万博のわくわく感がまた再現される。
    万博なんて・・、関西だけ・・という冷めた見方をする方も多いかと思いますが、私はうれしい。大阪の危機感が成し遂げた意地の結果だと思う。
    神戸はどうだろう。大阪は大阪、神戸は神戸、などという我が道を行くのもいいけれど、
    数十年に一度あるかないかの潮目にいる今、地に足をつけながらも市政の大転換を打ち出すことを願ってやみません。
     ビーナスブリッジから観てなどというほとんど行かないところを基準にするなら、同じような標高ポイントを多数設け(ビーナスブリッジ1箇所だけなどというのはもったいなさ過ぎてお話にならない。)そこに徹底的にこりに凝ったデザインのカフェやオフィースを誘致し、そこを舞台にしたドラマを年柄年全国に発信する。聖地巡礼・・神戸詣で若者を集客する装置を構築する・・とか。
     芦屋山手中学、六甲高校、甲南高校、神戸大学、・・から観る神戸市街のランドスケープ、他の大都市にはまねできない風景が広がる。市内には眺望抜群の場所が多数ある。
    六甲山麓という自然界をうまく見方につけた町作りなんかは神戸しかできないかもしれない。
     神戸は圧倒的な何かを3つぐらい目指さないと、どんどん埋没するだけだと思う。
     後数年で川崎市に人口で抜かれるかもしれない。しかも神戸から若者が減り、川崎は増加しながら・・。

  7. 802 Kobe より:

    久々のコメントです。万博の決定、非常に嬉しい限りです。
    五輪で関東一極集中がますます加速してきている中で関西地区発展のチャンスが来たわけです。
    私は密かに大阪の綺麗な所(ビル街など)への国内評価、イメージがこの万博を機に上がることを期待していたりします。

    また神戸市はこれをモノにしなければ、落ちぶれるでしょう。直近の1年半は東京に向いていても、そこから5年は世界的な注目が関西に来るわけです。こべるんさんの言うとおり、神戸空港の国際化や再開発の7年後までの整備などが必要になると思います。

    キーは井戸知事と久元市長でしょう。橋下氏から松井、吉村両氏に受け継がれたようなマインドが欲しいところです。

    さて、私事ですが先日、まちづくり関連のイベントに参加し、情報交換会で様々なことを学びました。やはりゲストの皆さんが揃って言ってらっしゃったのが、「上(管理職)によって全然違う。上がバリバリの人だから、そういう理解を持っていたから、変えることが出来た。」ということ、そして「仕組みは受け継いでも、マインドを受け継ぐのは難しい」ということでした。神戸市はまさに上が消極的で、再開発という事業だけ受け継いでるだけです(そもそもマインドすらないような気が…)。上が機能して欲しい。。。

    http://www.softbankhawks.co.jp/news/detail/00001350.html

    最後に、人口が抜かされた福岡市のことを。こちらは民間主導ですが、非常に魅力的です。MARK ISも開業し、中心部では天神ビッグバンの期待も。再開発で足踏みしているようでは、神戸と福岡の差が人口だけでは無くなり、さらに開いていくでしょう。落ちぶれていくか、ここで頑張って持ちこたえるか。大きな分岐点だと思います。踏ん張って欲しいですね。

  8. 匿名 より:

    本当に大阪万博が、神戸のラストチャンスで有ります。この機会を逃がしては悔いを残しますので、現市長は辞職して頂くことが、今後の神戸、関西の発展に繋がると思います。

  9. 匿名 より:

    神戸は、保守的で内向きな再開発をしているが、人口減少が表面化して衰退いる現状、インバウンドの素通り等を考えれば、この先の神戸は没落するしかない、危機感やスピード感を持って再開発に取り組む必要があります。できたら橋下徹のような市長に替わることが、ベストだと思う。

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