旧そごう・神戸阪急

阪急阪神百貨店・エイチ・ツー・オー リテイリングが神戸阪急、高槻阪急のリモデル内容を発表 2023年秋頃の全館開業



阪急阪神百貨店とエイチ・ツー・オー・リテイリングはかねてより神戸阪急と高槻阪急のリモデルを進める事を中期経営計画に盛り込んでいましたが、遂にその改装内容を公式に発表しました!改装費用は約100億円と計画されていましたが、二店におけるその配分はこれまで明らかではありませんでした。

両社が発表したところによると、投資額は神戸阪急に80億円、高槻阪急に23億円と8割を神戸に振り向けるという事です。



既に新館ではロフトを4階に縮小・移転させ、5階の紀伊國屋も8日に閉店しました。

既に改装を終えている本館地下1階を除き、本館地上1〜9階、新館1〜8階をリニューアルの対象とした売場フロアの90%を刷新するという大掛かりなプロジェクトになります。

新館は既に1-2階の外装が覆われ、外部テナントだった区画を阪急の売場に取り込む改造が行われていますが、新館については低層部の外観も大きく変貌を遂げる計画です。

リモデルのポイントとしては、ターミナル駅の一等地にある「都市型百貨店」としてのステータス性を再構築する為、下層階ではラグジュアリーやモード ファッションのカテゴリーを強化し、化粧品や服飾雑貨の売場も一新し、そごう時代には諦めていた大丸神戸店との真っ向勝負に挑みます。

四国や中国地方など広域圏からの集客も狙うとの事で、梅田阪急の商圏ではなく、神戸以西を商圏と捉えます。

「Hankyu Mode Kobe」が誕生



新館の1-3階には約 2,500 m²の売場面積を活用して、ファッション、インテリア、カフェ等、「モード」を暮らしのアクセントとして取り入れる 神戸流モードライフを提案。6月下旬からフラワーロード側に「が新館インターナショナルブティックス」として、路面店型の高級ブランド4店を先行オープン。



「モード」には1-3階を「デザイナーズⅠ」、デザイナーズII」、「クリエイターズ」に分類し、レディース・メンズを含めて合計33ブランドを集結し、この内、6ブランドは神戸初出店となる模様です。1階には人気カフェが出店する予定で、8月末に1-3階のメゾンを開業します。

 

「KOBE HANKYU BEAUTY WORLD」がオープン



新館の「モード」と同時期の8月31日には本館2~4階に神戸地区最大級となる売場面積約1,700㎡の「ビューティーワールド」が開業します。2階は「ラグジュアリービューティー」をコンセプトとした化粧品売場を1階から移設し、プレミアムキャビンや WEB カウンセリング、バーチャルメイク、非接触型測定等、最新のコスメワールドが展開されます。店頭およびデジタルでのイベントやライブ配信を行う「ビューティーステーション」も新設され、従来型のデパコス売場からの脱却を図ります。



3階は「ライフスタイルビューティー」をコンセプトにい国内外の最新バス&ボディコスメブランドを集積させます。また婦人靴とハンドバッグ売場も3階に移設。4階はビューティーサロンとして、ネイル、アイラッシュ、アイブロウ、シェービングなど、8ブランドのサロンを入れる他、婦人肌着売場もリニューアル。

この他、本館の各フロアに情報発信スペース「パティオステージ」を新設。本館4階~6 階、8階は地域密着ライフスタイル型「神戸スタイル」ワールドの新設が予定されていますが、今回のプレスリリース内では詳細には触れられていませんので、今後、順次、判明していくものと思われます。全館リニューアル完了は来秋まで掛かる模様です。



神戸阪急の前年度の売上高は約286億円。地域一番店の大丸神戸店が約702億円ですので、まだ半分以下に留まっています。両店ともコロナ禍の中で苦境に立たされましたが、大丸は今期は826億円までの回復を見込んでいます。神戸阪急も今回のリモデルによって大幅な増収が見込めるものと思われますが、どこまで大丸に肉薄できるかが注目です。大丸のお株を奪うだけでなく、商圏内外からどれだけ新たな顧客獲得ができるか次第で成否が大きく変わるでしょう。500~600億円台までの回復が確立できれば、いよいよ次は建て替えという選択肢が現実的になってきます。今後、JR新駅ビルやバスターミナルビル等、周辺開発も進み、三宮一帯の集客性が高まると更に相乗効果が生まれ、エリアの底上げも期待できます。
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POSTED COMMENT

  1. めがねのおやじ より:

    ようやく阪急百貨店の大改装が発表されました。ターミナル駅の超一等地で、梅田と違い競合が無い(大丸がありますが)訳ですから、阪急のブランド力、引き出しの多さを考えれば、リモデルによって大幅な客数増加、単価アップは見込めると思います。幸い、一番投資にかかる地下食品階はリニューアル済みです。排水、冷蔵、冷凍設備や売場以外での荷捌き、貯蔵・保管スペースもカネはかかります。それは完了済みとの事ですので、80億円を本館地上1〜9階、新館1〜8階対象でしたら、かなり期待出来ると思います。それと私は個人的に旧そごう時代の白っぽい外壁が、どうしても違和感があります。昔々、そごうも風格のある姿だったと思いますが、これも作り直して欲しいですね。
    さて、順調に行けば、次は本格的な建て替えを狙うでしょう。JR三ノ宮駅、バスターミナルを中心とした、街を丸ごと刷新し、県下一のアミューズメントゾーン、商業集積地に大変革するには、阪急百貨店の建て替えは必須です。期待したいです。しかし、細々と阪急の駅下で神戸店を名乗っていた時代から見ると、隔世の感です。京都河原町に阪急百貨店が出来た時は羨ましいと思いましたが、もう今は有りません。少し人の流れが変わり、JR駅側にも移ったことと、サイズ的に中途半端が原因と思いますが、神戸阪急は地の利があり、売場面積も十分で繁盛店になるでしょう。

  2. YT より:

    いつも楽しみに拝見しています。

    神戸阪急新館の路面店ですが、1階のテナントのひとつは「バレンシアガ」のようです。
    本日外から見たところ、既に外装にロゴが付いてました。

    他のお店もどんなブランドが出店するか楽しみですね。

  3. みーも より:

    売り上げを伸ばすのは、お客様をどれだけ上の階に上げることが出来るか!だと思います。
    改装前は、失礼ながら、上に上がるにつれ、お客様が全くいないか、店員さんの方が多いイメージ。
    それでは、ダメだと思います。

    • しん@こべるん より:

      これまでは全く百貨店としての華がありませんでした。根本的に店舗が変わった訳ではないので、この構造でなぜ地域一番店が務まっていたのか不思議です。立地と勢いに胡坐をかいていたとしか思えません。これからのリニューアルはこの改善をする事になるでしょう。

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