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人口減少対策として、特に人口の減り方が目立つ郊外区の拠点駅周辺を集中的に再整備するリノベーション神戸。この最重要拠点として位置付けられいる西神中央は多くのプロジェクトが同時並行で進行していますが、その中の中核プロジェクトの1つである西区総合庁舎の玉津からの移転が、新庁舎の完成によって完了しました。一連の大型プロジェクトの先陣を切る形での完成です。
2月14日(月)にオープンした新庁舎。提案型設計コンペにより、昭和設計のデザイン・機能が採用された現代的な庁舎はこれからの西区を牽引し、そして行政拠点の立地によって、西神中央をこれまで以上の西区の「ヘソ」へと格上させる司令塔です。
新庁舎が整備された土地にはかつてプレンティの第2駐車場がありました。この立体駐車場を北側に隣接する市有地に移設し、新庁舎の建設用地に充てました。
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ファサードに木材を多用した暖かみのある現代庁舎
この新庁舎の特徴は、大屋根を有した3階の「ひろばデッキ」と、駅方向から来庁者を迎え入れるように開放感を持たせた2層吹き抜けのエントランス空間に木材を多用したファサードです。
1階車寄せ前に設置された大きな屋根の内側の表面にも木板を採用。コンクリートとガラスで無機質になりがちな表示やに自然素材を使う事で暖かみを与えています。
空間構成には余裕を持たせた建物配置・設計で、デッキ広場の軒下は大きな歩道が広がっています。
現代庁舎として市民の使いやすさを考慮し、バリアフリー・ユニバーサル設計にデザイン性も与えています。こちらは駐車場との高低差に設けられて勾配の緩やかなスロープ。
プレンティから立体駐車場への動線は庁舎のデッキ広場を介して3階レベルで一直線上に連絡しています。
来庁者を迎え入れるエントランス空間
駅に最も近い庁舎南側のエントランス周りの空間です。
コーナーにはスロープのあるウッドデッキとベンチが整備されました。
植栽や立木に囲まれたバリアフリーのエントランス広場。
1階のエントランスコーナー周りの様子です。
建物裏側となる敷地東側へのアプローチへと連絡します。
こちらがメインエントランス。
東側の外観は正面とは異なり、非常にシンプルです。正面に全てを掛けたような造りです。
敷地東側には有料駐輪場が整備されました。
建物外構の整備が進み、緑が増えて潤い生まれ、街が美しなる事も再開発の醍醐味です。
この美しい庁舎の3階には、子育ての専門的知識を有する担当者が常駐し、乳幼児と保護者が過ごせる「おやこふらっとひろば」や、授産製品の販売、交流イベントの実施、西区産品のアンテナショップ等を開催する多目的スペース「こべや」が整備されています。
この庁舎は今後、完成を予定している中央区総合庁舎や市役所2号館跡の新庁舎等の方向性を示していると言えるでしょう。
総合庁舎の西神中央移転は平日の来街者を増加させ、周辺の商業施設内での消費にも繋がる事が期待されますが、今回の取材時のように休日にはあまり恩恵をもたらす事はありません。折角の新庁舎ですから、休日にも館内の一部を一般開放して、庁舎の利活用を促進して欲しいと思います。Part2はひろばデッキの模様をお伝えしたいと思います。
西区新庁舎等整備事業
所在地 神戸市西区糀台5丁目4-1
事業者 OMこうべ
敷地面積 5,086㎡
建築面積 2,711㎡
延床面積 10,392㎡
階数 地上6階
用途 事務所
建物⾼さ 26.9m
構造 RC+S造
設計者 昭和設計
施工者 明和工務店・湊建設工業
竣工 2022年1月
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