特集・シリーズ

神戸市が令和3年度の予算案を発表 その3 都心・郊外拠点駅周辺の再整備に関する重点投資項目



神戸市予算案特集のその3は三宮・元町以外の都心駅周辺及び郊外拠点駅の再整備に関する重点投資項目についての確認をしておきたいと思います。

拠点駅周辺エリアへの投資


都心駅周辺再整備

新神戸駅 2.18億円


  • 駅前広場の再整備
  • 生田川公園の再整備
  • 地下鉄新神戶駅のバリアフリー化(エレベーター等の改良)
  • 夜間景観形成推進
数年前の予算案から継続して予算の計上が行われてきた新神戸駅周辺の再整備構想ですが、ようやく実質的な作業に来年度より転じます。駅前広場の再整備は来年度に実施設計を行います。併せて生田川公園の再整備については来年度に基本計画を策定した上で実施設計まで漕ぎつけます。

神戸駅 0.28億円


  • 駅前広場の再整備
これまで置き去りにされてきた感のあるJR神戸駅北側の再整備にようやく乗り出します。来年度~2022年度に掛けて実施設計を進めます。工事は22年度後半に着手でしょうか。美装化だけでなく、駅前エリアの再開発に関しても是非とも地権者との勉強会の発足を促進して欲しいところです。市バスターミナルの再編についても検討が必要でしょう。

郊外拠点駅周辺再整備

名谷駅 8.5億円


  • 名谷駅ビルのリニューアル・駅ビル北館の整備
  • 名谷図書館の運営
  • 北須磨文化センターのリニューアル
  • 駅北側ロータリーの改修
  • 北須磨支所の移転
  • 落合中央公園のリノベーション
  • 駅前の広場空間の利活用
来月の名谷図書館の開館を皮切りに名谷駅周辺の市保有の公共・商業施設を順次、リニューアルしていきます。名谷駅ビルについては既に工事と管理を一括して請け負う事業者の公募を開始。民間の分譲マンションを含めた人口増を目的とした一連のプロジェクトは2024年度までに一通りの完了を迎える予定です。

西神中央駅 26.15億円


  • ⻄区庁舎の移転・開設
  • 玉津支所の整備
  • 駅舎ステンドグラスの改修
  • 駅前空間の再整備(駅前広場・動線等)
  • 文化・芸術ホール、新⻄図書館の整備
  • こべっこあそびひろば、ユースステーションの整備
神戸の西の副都心である西神中央では玉津から移転する新西区総合庁舎が来年度に完成・稼働開始予定。南側の文化・芸術ホール、西図書館から成る複合施設も着工し、駅前広場の再整備や商業施設のリニューアルも同時に進めていきます。

垂水駅 23.65億円


  • ⻄側広場の高質化
  • 駅⻄側ロータリー・建物型駐輪場の整備
  • 新垂水体育館の整備
  • 新垂水体育館への歩行者動線整備
  • 新垂水図書館及び周辺施設の整備
  • 子育て支援拠点整備(児童館、おやこふらっとひろば)
  • ⺠間市街地再開発事業への支援
東側の駅前広場では新垂水図書館を建設し、周辺も含めて再整備。この設計業務を来年度に完了させます。またメインの西側ロータリー・広場を年度内に再整備する他、新垂水体育館を完成させると共に周辺を整備。これらの公的開発と同時に垂水中央東地区第一種市街地再開発事業が着工し、これへの支援も行います。

新長田駅 7.75億円


  • 地下鉄⻄神・山手線新⻑田駅のリニューアル
  • 駅前広場の再整備
  • 地下空間のリノベーションを含めた回遊性向上(デジタルサイネージ・ベンチ設置等)
年初に投票によってデザイン案が決定した地下鉄⻄神・山手線新⻑田駅のリニューアルを推進。来年度に設計を終えて着工、2023年度に完成予定。また以前より構想のあった駅前広場に市バスターミナルを整備する計画にいよいよ着手。来年度は設計等を進め、工事は22年度より開始し、24年度の完了予定。

谷上駅 1.18億円


  • 駅前広場整備の検討
  • 駅周辺の⾼度利⽤の検討
  • 北神線のPRと⾕上周辺の活性化のためのイベント実施(「おもちゃ箱列⾞」の開催)
  • 神⼾三⽥線(皆森〜⾕上駅前)の渋滞対策
昨年6月より神戸市営地下鉄に組み込まれた北神線と谷上駅。ポテンシャルの向上によって駅周辺の有効活用を図る為、駅前広場の再整備に着手すると共に駅周辺の高度利用についても検討を開始。

灘駅 0.3億円


  • 駅前広場の再整備
駅前広場の再整備の概略設計が既に策定されている灘駅。来年度は実施設計を進めます。

これらの主要拠点駅に加えて、岡場駅、花⼭駅、⼤池駅、唐櫃台駅、神鉄道場駅、北鈴蘭台駅前、⻄鈴蘭台駅等の神鉄線駅周辺の再整備やその検討を進める予定です。

都心駅周辺の再整備は交流人口の増加、郊外拠点駅周辺の再整備は定住人口の増加を目的として、鉄道駅を中心としたコンパクトシティー化を高める政策を実施し、高齢化社会に備えるのが狙いです。郊外も含めた持続可能都市を目指します。
関連記事
特集・シリーズ

2022年の神戸はこうなる!三宮再整備主要事業や民間開発プロジェクトの完成相次ぐ 複数の大規模開発も満を持して始動

2022年1月3日
こべるん ~変化していく神戸~
新たな年の幕が開けました。2022年も昨年に引き続いて、大きな変革の年となりそうです。進行形の複数プロジェクトが完成を迎える他、大型再開 …

POSTED COMMENT

  1. 摂津国人 より:

    郊外関連の予算について、今回の記事にはご記載なさってではなかったので恐縮ですが、私が興味を持ったのが以下の2点です。

    コワーキングスペースの設置促進《5,000千円》・郊外駅近隣のホテル・カフェ等を活用したサードプレイスオフィス設置支援(補助上限:100万円/件、補助率:1/2)
    https://www.city.kobe.lg.jp/documents/13458/2021yosangaiyou.pdf
    (48ページ、52枚目最下部)

    西神中央の記事では常々「オフィスの設置・誘致を」とコメント差し上げてきましたが、とうとうシェアオフィスの設置に補助が出るようです。
    市が誘致したものではありませんし、微々たる補助額かもしれませんが、郊外を本来のニュータウンとして活かすことにしてくれたのはうれしく思っています。
    「郊外拠点駅のホテル・カフェ」とありますので、西神オリエンタルホテルを想定したものと考えていいでしょう。
    同様のニーズは垂水や北神地区の岡場などでもあるかもしれませんので幅広く適用してほしいですし、再来年度以降は予算の増額やサテライトオフィスの誘致なども検討してほしいです。


    神戸市、新たな産業用地開発で調査 候補地に西神戸ゴルフ場・21年度予算案
    https://news.kobekeizai.jp/blog-entry-7673.html

    西神戸ゴルフ場は西区の見津が丘(神戸西IC、山陽自動車道と神戸淡路鳴門自動車道の結節点)の南になります。
    従って、見津が丘の神戸テクノ・ロジスティクスパークが実質的に南に拡大することになります。
    やはり神戸は、京阪神大都市圏の西の要衝として高い需要があるのでしょう。
    昨今のコロナ禍で増加するネット通販を含め、物流の拠点性が向上することは好ましいです。
    市街地の再開発は進みが遅いですが、まとまった土地の開発については定評のある神戸ですので、今後に期待しています。
    北神地区も、新名神高速道路の開通で神戸JCT周辺の物流拠点ニーズが高まっているのではないでしょうか(北摂のロジスタ・ロジクロス茨木彩都と競合するのかもしれませんが)。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です