新港突堤西地区再開発

新港第2突堤基部 旧住友倉庫の解体に向けて施工事業者を募る一般競争入札広告 工事完成期限は24年9月を予定



神戸アリーナの建設工事が進行中の新港第2突堤基部にある住友倉庫が保有していた大型倉庫。再開発に向けて神戸市が土地と建物を取得し、解体撤去を予定していましたが、遂にこの工事を請け負う施工者を募る一般競争入札が広告されました。



この倉庫は神戸アリーナへのアプローチ上に存在し、既に再開発が完了している西地区とアリーナの間にも位置する為、このまま幽霊倉庫のままだと景観や賑わいの妨げになりかねない為、アリーナの完成前には撤去が必須でした。



この倉庫の歴史は古くなんと大正時代に建築された建物という事で歴史的な価値は見出す事はできそうですが、その外観は単なるコンクリートの箱の為、保存による景観上や集客性、街の調和へのデメリットの方が大きいと思われます。



この倉庫を巡っては活用に関するサウンディング型市場調査も実施し、民間事業者の意見を聴取。しかし保存に対しては否定的な意見が多数を占めました。老朽化した建物の維持管理は非常にコストが高く、利用にも多くの制限が課される為、利益は出しにくい構造にもなっています。



この土地の敷地面積は8,201.08平方メートルとかなりの大型開発が可能な用地です。ただ工業地域の為、現在の容積率は200%しかありません。建蔽率も60%に抑制されています。ただ新港町は都市再生緊急整備地域に指定されている為、これらの足枷は緩和が可能です。実績としてもこの倉庫の北側の西地区再開発では、同様の容積率が400〜500%まで緩和されました。同じように緩和が図られれば、30,000〜40,000平方メートルの建物の建設が可能となります。



解体完了時期は来年3月を予算期限としていますが、解体工期は1年と設定されており、予算の繰越が暫定とされ、実質的には24年9月末の完了を目指す事になります。

やはり再開発事業者の公募プロポーザルは解体完了後でしょうか。アリーナとフェリシモステージ間の岸壁沿いついては、アリーナ完成に合わせて緑地化は必要でしょう。



その南側で建設の進行するアリーナ。基礎工事が突堤全体に広がっています。



型枠の中に鉄筋が見え隠れしています。基礎が構築されると、鉄骨建方が開始されるものと思われます。



かなり見応えのある鉄骨建方工事が展開されるでしょう。非常に楽しみです。



やはりこの場所にはエリアのバリューアップを図る為にも商業機能を有する高級ホテルの誘致が必要かと思います。ラスイートも第1突堤基部に二期計画を検討していようで、競争は激化しますが、ホテルが増える事で生まれる相乗効果も大きいと思われます。

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POSTED COMMENT

  1. こまったちゃん より:

    残して再生してできたとは思いますが、長い目で見た価値化、資源化の考えが初めからなければ、多くは解体となってしまうかなと思います。その方が楽ですし。

    特に、コンクリの近~現代建築は一般受けするレトロな見栄に欠けて中途半端感があるため、多くがこうして失われています。横浜でも解体が続いています。

    ただ、価値観など50年もすれば変わるので、もったいないなと思います。今の最新のビル群でも、4-50年もすれば古臭くなることは避けられないのですが、もともと古いものの再生したものの方が、逆に寿命が長くなる可能性もありますから。

    今回はまぁもうどうしようもありませんが、戦前~戦後にかけての一時期の神戸港の雰囲気を税関~KIITO~三菱・三井倉庫、Q2上屋あたりでうまく残しつつ、観光資源化できないものか、、とは思います。

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