広島

地域探訪: 広島・基町相生町/八丁掘の大規模再開発予定地を訪問 街の雰囲気や役割はどのように変化するのか



広島都心部の再開発はJR広島駅周辺が先行して劇的な変化を遂げていますが、商業・業務・行政の中心である紙屋町・八丁掘地区にて、更に規模の大きな複数案件の再開発プロジェクトが計画されています。

その中でも最大級のプロジェクトが、基町相生町地区再開発計画で、広島都心部を東西に横断する目抜き通りの相生通りに面し、市営基町駐車場、朝日会館跡地、中国電力基町ビルの敷地を一体的に開発します。



計画されている建物は地上31階 延床面積約 86,600平方メートル 高さ160mの超高層ビルを建設します。広島の業務ビルとして最高層のランドマークになる予定です。



低層部に広島商工会議所、商業施設、駐車場を配し、中層部はオフィス、高層部はハイグレードホテルを誘致する計画です。シェラトン、ヒルトンに続く外資系ブランドの進出が予想されます。



一見シンプルに見えるデザインですが、用途毎にセットバックした上にねじれを加えたアクセントを持つガラスのタワーは、広島を代表する建物として認知されるものと思われます。



再開発予定地は朝日会館跡地が駐車場として暫定利用とされている以外、まだ既存建物が稼働しています。再開発の着手は2027年度とまだ5年先なので、息の長いプロジェクトになります。



広島のオフィスやラグジュアリーホテルの需要は底堅いようなので、計画が大きく変更される事はないかと思いますが、このプランと規模のまま進行して欲しいと思います。



相生通りは重要な大通りで、百貨店や主要オフィスビルが立ち並んでいますが、なぜか高層ビルは殆ど見当たりません。広島の中心部ではこれまで高層建築はどちらかと言うと、敷地に余裕のある少し外れた場所に建設される傾向にありました。

この建物が初の本格的な超高層ビルとなります。



そして基町相生町地区再開発エリアから目と鼻の先の位置で計画されているのが八丁堀3・7地区再開発です。広島YMCAを中心とした1.2ヘクタールを対象とした大規模開発プロジェクトです。



オフィスやマンション、商業施設等で構成される地上15~28階建て、高さ70~93mのビル3棟を建設する再開発計画で、23年度以降の着工、5年程度の工期で完成する予定となっています。



相生通りから徒歩数分の距離にありますが、現在の再開日発対象エリアには雑居ビルや老朽化したオフィスビルが立ち並びます。



三宮の磯上エリアのように、オフィス街でありながら、裏通り感の強いあまりパッとしない街という印象ですが、周囲には既に高層オフィスビルの「広島ビジネスタワー」が存在したり、官公庁舎街と近接していたりします。



これらの大規模再開発が進む事で、周辺にも波及効果が現れて、開発や建て替えの連鎖が起こるかもしれません。


その他にも相生通りと平行する繁華街・本格広島本通り周辺でも野村不動産が中心となって、2棟の複合高層ビルを建設する計画があるようです。神戸でもこれまでどちらかと言えば裏通り・裏町であった三宮東エリアの再開発を進め、表通り化する計画が進行していますが、こうしたこれまでの役割から新しい機能を与えられた街はその後どのように進化していくのか。しっかり開発を進める事も重要ですが、寧ろ完了後にその真価が問われる事になります。

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