京都市役所の市庁舎は同市の長い歴史の中ではまだまだ浅い部類に入る建物かもしれませんが、近代建築のクラシックで美しい本庁舎は昭和初期築の建物の為、老朽化が著しく進み、耐震性にも問題を抱えていました。
京都市は2014年に市庁舎の再整備計画を策定し、これに基づいた工事を2016年より段階的に進めています。近代建築の本庁舎のみは改修を行い、それ以外の西庁舎、分庁舎、北庁舎については同じ場所で建て替え・新築を実行しています。
本庁舎の改修は既に2021年8月に完了済みです。屋上には平日に一般開放している屋上庭園も整備されています。
本庁舎の改修等と共にリニューアルされた庁舎前の広場。パリ市から送られた「PLACE DE KYOTO」の銘板。
インターロッキング舗装ブロックで覆われた広場の一部は緑の豊かなポケットパークとなっています。
2019年3月に建て替えが完了した西庁舎。クラシックな本庁舎とは相反して、2階より上フロアをガラスで覆ったモダンな建物です。
本庁舎を囲むように他庁舎が立地していますが、建て替えられる庁舎はすべて同様のモダンのデザインを採用する事になります。
現在、進められている工事は北庁舎の解体撤去です。西庁舎よりも大規模な建物で、地上7階 延床面積は1.7万平方メートルとなり、2025年3月に完成させる予定です。
北庁舎の竣工後によって373億円を投じた一連の市庁舎再整備が完了する予定です。しかしながらこれらの建て替えを進めても、執務スペースは不足しており、現在行われている民間ビルの賃貸を継続する必要があるとの事。自ら課した高さ制限によって建て替えても規模を大きく拡大できないジレンマはこのプロジェクトにも影響を与えています。
神戸市も2号館の建て替えにより、民間ビルへの部局移転を行いましたが、新庁舎ビルの完成時には全ての部局が戻れるようにしないと、批判の的になりかねません。
地域探訪: 京都・京都市役所 市庁舎再整備 クラシックとモダンが織りなす新旧融合庁舎
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