兵庫県と神戸市は国連機関であるUNOPS(ユノップス)がSDG’S(持続可能な開発目標)を実現するスタートアップ企業を集めるグローバル拠点GIC(グローバルイノベーションセンター)を三宮に開設する事を発表しました。選定されたスタートアップの技術は国連機関での採用を約束される事になります。GICは世界に15拠点が存在しますが、アジア初の開設となる今回、韓国等のライバルを制しての誘致は快挙と言えます。UNOPSはアーバンイノベーション神戸や500アクセラレーター等、これまでの神戸市のスタートアップに対する取組や環境を評価し、今回の開設を決めました。開設オフィスの賃料を兵庫県や神戸市が負担する事も大きいかと思います。加えて、神戸の立地や交通インフラ・アクセス等の好環境、P&G、ネスレ等のグローバル企業が日本本社を構える程の外資系企業の居心地の良さも貢献していると言えるでしょう。
来夏の開設を予定し、開設場所有力候補は旧居留地内のビルが検討されているようです。
神戸市はアーバンイノベーションを全国に展開する他、スタートアップの受け皿となるシェアオフィスの開設にも積極的に取り組み、ウィーワークの誘致、120 WORKPLACE KOBE等が開業しています。
政府は規制緩和特区を活用して、スタートアップの集積拠点都市の選定を2020年中に行い、2-3都市で促進を図る計画を立てています。時価総額が10億ドル(日本円で1080億円)以上の未上場企業ユニコーンを各拠点都市に5社以上をつくる目標を掲げ、年内にも拠点都市の公募を開始する予定です。今回のUNOPSのGIC誘致がこの国策によるスタートアップ集積拠点の選定レースにおいて有利に働く可能性があるのではないかと思われます。
国連機関UNOPSが三宮にGICグローバルイノベーションセンターを来夏開設 スタートアップ集積に弾み
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HAT神戸にはWHO神戸センターもありますし、意外に神戸と国連機関との相性はいいのかもしれません。
国際機関が複数誘致されるなら、神戸空港の国際化も本格的に議論されることになるでしょう。
ただ、辛口なことを申し上げると、今の神戸にどれほどイノベーションを加速させる力があるか疑問です。
イノベーションを加速させることのできる都市が、人口減少ワースト1位になり得るとは思えません。
今回のUNOPS GICもオフィス賃料の負担が神戸市と兵庫県であることが設置の主因である可能性が高いです。
WHO神戸センターも「都市と健康」という、漠然としたテーマで設立されており、設置目的が曖昧です。
一方で、フランスのリヨンにあるIARCも同様にWHOの下部組織ですが、こちらはがん研究をテーマに絞った目的が明確な組織です。
オフィス賃料を兵庫県と神戸市が負担するということは、県民、市民の税金が使われるということですので、残念ながら手放しに喜べる話ではないのかもしれませんね。
賃料を県などが負担と言うことで、どれだけそれに対してのメリットがあるかですね。
賃料など問題ないくらいのメリットがあることを願います
スタートアップの集積拠点都市については京阪神経済界が神戸単体より京阪神3都市での応募を要望しています。大阪行政と国政の関係は思ってたより強固なものになっています。神戸単体で勝負に臨めば大阪に取られてしまう可能性も否めないで、ここは大阪・京都と手を組むべきかと。