2月から大林組の施工で開始された三宮町1丁目・三宮センター街の三和グランプリビル。地上4階 地下1階のテナントビルは、4月末までの解体撤去完了の予定工期でしたが、まだ工事は続いているようです。
神戸マルイとスタイルプラザという二大商業施設に挟まれた狭小地に立っていたビルですが、このビルの解体は今後起こり得る大規模再開発の第一歩である事を期待しています。
既に地上躯体は消滅しており、地下躯体の撤去も進行しているようです。
この解体を進めている事業者は2021年9月に設立された新会社「株式会社神戸三宮開発」で、登記は東京都千代田区。この土地を含む三宮町1丁目南西街区の再開発に向けて設立された特別目的会社と推測しています。解体の施工は大林組が行った事から、同社もこの会社への出資等を行っているのではないでしょうか。
しかし東側に隣接する神戸マルイの土地と建物を保有しているのは竹中工務店です。三宮町1丁目南西街区内では最も敷地の大きい最大地権者となります。大林と竹中は関西を本拠地とするスーパーゼネコンであり、ライバルとして大型開発の受注競争に凌ぎを削っていますが、時にはこの二社がJVで協働する現場も存在します。
大林組が施工した西隣のスタイルプラザ。三宮町1丁目南西街区内では、神戸マルイの次に大きな土地ですが、5年前に建て替えが進められました。しかしコロナ禍の中で中核テナントだったGAPは撤退。その後、テナントは埋まらずの状態が継続しています。
建て替えが開始される前の景観デザイン協議の際、南西街区で将来的に検討される一体再開発に向けての協力意思が確認されていましたが、再開発が進行する暁には協力する意思が示されていました。
先日、当ブログで紹介した鹿児島・天文館で行われた「千日町1・4番街区再開発」によって誕生した「CenTerrace TENMONKAN センテラス天文館」は、鹿児島一の繁華街である天文館のアーケード商店街入口に位置する一等地にあった28棟もの建物を一体集約して進められた再開発プロジェクトでした。近年、JR鹿児島中央駅周辺で進んだ商業集積に対抗し、天文館の復権と競争力維持を目的に地権者が一致団結した上で望んだ再開発でした。
鹿児島とは距離の観点は全く異なりますが、三宮センター街も今後、同様の境遇に晒される可能性が高く、その入口を陣取っている三宮町1丁目南西街区には大きな責任が生じています。
大手ゼネコン二社が事業協力者としてタッグを組む事で再開発が進むのであれば、こんなに頼もしいコンビは無いでしょう。150万都市の玄関口を司り、兵庫県下最高路線価を誇る場所がいつまでも現況に甘んじている事は、都心三宮の威信と沽券に関わると考える必要があります。
三和グランプリビル解体完了が近づく 三宮南西街区の再開発に繋げていきたい 開発が進んだ場合の事業協力者を推測する
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“株式会社神戸三宮開発”という会社については、代表者の名前も不明な上に登記上の所在地が神戸市ではなく千代田区なのが少し引っかかりますね…。
札幌市なんかでは中国系の会社が土地を取得してビルを建てているなんて話もありますし、三宮はできればそうなってほしくはないなぁという思いはあります。
この会社が日本人によって設立され、運営されていることを切に願います。
三宮がドンドン廃れていってるのに神戸市長と兵庫県知事が全く危機感が無いのが痛い。かと言って土地柄なのか明石や芦屋のように改革派のリーダーが出てくるでも無く。どこで間違ったのか神戸