28日に閉幕した第29回神戸ルミナリエ。4年ぶりの開催となった今年のルミナリエは、開催時期の変更、会場の分散化、一部有料ゾーンの導入とこれまでになかった様々な変更を採り入れた結果、1月19日から28日までの10日間の来場者数は延べ229万8000人となりました。
前回の2019年に行われた第28回には、346万9000人の来場者があったので、約3割の減少となりました。一日あたりの平均来場者数は約23万人だった事になります。
またメリケンパークの有料ゾーンの観覧者数は15万人で、来場者数全体の6.5%のみに留まりました。
神戸市は一定規模の来場者数減少は見込んでおり、今回の結果はほぼ想定内という事です。
私見を述べると、有料ゾーンの観覧者数が思ったより低く、有料化のハードルに加えて、三宮からメリケンパークに渡る広範囲での開催が敬遠された格好になったのではないかと思われます。最も三宮から遠いメリケンパーク会場が有料化されたので、その分、客足も遠のいたという結果でしょう。
また94%の人々は無料エリアのみの観覧を選択しました。4年ぶりという事もありましたが、今後も無料エリアが今回のような東遊園地と旧居留地の彫刻展示内容だと、見応えは薄く、遠方からの来場者にとっては期待ハズレに思われる可能性が高いのではないかと思います。
ただ遠方からの来場者はどちらかと言えば、展示のメインとなる有料エリアにも足を運ぶでしょう。
今回の来場者減少の要因は主に開催時期の変更に依るところが大きかったのではないかと思います。ただ市は閑散期に寧ろこれだけの集客が出来た事に自信を深めたようです。
もし今回の分散化や有料ゾーンの導入によって開催費用の圧縮や来年への繰越金が捻出できたのであれば、彫刻の展示内容のグレードアップは図られるべきかと思います。今回の内容を検証・分析し、開催時期も含めての再検討が必要でしょう。また来年の30回以降については、震災と一度切り離して考える事についての議論も深めるべきではないでしょうか。
追伸: 私の記事のまとめ方が言葉足らずだったかもしれませんので、追記します。震災とルミナリエを切り離して考えるべきと結んだのは、既に今のルミナリエが鎮魂という役割を終えて、実質的に商業イベントに成り変わっている実態から考えた事です。本来の鎮魂の意味では、「1.17のつどい」がその役目を果たしています。ルミナリエには広域からもこれを目的とした多くの来客があり、祭典を通じ外に向けて「震災の街」というイメージを更に強める発信を続ける事について考えるべき時期に来ているのではと思っているのです。ただ決して震災を忘れる、風化させるという意味ではありません。実態が目的と伴わない今のルミナリエは極論を言えば、止めてしまうという選択も一つではありますが、冬の風物詩としての歴史も刻んできた事もあり、継続するならリセットをする事で純粋に誰もが楽しめる祭典にすべきではという考えです。賛否は当然かと思いますが、あくまでも私見です。
第29回 神戸ルミナリエの来場者数は前回比3割減の230万人 来年開催に向けての再検討を
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夏の花火を秋に分散開催とか(しかもしょぼい)
いったい何のメリットや根拠が有るんですかね
ルミナリエがどのような経緯で誕生したのか、なぜ開催を続けてこられたかということを考えれば『震災と一度切り離して考える』というのはあまりに的外れな指摘ではないでしょうか。
そもそもは、被災者の鎮魂を名分とした、
芸能を伴わないイベントなので、
地元民を除く集客力はそれほどでもありません。
当イベントが全国的に話題になった時期に、
例のごとく東京に模倣され、
その後あっという間に忘れ去られている現実が
それを裏付けています。
そのような本質のイベントが
有料化することによりにぎわう筈もなく、
神戸市観光協会の見積の甘さが露呈している
結果である証左に他なりません。
ただ、市としての本分は混雑緩和なので
結果オーライでしょう。
観光スポットでと云えば、
北野異人館を延々と抜本的なテコ入れを
することもなく、そのまま何十年も
施設への入館料徴収を維持し続けているあたり、
過去の栄光に胡坐をかく姿勢が見え隠れ
していて、個人的にとても遺憾です。
神戸市の更なる発展を望むあまり、
今回は色々と苦言を呈しました事を
お詫び申し上げます。
いつも拝見しています。
今回分散開催ということで初めて参加しました。
寂しいとの感想が多いですが、自分にはこれでもかなりの混雑と感じました。ただ、子供がのびのびと楽しんでいる姿もたくさんありましたので、そういう意味では余裕がある(人によっては閑散というのでしょうが)とも思えました。
全く息苦しさを感じることなく、楽しく参加できたと思います。光の祭典自体はあれ以上お金をかけても壮大さを出すのは大変だと思います。
他のイベントと比較して気になったのが、とにかく暇ということです。寒い冬の開催ですから、ホットワインとかフィッシュアンドチップスとか食べながら移動したいです。移動道中でお酒が飲めたり寛げたりできるお店が少なかったのも気になりました(そもそもお店がすくない道なのでしょうがないかもしれませんが)。また夜のファーマーズマーケットをメリケンパーク(もしくは人の少なかった元町商店街)に併設して同時開催をうたってもよかったのではないかなと思いました。お金もかかりませんし、ご飯も食べれますし、同時開催なら鎮魂を目的とするルミナリエの意図も薄まることがないのかなと。
せつさんも仰ってますが、震災と切り離して考えるというのはルミナリエの存在価値を否定してしまうので、良くないと思います。今回のこべるんさんの発言は少し残念に思いました。
1.17の集いが過去をふり返る鎮魂イベントであれば、ルミナリエは明るい未来を見るイベントだと思います。人によって鎮魂か観光か認識の差ができていますね。実際に地震で観光業が落ち込んだ神戸に人を呼び戻そうという目的もあるわけで、協賛企業も資金を出しているわけです。長い年月が経てば被災者も減り世代も変わり風化は避けられないです。この素晴らしい光の祭典が地震がきっかけだといことが最低限伝われば十分でしょう。私もそれなりに大変な目にあった被災者ですが、この期に及んで犠牲者の悲しみや鎮魂など押し付けたいと思いません。鎮魂、慰霊は1.17の集いがあるわけですから。ルミナリエを地震と切り離すというのはさすがに切っても切れない関係だと思いますが、ルミナリエの在り方を見直す時期にきているとは同じく私も感じます。生まれ変わる神戸の街に幸せ運べるように。
最終日付近のメリケンパーク会場ですが、案の定有料チケットは全スケジュールあっという間に売り切れ入りきれない観客が会場の外にあふれてガラガラの有料スパッリエーラと対照的に大混雑を生んでいました。
これが神戸市のやることです。
6.5%しか訪れなかった、ではなく6.5%しか入れなかったのです。公営のずさんな運営に切り捨てられた観光客は刷新されない限り二度と帰ってくることはないでしょう。
こべるんさんの仰るように、分析と改善は必須です。ルミナリエの運営それを行えるような運営組織であるべきです。
神戸ルミナリエは、元々、東京ミレナリオとして準備されていたものを、震災後に神戸に持ってきたんじゃなかったかな?そういうふうに記憶していたけど…。
まぁ、経緯はどうでも良いけど、私もルミナリエの役割は終えたのではないかと考えています。慰霊は1.17の鎮魂の集いで良いと思います。
資金不足を理由にスケールダウンして中途半端に有料化して開催するのであれば、一つの区切りとして、観光商業ベースに切り替えて運営した方が良いのではないでしょうか。ご指摘があるように、寒空で荘厳に時を過ごすだけでは中々、商業は潤いません。また、街中で行うイベントを有料化するより街中で飲食や買い物ができるような仕組みを作り・工夫をして資金を確保した方が良いと思います。
様々なご意見は有るかと思いますが、未来志向でも良いと思います。
一点だけ、もちろん神戸ルミナリエが元祖で、東京ミレナリオはルミナリエが全国的に有名になった後に赤坂に無理矢理引っ張ってきた基本的に無関係なイベントです。
都市部に計画的にイルミネーションが出だしたのはほとんどルミナリエ以降だと思います。