今回は、神戸市北区の核である鈴蘭台エリアで現在進められているビッグプロジェクト、「新・北区文化センター」の移転・整備計画についてのアップデートです。前回の取材が3月だったので、半年ぶりの鈴蘭台訪問でした。

前回はようやくタワークレーン2機によって地上躯体構築工事が開始されたばかりの状態でしたが、現在はほぼ躯体は完成しており、最終的な建物のボリューム感が分かるようになっています。

新しい施設が建設されているのは、旧北区総合庁舎の跡地と、その南側にあったなか畑山公園の敷地で、高低差のある地形を活かした階段状のスタイリッシュなデザインが特徴となっており、その骨格が既に手にとるように分かります。

新文化センターは、単なる文化活動の場にとどまりません。さまざまな世代が日常的に集える、次のような重要機能が集約された大型複合施設になります。
地域活動や文化活動に使える各種会議室に加え、広々とした体育館(競技場)も完備。運動やスポーツ、サークル活動の拠点の他、新たに館内に整備される新・北図書館は、床面積が約1.5倍(約1,500平方メートル)に拡大する事で、蔵書数も約12万冊に増え、座席数も約200席(うち自習席約90席)に。

中高生などの若者世代が気軽に集い、交流や活動ができる専用スペース「ユーススペース」、子育て世帯に嬉しい児童館機能も整えられ、鈴蘭台駅ビルの「ベルスト鈴蘭台」と共に北区中心部を盛り上げる存在になるでしょう。

建物の北端部です。2027年秋頃の完成・オープンを目指して工事が行われています。
鈴蘭台を筆頭に神戸市は神鉄沿線の再整備に意欲を示しており、神鉄の大株主にもなりました。神戸沿線の開発やその「勝機」については、少子高齢化や人口減少という大きな逆風がある一方で、「行政(神戸市)を巻き込んだ官民一体の構造改革」や「新たなまちづくりのうねり」という点で、近年かつてない重要な転換期を迎えています。

鈴蘭台をはじめとする住宅団地は開発から半世紀以上が経過し、住民の高齢化と空き家の増加が進んでいます。また神鉄粟生線などを中心に利用者の減少が続き、沿線自治体の支援なしではインフラ維持が難しい構造的な赤字課題を抱えています。これは以前に取り上げた市バスの抱える問題と共通しています。

神鉄沿線の開発に勝機があるかどうかの結論としては、「ただのベッドタウンからの脱却(コンパクトシティ化)を徹底できるか」にかかっています。都心・三宮から比較的近いアクセスの良さ、緑豊かな住環境、有馬温泉という世界的な観光資源がある中、鈴蘭台や谷上などの主要拠点で駅前を再編し、高齢者も若者も暮らしやすい「コンパクトでスマートなまち」を神戸市と神鉄が二人三脚で作り上げられるかが鍵となります。「郊外の衰退モデル」を跳ね返す先進的なモデルケースになれるか、これからの数年間の行政と神鉄の動きは非常に注目されています。

すずらんホール前の中畑山南公園の再整備工事も完了し、美しくリニューアルされました。

平地が少ない鈴蘭台では、まとまった公園や緑地の確保が困難です。この公園も高低差を利用しての活用がなされています。
リノベーション神戸・(仮称)新北区文化センター建設工事 神鉄沿線再整備を牽引するプロジェクト
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