旧そごう・神戸阪急

神戸阪急開業!!新生三宮の活性化シンボルとなれるか?大丸神戸店とも競合が始まる



10月5日(土)午前10時に遂に神戸阪急が開店しました。9月30日のそごう神戸店閉店後、4日間の休業を経て、阪急化への総仕上げを行い、晴れて2012年のハーバーランドにあった旧神戸阪急を撤退させて以来、7年ぶりの阪急の神戸再進出が実現しました。



2016年にセブンアンドアイホールディングスからエイチツーオーリテイリングへの電撃譲渡が発表され、17年10月より同グループでの運営が開始されましたが、屋号は変えずに2年が経過。地下1階の食品売場を中心に改装を開始。梅田阪急に出店する人気店の誘致によって阪急色を徐々に強めていき、そしてとうとう既存の建物のまま神戸阪急が三宮に誕生する事になりました。



誕生祭と銘打った数々のオープ二ングイベントには女優で神戸出身の浅野ゆう子さんや宝塚花劇団の聖乃あすかさんと都姫ここさんが登場。開店前には5,000人が並ぶ程の盛況ぶりで、阪急ブランドの力強さとターミナル百貨店という立地による高いポテンシャルを示す開業になったと言えるでしょう。



本館西側のエントランス。阪急の入口として相応しい佇まいに生まれ変わっています。



正面エントランスはグランパティオとして改修され、数々のオープニングイベントが開催されていました。この場所の改修内容についてはまた落ち着いてからじっくり確認したいと思います。



本館東側のエントランス。他のエントランスと比べると少し地味です。



窓枠上部のシートもダークブラウンの阪急色へ衣替えされました。



誕生祭のポスターです。



ケイエスビルの入口も阪急新館エントランスとして本館同様にリニューアルされました。



二棟の新館はこれまでと同じく神戸阪急新館・ひょうごふるさと館として継続営業してゆきます。



地下1階食品売場へ直結する阪神神戸三宮駅前のエントランス。こちらは最も阪急らしくなりました。



阪急の装飾をあしらった光柱や光天井梁が阪急らしさが色濃く漂います。



阪神神戸三宮駅前の地下通路から奥に神戸阪急を望みます。地下通路の通行量も神戸阪急の開業によって増加した感があります。



ハーバーランドに出店していた頃の元祖神戸阪急。西のターミナルとして重要拠点だった神戸には小型店の三宮阪急しかなかった同社にとって念願の本格的な百貨店を開店する事になりましたが、20年の営業期間の末、黒字転換は出来ずに閉店・撤退を余儀なくされました。



阪急の百貨店ブランドとしての神通力が神戸では通用しなかった事は阪急にとってはプライドを傷つける事になりました。ハーバーランドという立地に百貨店という業態が求められていなかったのは確かですが、神戸では大丸とそごうの二強が築いた牙城を切り崩すのは非常に困難であったとも言えます。



従って阪急にとっての神戸へのリベンジ出店は悲願であり、ターミナル百貨店である旧そごう神戸店を取得出来たのはまさに渡りに舟でした。

しかしながら、そごう神戸店はかつて1,500億円を売り上げていた地域一番店でしたが、震災以降は大丸神戸店にトップの座を譲り、直近では451億円まで低迷していました。震災後、早期の営業再開を主眼に置いた再建を選んだそごうに対し、大丸は時間を掛けて建替を選択。非日常を売りとする百貨店において、老朽化した建物の利用を継続したそごうは、モダンクラシックなデザインの建物に生まれ変わり、尚且つ旧居留地という周辺地区も合わせて面的に開発を進めた大丸の戦略に対して、完敗を帰しました。


そのそごうの建物を継続利用する神戸阪急が大丸神戸店にどう対抗するのか。これまでも人気のあったデパ地下の強化と阪急の得意とする魅力的で頻度の高い催事によって集客効果を狙う戦略で売上高向上を狙います。阪急は梅田本店、博多店に次ぐ旗艦店に神戸店を位置付けたようです。



再開発が今後、飛躍的に進む可能性のある三宮においてポテンシャルの高さは阪急の方が上です。これは大丸も認識しており、危機感を抱いています。従って周辺部を巻き込んで更に基盤の強化に乗り出すようです。GSパークの開発もこの一環と考えられます。



しかし阪急の脅威も現店舗のままでは限定的と大丸も見ているものと思われます。本格的な脅威となるのはあくまでも建替後の話でしょう。

神戸阪急の建替はエイチツーオーリテイリングの鈴木篤社長が2018年頃から検討を開始する事を示唆していましたが、阪急阪神百貨店の荒木直也社長は「店の経営状況や三宮再開発の進み具合、周辺のオフィス・ホテル需要など、機が熟したタイミングで建て替えるべき」と語ったそうです。つまりはホテルやオフィスと百貨店を融合する高層複合ビルへの建替を前提に検討する事を示唆しており、需要や周辺の再開発プロジェクトの進捗状況を見ながら投資の時期を探る展開になりそうです。



建替や再開発には同グループが同じくセブンアンドアイから譲渡を受けた近隣に位置するアイング三宮パーキングの活用が有効的に働くものと思っています。


阪急としては対峙するJRの駅ビルや雲井通のバスターミナルビルがどのように開発され、どの程度の需要を引っ張って来れるのか、三宮の再開発がどこまで盛り上がりを見せるのか、神戸空港の活性化がどう都心開発に影響をもたらすのか等の状況を見極める時間が欲しいという思惑もあるのでしょう。その間は建設中の神戸阪急ビル東館と改修中の西館の商業フロアを充実させながら、神戸阪急についてはターミナル百貨店としての本来の需要を掘り起こしていれば、神戸の都心活性化に貢献するという大義名分を履行しつつも、一定期間は投資を抑えながら、状況の様子見を継続できるというメリットが生まれます。今回の神戸阪急開業はそんなエイチツーオーのしたたかな戦略の一環と捉えられます。何はともあれ、神戸阪急の今後の動向は高い注目を集めそうです。

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POSTED COMMENT

  1. コロ より:

    やっぱり、建て替えをしない限り、なかなか難しいと思います。地下の食料品売り場が狭いし通路も狭い、トイレが古い、トイレの位置が各階の踊り場にあるので、いちいち階段を利用しないといけない、新館への渡り廊下が少ない、商品がどこにあるのかわかりづらい、ほとんどの客が、地下か2階から入るのがほとんどで、どこがメインエントランスなのかわからない、数えたらキリがないほど不満はいっぱいあります。やっぱり百貨店・デパートというものは、入ってみたいなって思わない限り、阪急になったからと言え、なかなか新しい客はつかないと思います。オープン時に行きましたが、あのデカデカと威圧感がある阪急という壁のロゴを見て、マルイ前で若者達が、ダサっ、って言ってたのを聞いて、悲しくなりました。

    • ジャガー より:

      「マルイ前で若者達が、ダサっ、って言ってたのを聞いて、悲しくなりました。」本当にそんな事言ったのですか?

      • コロ より:

        行ってましたよ。マルイ前で男の子達がダサって、マルイの歩道橋上でカップルが、なんか違うねんなーとも行ってました。2階でイベント見てる時は、違うオバサンが、ロゴが大きすぎて怖いとも行ってました。

  2. クロスロード より:

    そごうが地域一番店をスベリ落ちたのは、震災後の対応もありますが、2000年の民事再生が一番の理由だと思います。そのとき、外商がほとんど大丸に移行したのですから。
    阪急が取り戻せるのか、注目ですね。

  3. Sannomiya Worker より:

    私もオープン当日に行きましたが、あれほど混んでいた北海道物産展は初めてでした。次回はフランスフェアがあるようです。英国フェアやニューヨークフェアも神戸でやってくれたら梅田に行かずに済むので嬉しいですね。
    阪急の神戸再進出の成否は、この百貨店だけで判断するのは尚早でしょう。今回の再出店はほんの第一歩に過ぎません。阪急は梅田、茶屋街で行ったような面で勝負するでしょう。電鉄とH2Oがタッグを組むことで三宮に阪急村を作る野心があるはずです。
    かつてのダイエーのようなデベロッパーとして神戸の表玄関を牽引してほしいものです。20年ぐらいかかりますかね。
    その時には「阪急」では無く、さりげなく「Hankyu」のロゴが掲げられる事を期待します。

  4. sirokuma より:

    阪急だぞー。と認知してもらうには良いんじゃないでしょうか(笑)阪急の下には青文字で安心電鉄ですからカオスです。元々が時代遅れの古い企画のビルでしかも寄せ集めですから多くを望むべくもありません。権利者間の合意形成さえ進めば早い時期に建替えに動くのではないでしょうか?JRと阪急と大丸はお互いの計画が気になるところでしょう。でも夜の盛り場の活気のなさを見ると現状でもオーバーストアじゃないかと思われ計画縮小されそうで怖いな。

  5. 某京都府民 より:

    私も行ってきました。

    梅田の阪急百貨店や、最近オープンした心斎橋の大丸本館と比べれば、それは当然ながら見劣りします。しかし私自身は、もともと、神戸阪急開業には設備的にそんなに期待していなかったので、思ったよりは改善が図られたように感じます。

    あとは商品力やイベント開催、Sポイントなどのサービスに期待したいところです。

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