旧居留地の江戸町筋で新たなオフィスビル建設プロジェクトが急浮上しました!江戸町91番地の1には現在、社団法人神戸銀行協会の近代建築「神戸銀行協会ビル」があります。この建物は1951年に建設された歴史のあるビルで、設計は解体された神戸住友ビル(銀泉神戸ビル)や大阪の住友ビル、日本生命本社ビル等、重厚感溢れる近代のオフィスビルを手掛けた長谷部鋭吉の作品です。
10年前の2012年に外壁の改修工事が実施され、タイルや柱の美装化が行われました。また老朽化していた窓枠も刷新されています。
この建物の北側には低層の駐車場棟があり、敷地面積約1,000平方メートルの土地です。
計画されているプロジェクトは、既存建物の外壁保存等も行わず、敷地内の建物は全て解体し、全く新しい建物に建て替えを図るようです。
計画中の建物低層部のイメージパースです。既存の南側の事務所棟と同様に5階の高さに抑えたクラシカルモダンなデザインを纏っており、外装材や色調も工夫が施されます。1階はカフェやレストランを想定した店舗区画となっています。
6階より上層フロアはセットバックしてスリット式の窓とアールを用いたコーナーが特徴的で、デザイン性が高く、旧居留地に相応しい外観設計を採用したオフィスビルとなるようです。設計を担当するのはデザインセンスの高い事が定評の安井建築設計事務所。個人的にも好感を持っている設計会社です。
ただ歴史のある建築の取り壊しについては、再び何らかの論争を引き起こす事になるかもしれません。
建て替えを行うのは同じく旧居留地内に本社を置く神戸土地建物株式会社。旧神戸銀の流れを汲む不動産会社で、神戸市内の他、三井住友銀行の支店ビル等を保有しています。
このビル内には神戸経済同友会も拠点を構えています。旧居留地内での新規オフィスビル開発は、震災復興期の建て替えラッシュが終わって以来、実に25年以上ぶりとなります。来年7月に着工し、2025年4月末の竣工を予定しています。神戸三宮阪急ビル、GLIONアワーズビル、関電不動産神戸三宮ビル、大和証券神戸ビルに続く新たなオフィスビル開発プロジェクトが浮上し、都心部での新規オフィス供給が継続される形です。
(仮称)神戸旧居留地 91 番地プロジェクト
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所在地 神戸市中央区江戸町91番地の1
事業者 神戸土地建物株式会社
敷地面積 約1,011m2
建築面積 約811m2
延床面積 約7,760m2
高さ 49.0m
構造 鉄骨造
規模 地上11階 地下1階
用途 事務所 店舗
設計 株式会社安井建築設計事務所
施工
着工予定 2023年7月1日
竣工予定 2025年4月30日
規模は大きくありませんが現在の利用形態を考えると土地のポテンシャルを十分に活用した良いビルだと思います。楽しみに見守りたいと思います。
歴史ある建築物については保存可能なビルは保存して行くことが望ましいのですが、真珠会館などのように老朽化に歯止めがかからないようなビルまで、所有者に保存を強いるようなことはすべきではないと思います。
ビルとしての役割を終えたような建築物は取り壊し新たな建物を築いてこそ街が躍動するのだと思います。
ここ数十年、神戸市中心市街地の状況を眺めてきて、年々街の活力が無くなって行くように感じています。
居留地にもセンタープラザ・サンプラザにも東門街にも勢いを元気を感じません。
旧居留地には老朽化したビルが数多くあります。この域内での建て替えに関するインセンティブ制度があればもっと建て替えは促進されるそういう時期が長く続いたのですが、時代は混迷の度を増しており先行きが読めない状況です。
時代が求めるものは、いつも変わります。時代の要求を許容できず抽象的な「神戸らしさ」を求め規制を続けてきたことの付は大きい。つくづくそう思います。
規制の緩和が都市をダイナミックに変えていく事になる起爆剤となるのは明白でありながら、神戸市は敢えてそれを抑え込もうとしている気がしてなりません。アクセルとブレーキを両方踏む今の施策に内部で誰も異を唱えないのでしょうか。
この神戸銀行協会ビルはあまり近代建築としての価値を感じません。
古いだけで保存を望むなら、昔の景観が大事というなら、今後神戸では新しい建築は生まれないと言うことになります。保存運動は無いように思います。
ちょっと大丸東館に似た個性的な外観で、新築する価値があると思いますね。
神戸は角地の建築がみすぼらしいこともあり、ぜひこの通りにプロジェクトを進めてほしいですね。
神戸は角地や駅前一等地の建築がいずれも見窄らしいですね。これは一体何故なのでしょう。パールミュージアムも保存の価値はないと思いますが、建て替えは進みません。