雲井通5・6丁目再開発

神戸三宮雲井通5丁目地区第一種市街地再開発事業 最新図面から読み解く再開発ビルの詳細 Part1


昨年9月に起工式を執り行い、現在既にビル本体の建設工事が進行中の神戸三宮雲井通5丁目地区第一種市街地再開発事業。昨年末に、再開発ビル内に開業する商業施設について、 大規模小売店舗立地法に基づく説明会が開催され、一昨年前に公開されたものから更に内容に変更が加えられた建物立面図や平面図が公表されました。

立面図 新旧の比較

 





新旧の南・東立面図を比較してみると、外観上、そこまで大きな変化は見受けられませんが、塔屋や頂部周りにデザインの変更が確認できます。また塔屋の外装パネルや東面の壁面についても外装材が変更された可能性が出てきました。基端部の南西角部分の竹籠網の中に内包されているエレベーター塔部の最上部もガラスが透けるようになりました。





北・西立面図については、前述のエレベーター塔部と塔屋以外には変更点はないようです。続いて、今回の大規模店舗立地法説明会の焦点となった商業施設の入る基端部の平面図を確認していきたいと思います。

平面図


こちらは地下3階の平面図です。北側には機械式の駐車場が備わる事になりました。合計で174台の駐車スペースが確保されます。この内、65台が商業施設用に宛がわれるという事です。



続いて地下2階の平面図です。地上階からスロープを使って自走で乗り入れができるよう設計されています。番号が振られているのは27台分の平面駐車場。中央部に機械式駐車場のエレベーターが備わっています。北側のオレンジ部は荷捌き場、水色部は自動二輪車の駐輪場です。南側は管理諸室として利用されます。



こちらは地下1階の平面図です。右/東側の赤破線に囲われている部分は駐輪場です。ピンクの部分が2,640平方メートルの床面積となる物販店舗エリア。施設内では最もまとまった商業区画です。私の個人的な予想ではフードコートが開設されるのではないかと思っています。南側は管理諸室です。地下1階については以前の図面と同様です。



地上1階の平面図です。あじさい通りこと葺合南131号線に面して路面店区画が設けられます。店舗面積は410平方メートルです。東側の葺合南146号線の南北にバスターミナル入口と搬出入車両の荷捌き場及び一般車両駐車場の出入口が設けられます。バスターミナル内にはバス5台が停車するバースが設けられ、エスカレーターとエレベーターによって上階へとアクセスします。バスの出口は南側から中央幹線へ抜ける事になります。北西角には地下及び2階へとアクセスする垂直動線が整備されます。



地上2階の平面図です。中央のエスカレーター周りにバスターミナル機能を付与する以外は全て商業区画となります。商業面積は2,190平方メートルです。全外周は屋外回廊となり、南側は中央幹線に整備されるペデストリアンデッキと接続します。物販や飲食、サービス店舗の営業が予想されます。



そして地上3階の平面図です。3階は以前の図面だと西側のみが商業区画となり、それ以外はバスターミナルの付帯施設となっていましたが、最新の図面では、大半が商業区画に変更さました。商業面積は1,260平方メートルとなります。

地下1階~地上3階までの合計商業面積は6,500平方メートルとなります。この面積は神戸BALより大きく、神戸マルイより少し小さい程度です。営業時間はバスターミナルの運用が24時間である為、基本的に常時オープンしていますが、店舗の営業時間は各テナント毎に決定します。商業床は全て地権者が保有する事になりますが、サンパルで営業をしていた店舗の内、35%のみが新ビルでの営業再開を選択し、残りの65%が転貸する事になり、外部からテナントを誘致する予定です。

bustabuild08.jpg

商業床が増える事によって、商業施設としての充実化が図られる事にはなりますが、事業提案時にイメージされていたバスターミナルを中心とした革新的な空間構成からは、かなり後退して堅実的にまとまってしまった感が拭えません。特にスタジアムスタイル待合の整備に大きな期待を寄せていたのですが、少なくともI期計画の完成時には実現しないようです。今後、詳細が詰められていく雲井通6丁目北地区のII期計画では、この内容が継承される事を願いたいと思います。Part2では、より上層階の平面図詳細について触れてみたいと思います。

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POSTED COMMENT

  1. kamisamasan より:

    解説有難うございます。いつも楽しく拝読しております。スタジアムスタイル待合はユニークで楽しみだったので、1期で実現しない見込みは正直残念ですね。とはいえ引き続き、今回のkキーワードの「バスターミナル待合空間を核とした賑わい拠点、ばす~まち空間」がどのように表現されるかを楽しみにしつつ、無事完成することを祈りたいと思います。

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