神戸三宮阪急ビル

神戸三宮阪急ビル完成・EKIZO(エキゾ)神戸三宮開業!!三宮再開発の急先鋒事業が遂に完了を迎える!!開業特集 Part2(西館編)



昨日26日に全面開業に至った神戸三宮阪急ビル。引き続きその開業特集として今回は西館を中心としてその様子をレポートしたいと思います(取材はプレオープン時)。

グルメテナントが集結のコト消費商業施設

神戸三宮阪急ビルの低層部一帯にオープンした「EKIZO神戸三宮」は西側の神戸三宮駅高架下がメインのとなった商業施設で、37のテナントが出店しています。その最大の特徴は実に22店が飲食系テナントというグルメ施設である事。行けば美味しい・楽しい時間が過ごせるコト消費が中心となるポストコロナ・物販のネットシフトを見据えた新しい商業施設です。

 


テナント ジャンル 業態
1 スターバックス カフェ 飲食
2 神⼾サンボア バー 飲食
3 コウベビアハウゼ ビアホール/グリル料理 飲食
4 神⼾三宮オイスターハウス オイスターバル 飲食
5 珉珉 三宮新館 中華料理 飲食
6 串揚げキッチンだん 串揚げ 飲食
7 ガァウタイ タイ料理 飲食
8 KOBE YAKITORI STAND 野乃鳥 焼鳥・おでん 飲食
9 新世紀 ストリートフード 飲食
10 みみこう うどん 飲食
11 お好み焼 清十郎 お好み焼・もんじゃ焼 飲食
12 TOOTH TOOTH ON THE CORNER デリカフェ・ビストロ 飲食
13 酒場 酒ト魚ト汝ト私 割烹酒場 飲食
14 GRILL×ITALY MITSU イタリアン 飲食
15 スタンド JAPA SOBA HANAKO 蕎麦スタンド 飲食
16 魚のじげん 居酒屋 飲食
17 食堂 勿ノ怪 串焼き 飲食
18 da pai dang 105 台湾料理・点心 飲食
19 漁師フレンチあらき 居酒屋 飲食
20 namco 三宮 OS アミューズメント 娯楽
21 CACAO SAMPAKA KOBE チョコレート&ワイン 飲食
22 台湾カステラ 澎澎(ポンポン) ドリンク・スイーツ 飲食
23 Rod パン・カフェ 飲食
24 atelier haruka ヘアメイク、まつげ・ネイル サービス
25 ファミリーマート阪急神⼾三宮駅⻄⼝店 コンビニ 物販
26 北野⻭科医院 クリニック 医療
27 阪急オアシス 食品スーパー 物販
28 キッチン&マーケット フードマーケット 物販
29 ⻘⼭フラワーマーケット フラワーショップ 物販
30 カラーフィールド コスメ・雑貨 物販
31 アメリカンファーマシー 薬局・雑貨 物販
32 ファミリーマート神⼾三宮阪急ビル店 コンビニ 物販
33 大和証券 神⼾支店 証券会社 サービス
34 阪急交通社 神⼾センター 旅行会社 サービス
35 阪急阪神の仲介 不動産仲介 サービス

雑然とした高架下沿い繁華街を石畳の美しいプロナードへ


高架下1-2階の西館はテナントを退出させて大規模な改修工事を実施しました。また駅ビル・商業施設の再編に伴って神戸市はこれに面するサンキタ通りと駅前広場を全面リニューアルを実施しました。



リニューアルを終えたサンキタ通りは石畳のお洒落なストリートに大変身!

このリニューアルに伴ってサンキタ通りは6:00-17:00は貨物車のみの通行が許可され、17:00以降は完全な歩行者専用道路となります。ただこの規制を分かってない車両が入り込んできていたので、生田ロード側に分かりやすく大きな歩行者専用の道路標識が必要かと思います。



照明設備や街路樹も完全に刷新し、全く新しい街へと生まれ変わりました。



神戸阪急ビル西館と東館を一体的な商業施設として再編する事が阪急から発表された際、一般的に見られる高架下の駅ナカ商業施設となるのだろうと予想していました。つまりは施設内の中央に東西通路を設けて両側にテナントを配置した人々を施設内に留める構成です。



しかしこの予想は良い意味で裏切られ、テナント業種を飲食店にほぼ限定して、サンキタ通りをこれまで以上のグルメストリートに変貌させつつ、これまでの雑多な繁華街から洗練された雰囲気を持つ通りへと変化したのです。



これによって人を建物内のみに閉じ込めずに内外に渡って賑わいを感じられる街へ。歩行者専用のプロムナードは街歩きが楽しい空間になっています。

これは阪急と行政とのコラボが奏功した成功例と捉える事ができるでしょう。通りの再生によって賑わいを生み出す事で街を活性化させる施策は国土交通省も力を注いでおり、サンキタ通りがモデルケースになる可能性もあります。



街の賑わいを南北に回遊させる為の通路は以前より存在していましたが、以前の通路は本当に何の趣もないただの通路でした。



それがこんなにも洒落た通路に変身しました。エントランスアーチに吊り下げられている照明のアクセントが非常に粋です。



多くの店舗がテラス席を用意。オープンテラスが連続する様はヨーロッパの街でよく見られる光景ですが、多国籍の料理店が並ぶインターナショナルで魅惑なグルメストリートは人々を迷わせる事でしょう。



小さなシルクハットを乗せたようなポール式照明もこの新しい通りのデザインのアクセントになっています。これらの照明演出によって夜間には全く異なった雰囲気の街へと変化します。



テラス席に植栽を並べるテナントも。緑は街に潤いを与えます。



本当に歩くだけで楽しいストリートになったと思います。特にこの気持ちの良い季節はこの新しい施設・街の良さや長所を引き立てます。



単なる駅ビル開発には留まらず、周辺一帯との融合を目指した再開発となりました。



開発・整備前のサンキタ通りはアーケード下がメインの歩行通路でした。



まだアーケード下の一部は既存の舗装のままですが、2期工事として全面の石畳化が行われる予定となっています。

 

阪急西口コンコース周りも劇的に美装化



西口の改札外コンコース広場は以前より賑わいと活気のある場所でしたが、何処となく殺風景でした。



生まれ変わった西口周りは石畳がそのままコンコース広場に広がって通りと一体化されました。


マクドナルド阪急西口店は待ち合わせ場所スとしても非常に人気のあるスポットでした。



この場所を継承したKOBEニューワールド。これまで以上の賑わいを創るワールドワンの新業態のデリカフェ&レストランとしてオープン。テイクアウト、イートインのカフェ・パブとして人々を魅了します。



花時計は今後もこの場所が美味しい待ち合わせスポットとして活用される事を継承する証です。きっとa la ringoのように人気スポットになるでしょう。



このコンコースの天井や柱は既に数年前の耐震化改修工事で美装化を済ませており、駅構内の他エリア程のくたびれ感はありませんでした。



しかし更にパワーアップして美しい空間に仕立てあげられました。



特に改札コンコースへと誘う階段前の中央の柱はシンボリックな存在に変化を遂げました。



阪急の上品さを表したシンボル的な存在の柱です。



既に行列の出来ている店舗がありました。台湾カステラ専門店「澎澎(ポンポン)」です。大阪でも行列完売の人気店です。



そして西口コンコースのハイライトは何と言ってもこの大階段のある吹き抜け空間です。

hankyu143.jpg

改修前もクラシックなアーチ梁が歴史を強く感じさせていましたが、古さが否めない空間でもありました。



この空間を基本的なデザインや構造はそのままによりデザインの際立つようコントラストを強めた美しい吹き抜けに改修されました。



この美しい空間は新築の東口のコンコースとは異なる歴史の重みを感じさせます。それが理由か東口にはこれでもかという程に存在するデジタルサイネージが西口には殆どありません。



空間の主役と言うべき4灯の吊り下げ照明も以前のデザインを継承しつつ、全く新たなものに造り替えられました。



コンコース1階の両側にもテナントが営業。南側は石窯焼きのパンを楽しめるベーカリーカフェ「ROD」。2階の窓は北側同様にアーチの形状に変更して、階段を挟んで線対称のデザインに。

hankyu141.jpg

2階から見下ろす改修前の吹き抜けの様子です。歴史と同時にどこか冷たく陰気な雰囲気も感じさせていました。



リニューアル後は暖かい雰囲気になりました。老舗ホテルのロビー空間のようです。全国でも屈指の美しい駅コンコースになったのではないでしょうか。



改札機付近のコンコースです。アーチの梁の周りの壁は石タイルで覆われています。



2階のテナント区画の入口は改札機の両側に設けられています。



北側はネイルサロンの「アトリエハルカ」。



南側はファミリーマート阪急神戸三宮駅西口店。

 

バックヤードだった海側は魅惑と魅了の横丁ストリートに



JR高架下に面した海側はかつてはバックヤード的でごちゃごちゃした完全なバックストリートでした。こちらは華やかなサンキタ通りとは異なったアプローチでリニューアルを図る事になりました。



欧州的なサンキタ通りに対してアジア的で少し怪しげな雰囲気を感じさせつつも混沌の中に存在する秩序があるそしてどこか近未来的(リドリー・スコット監督のブレードランナーやブラックレインを思い起こさせる)な横丁ストリートに生まれ変わっています。



南北通路の内部です。紫の光を放つネオン的なLEDが新しく懐かしい雰囲気を醸し出しています。



居酒屋、バル、ビストロ、中華とこちらも拘りの強いグルメ店が勢揃い。EKIZO神戸三宮のウェブサイトは関西を代表するグルメマガジンの「Meets Regional」とコラボしていますが、Meetsが真っ先に取り上げそうなお店がズラリと並んでいます。



このごちゃごちゃ感の中に潜むオシャレ感がたまらなくフォトジェニックな空間です。外国人観光客の来日ブームが戻ってきたら、きっと人気スポットになるのではないでしょうか。モダンな屋台のようです。



横丁ストリートの店舗にもテラス席が多く設けられる予定です。



EKIZO神戸三宮の開業は駅周辺の昼の人の流れも大きく変える可能性がありますが、更に夜の三宮はこれまで以上にサンキタエリアに人の集中が進んでしまいそうです。



狭いけれど、居心地の良い空間が生まれています。神戸の文化は寧ろこうした狭い空間から生まれていく傾向が強いのかもしれません。



通路を抜けると南北でこうも違う不思議な商業空間が広がっているという魅力。



夜の雰囲気も早く味わってみたいですね。



横丁ストリートのアスファルトにもにくい演出が。EKIZOのデザインロゴマークが等間隔に並んでいます。とにかく細かいところに様々な拘りや遊び心を感じさせてくれます。



南北通路の壁に光り輝くテナント構成図。EKIZO内にはこれでもかという程、数多くの案内表示をそこらかしこに見つける事ができます。全てを巡って網羅しても楽しいです。



3本の南北通路もそれぞれ全てデザインが異なっています。



3本の通路によってA~Dブロックに分かれているEKIZO神戸三宮。非常に阪急らしくもあり、非常に阪急らしくない。神戸三宮阪急ビルはそんな不思議でワクワクするような駅ビルに仕上がりました。今後、将来に渡ってビジネス、観光、グルメの中心拠点として三宮を大きく盛り上げてくれる新生ランドマークの誕生です。

 

再開発の最終仕上げはさんきたアモーレ広場の再整備



新駅ビルは完成しましたが、駅前広場はまだ未完成の状態に留まっています。サンキタ通りの仕上げと共に新しいさんきたアモーレ広場が再生することでこの再開発がフィナーレを迎えます。



オブジェやベンチ等の設置に加えて、大型ビジョンも登場し、面積も拡大する事で、かつての広場以上に人が集う場所になるものと思われます。今夏の完成形を拝む事ができる日を迎えるのが楽しみでなりません。



神戸三宮阪急ビルの完成によって再開発の醍醐味を存分に味わう事ができましたが、三宮の再整備はまだ北側の一部が完了したに過ぎません。しかしこの開発が起こした変化によって生まれた街の高揚感を多くの市民が感じる事ができ、今まで以上に都心の再開発に関心が高まるのではないかと思われます。次回の開業特集Part3は駅舎にフォーカスを当てたいと思います。
関連記事
神戸三宮阪急ビル

神戸阪急ビル増築工事 東口改札外コンコース改修 六角柱が六面デジタルサイネージに! 改札内コンコース改修も開始

2020年3月3日
こべるん ~変化していく神戸~
超高層複合駅ビルの神戸阪急ビル東館の建設は、いよいよオフィスフロアの最上層にまで鉄骨工事が達していますが、ビルの足元で行われている阪急神 …
神戸三宮阪急ビル

神戸阪急ビル増築工事 13階までの鉄骨建方完了 駅コンコース内天井美装化進む HK阪急三宮駅前ビル建設進行中

2020年2月25日
こべるん ~変化していく神戸~
着々と大林組による建設工事が進む神戸阪急ビル増築工事。東館の施工状況は13階まで鉄骨建方が進んでいます。29階の最上階まで残りあと1 …

POSTED COMMENT

  1. sirokuma より:

    EKIZOの路地裏良いですね。一番興味があるスポットです。
    駅構内は、コントラストがハッキリして落ち着いた大人の雰囲気がとても良いですね。北側の通りも車両を制限したお陰でテラス席がふんだんにとれる。柔軟で非常に良い発想だと思います。阪急の開発だけを見ているとテーマパークのようですね。これで東門へ上がる人がまた減りそう。
    サンキタアモーレ広場が完成する頃にコロナも収まってくれたらいいなと願うばかりです。

  2. ぽり より:

    阪神急行神戸終端駅竣工時の西口階段は今の位置ではなく、カカオサンパカの部分から踊り場なしの階段で、今の階段の場所は広間とタバコや雑貨などの売店がありました。
    神戸高速乗入れ時もそのままで、ポートピア博や10連化に向けての大改造で今の位置になりました。工事完了後も今の形のシャンデリアではなく、直管蛍光灯6灯が並んだ和風のものが東口、西口共に付いていて、10連の定時運行が始まった85年頃に先代のシャンデリアが東口、西口に設置されたので東口はたった10年の期間だけの運命でした。竣工時から4〜5代目のシャンデリアになります。
    竣工時2F改札階段裏側に阪急直営の理容店、美容院があったので、アトリエはるかはそれ以来の復活と言うことになりますね。
    2Fファミマの所は入口1スパンは工事前は駅全体の清掃を行っていた阪急阪神クリーンサービスの事務所(工事後東館に移転)
    残り3スパンはビストロビカーサでした。さんらく連絡階段に入口があり、隣が北野歯科で駅開設以降唯一残っているテナントです。ナムコの場所は元々設備室だったと思いますが、OSが映画館にしたり、改築で東館売場が映画館になってしまった阪急百貨店が洋酒や雑貨を扱うホワイトストアとして地下売場の時代がありました。今回地下への入口が復活しました。
    高架下店舗はサンキタ側が柱から1.5mほどテラスを設けていいよ、路地側はマーキングしてね、というのが神戸市との取決めのハズですが、案の定歩道一杯に席を広げて、デベロッパーから怒られて引っ込めたりデベロッパーが去ると席を増やして悪質店も多々ありますね。路地側の店舗の方が取決めを守っているみたいです。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です