旧そごう・神戸阪急

神戸ロフトは4月1 日に神戸阪急4階のみで営業再開 5階紀伊國屋書店も閉店予定 阪急の狙いは?



改装工事が進行中の神戸阪急新館を構成するS.ヨシマツビルとKSビルの2棟。その中で中核を成す神戸ロフトは、2002年3月にそごう神戸店が西武のミレニアムホールディングス傘下に収められた折に、テコ入れのリニューアルの目玉として誘致され、地上1-4階の4フロア・売場面積約5,000平方メートルを占めていました。



2月より開始された改装工事によって、順次、各営業フロアを閉鎖し、4月1日よりリニューアルオープンを予定していますが、売場面積は大幅に減り、4階の1フロア・1,564平方メートルのみでの営業再開となります。



神戸ロフトの縮小に続き、5階で営業中の紀伊國屋書店もゴールデンウィーク明けの5月8日に閉店するようです。同書店もロフトと同時期に開店しましたが、20年の営業で幕を閉じます。

三宮ではさんちかの丸善ジュンク堂書店が1月末に閉店したばかりですが、更なる書店の閉店が続く事になります。現在、ダイエー神戸三宮店/OPA2で営業している丸善ジュンク堂書店三宮店も雲井通6丁目の再開発が開始されれば、閉店を余儀なくされる為、三宮駅前エリアには書店が皆無となる恐れがあります。その隙を狙ってJR新駅ビルに大型書店の誘致が行われる可能性は高いでしょう。


神戸阪急新館の売場再編はエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングの3ヶ年経営計画で示された高槻阪急と合わせて100億円を投じる改装計画の始まりです。このリニューアルでは衣料品と生活用品を同時に陳列するなどライフスタイル提案型のフロア構成への刷新が図られる方針ですが、既存中核テナントを退店・縮小させ、どのような狙いの改装が進められているのでしょうか。


新館1階西側や本館1階も改修が継続中です。外装には手を付けない場合、内装のみで50億円以上の投資であれば、かなり大胆な内容になる可能性があります。「都市型百貨店としての標準的なMDの充実に加え、神戸らしさのエッセンスを取り入れた特徴的なフロアを構築」とは一体どのように体現されるのでしょうか。神戸阪急の売り上げはそごう時代よりも大きく落ち込んでおり、今回の改装は巻き返しを本格化し、売り上げをV字回復させて、将来の建て替えに備える途上と考えるべきかと思います。

関連記事
旧そごう・神戸阪急

神戸阪急新館にLOEWEがオープン インターナショナルブティックスが完成 葺合南37号線でも初のイベント開催

2023年12月20日
こべるん ~変化していく神戸~
今年10月に本館・新館を含めてフルリニューアルオープンを果たした神戸阪急。しかしその仕上げとしてまだ改装中の部分を本館、新館それぞれに一 …

POSTED COMMENT

  1. nada より:

    ネットの影響で本を買う人は激減しています。
    近い将来、三宮に限らず、書店はほとんど姿を消すでしょう。

    • しん@こべるん より:

      本を店舗で買う人は減っても、本屋に行きたいという需要は一定度あると思います。

  2. いかなごん より:

    ハンズもなくなって今度はロフトも縮小となると買い物の流れは益々梅田に流れそう。単純に販売では店舗面積の狭い神戸は品揃えが梅田には敵わないですし、アパレル、書店、家電がネットで買えて厳しくなっている時代に、どのような形態の売場で差別化を図るのか阪急やJR新駅ビルに注目したいです。

    • しん@こべるん より:

      そうですね。今からだからこその店作りで新しい商業施設の方向性を切り拓いて欲しいと思います。

  3. S.Y. Kobe より:

    今後日本に於いて今までの百貨店形態でフルラインの都市型百貨店が新築されることは例え東京でもほとんど実現しないと思います。西武そごう百貨店は全店舗が外資系ファンドに売却されるようですが百貨店形態での店舗存続は無いでしょう。百貨店事業に魅力があって買収するのではなく不動産資産価値を計り買収するのです。また渋谷の東急百貨店本店・新宿の小田急百貨店本店も再開発後百貨店形態は取らない可能性が高いです。

    阪急も旧そごう神戸店を買収したのはアイング駐車場も含めた三ノ宮駅前での不動産価値が店舗価値に優先したはずです。神戸阪急の現店舗はその上震災で倒壊した本館中央部が復元出来ていない中途半端な建物で魅力に乏しく、今回のリニューアルも本格的な資本投下(建替え)までのつなぎのつもりではないでしょうか。

    そして想像できる将来像はフルラインの都市型百貨店ではなく、オフィスやホテルを高層部分に持つ新業態の複合商業施設ではないでしょうか。百貨店事業の将来性は継続して縮小傾向と考えざるを得ず、今後の大都市は駅前に複数の百貨店が集積する昭和時代の風景ではなく、主に業務ビルや複合施設が集積する風景に変貌しそうです。例えこれは大阪梅田であっても将来は1~2店舗程度しか百貨店形態では存続出来ないでしょう。そして将来、神戸阪急が低層部に新業態商業施設を持つ超高層ビルに変貌する事になれば三宮にとってはむしろ望むことかもしれません。

    • しん@こべるん より:

      建て替え・再開発の道筋を早く示して欲しいですね。千里中央や阪急17番街、新阪急ホテル周りの再開発が優先される雰囲気が出てきているのは気になります。三宮は駅ビルが出来て、後回しにされています。

  4. kingi より:

    逆に聞きたいですけど
    ハンズやロフトで買うもの有ります?

    • しん@こべるん より:

      ネットで買える物が多いですね。雑貨店のチェーンも増えました。

  5. より:

    確かに神戸阪急はそごう神戸店の最後の売上である320億円から、189億円へと売上額は減らしています。しかしそごう時代は外商部売上はそごう神戸店への売上へと計上していましたが、阪急はどの店舗の外商売上も全て梅田本店への売上に計上しています。その為、額面程はそごう時代から売上を下げている訳ではないです。

    まぁどちらにせよ744億円の神戸大丸には遠く及びませんが……

    • しん@こべるん より:

      その差はやはり店舗の魅力に尽きると思います。今の神戸阪急は百貨店で購入しようと思わせる店舗では無いのは確かです。リニューアルでどこまでこの現状を変えられるのか次第ですね。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です