熊本

地域探訪: 熊本・サクラマチクマモト Part3 商業・公共空間の充実した館内編 この施設の内容を雲井通I期ビルに重ねて見る具体像



2019年に熊本市都心部に完成した大型複合施設サクラマチクマモト。バスターミナル、商業施設、ホテル、オフィス、ホール、屋上庭園、住宅等、都市開発プロジェクトで考え得る要素を全て詰め込んだ施設です。雲井通5・6丁目再開発が有する機能を網羅しており、先輩プロジェクトとして、その内容は大いに参考にしたいところです。



今回は、そのバスターミナル以外の館内の様子をレポートすると共に、雲井通5丁目の施設内容についても考えてみたいと思います。



中央のメインエントランスを入ると広がるエントランスホール「SAKURAMACHIメインコート」。2層吹き抜けの開放的な空間で両翼に大きく広がっています。半円形のホールは天井に放射線状のスリットに照明を入れた木製パネルを採用。



床材もウッドフロアで、催し物の展示ホールとしても活用されています。



そのホールの先には商業ゾーン内における垂直動線を司る吹き抜け。商業ゾーンの売場面積は2.8万平方メートルで、地下1階〜地上5階までの6層に渡ります。

テナントはシネコン、物販、飲食、サービスと多岐に渡り、雲井通5丁目ようにバスターミナルに付随する商業施設という位置付けではなく、中心部の新たな商業の中核を担う事を狙いとした内容です。しかしバスターミナル利用者も快適に過ごせる空間・施設造りは念頭に置かれています。



2階中央に設けられた施設全体の回遊動線の主軸である「SAKURAMACHIコンコース」。この一直線状の吹き抜け中央通路が、この建物内のすべての主要構成施設と連絡しており、ここを歩けば基本的に迷う事なく、辿り着く事ができるシンプルな構造です。



メインコンコースも床材、天井に天然木材を多用し、色温度の低い天井ライン照明を使って温かみのあるシンボリックな空間を創り出しています。



階下のバスターミナルへ降りる各アプローチ周りには、案内所やコンビニ、トラベルカウンター、ドラッグストア等、バス旅行者にとって利便性の高い施設やテナントを配置していました。



3階までは、中央の垂直動線を使い、それより上層階は他のエスカレーターに乗り換える必要があります。



3階に配置された飲食店街。10店が入り、落ち着いた雰囲気の中で食事をとりたい場合は、このフロアが適していますし、より手っ取り早く済ませたい場合は、地下1階に、コンセントも完備したフードコートがあり、「食」の充実が図られています。



JR熊本駅の駅ビル内にはピカデリーが入り、このサクラマチクマモトにはトーホーシネマズが入りました。シネコン戦争はがっぷり四つでこのニ施設間の綱引きです。



雲井通5丁目I期ビルはこうしたシンボリックな動線は構築されるでしょうか。この建物の場合は平面的にほぼ全ての施設を結びつける事が出来ますが、雲井通の場合は、垂直に連絡させていく必要があります。またII期計画が進むと水平動線も重要になってきます。



吹き抜けから通常の天井高に変わると、バスターミナルへの連絡ゾーンや関連施設になります。



そして更にその先に進むと再び大きなアトリウム空間に突入。



振り返ると、これまでのコンコース。全く雰囲気が異なり、新たな用途のゾーンに入った事が視覚的に認識できます。



高い天井とトップライトからは自然光が降り注ぎます。この上部エリアが公共ホールの「熊本城ホール」のホワイエになっています。



このアトリウムに設置されているのが、サクラマチモトマチの精巧な模型です。巨大な施設だけに、実物から全体像を把握するのは難しいですが、この模型で様子がよく分かります。



特に棚田のようなルーフガーデンや屋上庭園、高層棟や奥の熊本城ホールの位置関係等が手に取るように分かります。



また模型のスケールもかなりの大きさがあり、非常によく出来ています。



雲井通の再開発ビルにも是非、こうした精巧な模型及び断面模型を製作、展示して欲しいと思います。



模型の隣にはオフィスエリアとなる「サクラマチヒルズ」のエントランス。



あちらこちらからトップライトの光が降り注ぎます。非常に天井の高い開放感に溢れたアトリウムです。



その傍に「KOKO HOTEL Premier Kumamoto」専用のエントランス。



最も存在感の大きなものは、「熊本城ホール」の大エントランス。



エントランスをくぐると出迎えられる巨大なエントランスロビー。



スケールの大きさがこのロビーの大きさに表れています。



4階に2,300席のメインホールを抱える他、2階にはシビックホール(多目的ホール)、1階に展示ホール、3階には大会議室を備え、MICE施設としても機能します。



壁面には熊本城とくまもんのアート画が飾られています。



コンサートや学会等、様々なイベントに対応しています。

撮影日の夜にもコンサートが行われていたようで、公演終了後に大量の人々がアトリウムや前述のコンコースに掃き出され、大変な混雑ぶりで、流れに逆らって歩くのは非常に困難でした。



それだけの人々を集客する施設であるだけに、対応が可能な動線の確保は非常に重要と言えそうです。



実際にバスターミナルに併設された複合商業施設を確認した上で、雲井通再開発計画の平面図を再度確認してみると、どんな事が見えてくるでしょうか。

1階のターミナルから2階にエスカレーターで上がってくると、中央部はターミナル関連のエリアですが、大部分は商業ゾーンです。

2階は三ノ宮駅から続くデッキに接続した屋外歩廊に面しており、施設のメインエントランスとしての機能を司る事から、バスターミナル利用者のみならず、来館者が広く利用するカフェや物販店、飲食店等が集積するフロアになるのではないかと思います。



3階は寧ろバスターミナル関連の付帯施設が大半を占める事になり、待合スペース、案内所、パウダールーム、シャワーブース、トラベルカウンター等、高速バス利用者が快適な旅を行えるようなサポートフロアになりそうです。



地下1階は再び商業ゾーンがメインとなります。地下にこんなに大きな商業フロアを設ける理由は何かと思っていましたが、サクラマチクマモトを見て納得。バスターミナル利用者や来館者が楽しめるフードコートや飲食店がメインであれば、大きな床面積が必要でしょう。



ホールのメインロビーへは、西側のパーティカルパッサージュと呼ばれる連続エスカレーターを乗り継いでアプローチし、公演終了後は再び2,000人近くの人々が一度に階下を目指す事になります。



サクラマチクマモトの施設を実際に確認する事で、雲井通再開発の具体像をよりクリアにイメージする事ができるようになりました。

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