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ワールドとTSIホールディングスが経営統合 新共同持ち株会社設立へ 懸念される東京シフトと本社移転の行方


ポートアイランドに本社を置くアパレル大手・ワールド。既にこの高層本社ビルは大東建託に売却され、リースバック形式で同ビルに入居を続けていますが、2年以内に神戸市内のいずれかの場所に本社を移転させる予定としています。その同社が大きな発表を行いました。

同業であるTSIホールディングスとの経営統合に合意し、新持ち株会社「インフィニティ・ユナイテッド」を共同で設立。両社がこの新会社の傘下となる形でグループ企業となります。ワールドの直近の売上高は2,840億円、TSIは1,670億8,500万円。二社の合計は4,500億円規模に達し、国内で業界3位となる模様です。



この経営統合の狙いは主に3つの目的があると思われます。まずは、ユニクロをはじめとする強力な競合との厳しい市場競争を生き抜く為、ファッション産業における「第3極」の確立し、存在感を維持する事。次に二社が別々に抱える物流網や情報システム、在庫管理を統合し、事業インフラの共通化によるスケールメリットの追求。そしてTSIが持つストリート・アメカジ系の強力なブランド群や企画力と、ワールドが強みとするBtoBプラットフォームやサーキュラー(循環型)ビジネスモデルなどを掛け合わせ、相互補完によるブランド力と事業基盤の融合を図る事です。



二社共に長年愛されてきた著名ブランドを保有していますが、その分、各ブランド愛好者の高齢化も進んでおり、縮小するパイを奪い合う中、ECサイトとの競合や自社ECの保有・管理負担も両社にとっても重荷になっていた事でしょう。アパレル業界の再編は必然であると言えます。ライバルのオンワードホールディングスにとっても驚異となるのではないかと思われますが、そもそも業界トップである巨人・ユニクロの売上は3兆円を超えており、真のグローバル企業である同社に太刀打ちできる国内アパレル企業はありません。寧ろ将来的にはインフィニティ・ユナイテッドとオンワードの経営統合もあり得ない話ではないと思われます。

ただ一つの懸念は、今回の統合によって、持ち株会社の本社はワールドの東京本店ビル内に置かれるとの事。巨大なオフィスビルを売却したワールドは神戸に本社を残すとは言え、これまでの規模を維持する可能性が今回の統合発表で低下し、新神戸本社は規模が縮小され、東京シフトが強められるのではないかと思われる点です。



現在も東京(青山)と神戸(港島中町)の東西2大拠点制をとっており、神戸本社と東京本社を合わせた正社員等の総数は約2,200人。内訳は分かりませんが、仮に半数の1,100名が神戸で就業していたとして、今回の統合劇により500-700人に神戸本社規模を縮小する場合でも、この人数を収容できる中央区内の新本社屋が2年後に必要と考えた場合、この受け皿は既存のビル1棟ではなかなか厳しそうです。アシックスのように一旦、分散して複数のビルに入居し、例えば新・市役所2号館やJR駅ビルの完成を待って、それらに再移転という流れが現実的でしょうか。

いずれにせよ経営統合と本社移転は密接に関係して今後の流れを作っていくのではないかと思われます。

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