垂水駅前再開発

リノベーション神戸・垂水中央東地区第一種市街地再開発事業 プラウドタワー神戸垂水完成・Mirutaも開業


非常に多忙が続いた影響で更新が滞ってしまい、ご心配をおかけしましたが、更新を再開致します。神戸市垂水区の玄関口であるJR垂水駅および山陽電鉄山陽垂水駅のすぐ北側。長年親しまれてきた活気ある商店街の隣接地に、新たな街の顔となる大規模な複合再開発ビルが完成しました。

事業を推進した「垂水中央東地区市街地再開発組合」と、参加組合員として参画した野村不動産などによって具現化された、「垂水中央東地区第一種市街地再開発事業」の全貌をお届けします。



本再開発事業は、神戸市が推進する「リノベーション・神戸(垂水活性化プラン)」の一環としても位置づけられているビッグプロジェクトで、施行区域面積約0.7ヘクタールに地上32階建ての超高層タワーと低層店舗棟の商業施設を組み合わせました。駅前という抜群の利便性を誇りながらも、老朽化した建築物の更新や、防災性の向上、そして回遊性の高い歩行者空間の創出を一体的に行いました。



敷地の外周を埋めるように約20区画からなる商業施設「Miruta(ミルタ)」が誕生し、少しずつテナントの開業が始まっています。



施設名は、地域名である「垂水(たるみ)」を逆から読んだもので、「親しみやすさ、分かりやすさ」が込められています。今後の展開としては、日々の暮らしを支える物販店や飲食店などの店舗を中心に構成される予定で、2026年度内の順次開業が計画されています。



長年培われてきた下町の温かい雰囲気が残る垂水区。今回の大規模再開発は、利便性や安全性を劇的に高めつつも、地域のコミュニティを大切にした「新しい時代のまちづくり」の模範と言えます。



少しずつ開業予定のテナントがオープンの準備を進めています。比較的にクリニックの割合も高くなりそうです。



現在までに開業しているのは、5店舗。残りの約15区画は現状、まだ空いている状態になっています。やはり再開発前に営業していた店舗の多くは再開発と共に廃業もしくは他所への移転によってこの地を離れた模様です。



大規模再開発の難しいところは、区分所有方式でない場合、再開発ビルの賃料は高額になりがちで、既存の自営小規模店ではこれを支払う事は難しい為、必然的に資本力のある全国チェーンが出店する傾向が強く、街の個性が失われてしまう事があります。区分所有方式にした場合も、地権者の再出店には高騰している建設費用の負担が生じる他、将来的には再々開発の足枷になります。



従って再開発ビルがテナントを埋めていくにはある程度の時間を要する事は必然となりますが、床保有者や管理企業の持つリーシング力、そして街の競争力と立地によって、そのスピードは左右される事になるでしょう。Mirutaの場合、地元の春名不動産がテナント誘致を管理しているようですが、テナントを募集しているのは残り9区画のようです。



敷地南側の貫通通路や北東・南西角に設けられた開放的な広場により、周辺の既存商店街ともスムーズに回遊できるよう設計されており、街全体に新しい活気をもたらす仕掛けが施されています。



回遊通路を内側か見た様子です。



店舗棟の裏側にはトイレや施設専用の駐輪場が設けられています。プラウドタワー神戸垂水居住者専用の16台分のレンタサイクルも敷地内に設置されています。



11月にはコメダ珈琲店が出店を予定しているようです。垂水駅周辺には既に主だった飲食店の多くが営業している状況ですが、「Tooth Tooth」、「Mother Moon Cafe」や「a la ringo」等の神戸の有力カフェや、ボックサンをはじめとする地元スイーツ店のカフェ併設店等、新しい街に勢いを与えるテナントの開業が望まれます。



再開発街区全体にて電柱・電線の地中化が進まなかったのも残念な点です。もしくは共同溝は既に地中に敷設されているものの、まだ地中化の準備が整っていないのでしょうか。



中核施設となる「プラウドタワー神戸垂水」のエントランスは、東西に二ヵ所、設けられています。東西のいずれかの方向に出られる事によって居住者の利便性が高まります。西側のエントランスはいわゆる裏口ですが、並みのマンションではメインエントランスと言っても良いでしょう。



東西方向に通り抜けが可能になりました。遊歩道「サウスアベニュー」と名付けられ、シラカシ並木が続く、開放的な空間です。



「サウスアベニュー」の様子です。



街角広場としての滞留空間の機能も担います。



プラウドタワー神戸垂水のグランドエントランス。大きな屋根を設けた車寄せにはピンコロ石があしらわれています。空間にゆとりが感じられます。  



柱には「PROUD TOWER KOBE TARUMI」の銘板が取り付けられました。



共用施設には、エントランスホールに加えて、地上32階の「スカイクルーズラウンジ/デッキ」の他、リモートオフィスとしても使える多目的空間「ナレッジキャビン」やゲストルーム、キッズキャビン等が備わっています。



竣工前に全戸完売するのではないかと思っていましたが、まだ2戸が残っているようです。価格が高額な為、都心物件と競合する側面もありますが、希少なタワー物件として、資産価値は高く保たれる事でしょう。



垂水中央東地区第一種市街地再開発事業は紆余曲折を経て、ようやく完成を迎えました。都心エリアを除けば、近年、神戸市の再開発としては鈴蘭台と並んで最大級の規模となりました。



垂水センター街を中心として、西側エリアも老朽化・店主の高齢化した店舗が多く密集しており、将来を見据えた土地の活用方法を検討していく必要があります。開発面積は中央東地区以上になる可能性がありますが、プラウドタワー神戸垂水と同規模のタワーを擁する内容になるのかどうか。他エリアではこうした再開発の兆しはないだけに、今後の動きに注視が必要です。

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