先週、最新公示地価の発表がありましたが、全国的に再開発が盛んな大都市では商業地、住宅地共に上昇傾向が継続しています。
神戸市内の商業地、住宅地も価格は高騰しており、特に再開発や再整備が進行する三宮を中心に地価が上昇中です。最高路線価を記録したのは勿論、三宮センター街のユニクロ付近となる三宮町1-7-5。前回から9.ポイント増加の765万円/m2の値を付けました。コロナ禍前の2019年7月には同地点の地価は655万円/m2でしたので、これを大きく上回る価格にまで回復しています。
この地点の最高地価は49年に渡って不動の地位を築いてきましたが、今後、このランキングが覆えされる可能性はあるでしょうか。
大阪では、最高路線価が阪急うめだ本店前とグランフロント大阪南館前がデッドヒートを繰り広げています。うめきたの再開発が完了し、大阪駅北側が現在、勢いづいている状況です。
神戸でも三宮の再開発が進行真っ最中ですが、もし三宮センター街から1位の座を奪うとすれば、JR三ノ宮新駅ビルの建つ三宮交差点・三宮クロススクエアなのではないかと予想します。駅ビルやバスターミナルビルが完成し、神戸空港に発着する国際便が増えて行くと玄関口の重要性はますます高まります。
文字通りこの場所が三宮の玄関口になる事は間違いないでしょうから、路線価の下剋上が起きても不思議ではありません。都心軸が東へと移動する指標の一つにもなり得ます。センター街が不動の地位を維持するには、新陳代謝しか方法はありません。地価の高さは賃料の高さに直結しますが、センター街内ではこれまで震災で倒壊したビルのみが新築になったのだけで、スタイルプラザや安田不動産の保有物件、そして神戸マルイ以外、これまで殆ど建物の建て替えが行われておらず、街の変化に乏しいエリアです。建物を更新せずともテナントが入ってくれたからですが、駅前再開発が進み、時代の波によって物販店が減少する中、さんセンタープラザを筆頭とする時代遅れの建物が建て替えられる事により新たな価値を街に与えられれば、不動の地位を維持できる可能性が高まります。