地域交流拠点として活用されてきた須磨浦公園駅の東にある須磨一ノ谷プラザ及び周辺エリアの利活用検討に関して、二度目となるサウンディング型市場調査が実施され、その結果が発表されました。既に開発事業者の公募も行われましたが、優先交渉権者の選出には至らず。再びの市場調査によって、民間事業者はこの施設及び周辺エリアをどのように評価したのでしょうか。
前回は、一ノ谷プラザのある敷地約3,253平方メートルのみが対象でしたが、今回は、同建物を含む7,000平方メートルを提案必須対象地とし、加えて任意提案用地として、須磨浦公園の一部及び全域となる199,000平方メートルが含められました。
前回の市場調査では、レジャー関係など6社が参加しましたが、大半の事業者が事業化について難色を示しました。今回は、周辺エリアに神戸須磨シーワールドが開業したり、須磨海づり公園のリニューアルオープンが控えており、事業環境は大きく変化を遂げつつあり、神戸ウェストコーストのリゾート化が進行しています。
今回の市場調査にて現地見学会に参加した事業者は5社、意見交換実施に参加した事業者は3社となりました。これら事業者から出された活用案は以下です。
- 飲食店舗(ベーカリーやレストランなど)
- 物販店舗(食物販や雑貨販売、ファクトリーショップなど)
- アウトドア関連施設(オートキャンプ、グランピングなど)
- レストハウス(更衣室やシャワー室など)
- 住宅展示場(モデルハウス展示、管理棟など)
- コミュニティスペース(集会所など)
当地周辺エリアにて、新たな賑わいが生まれており、また、神戸らしい海と山が近く、見晴らしの良い立地でもあることから、魅力のあるエリアという評価も得ており、明らかに前回の市場調査時よりも前向きな意見が出てきています。須磨浦公園全体を含むPARK PFIのような形で大手事業者の参画を期待したいところです。大きな敷地を活かして、複数要素を含んだ開発内容にする事が望ましいと言えます。唯一の欠点は、アクセスが国道2号線のみに限定される事です。マリンピア神戸が開業すると、来月以降は交通渋滞が更に深刻化しかねません。西行きの通行キャパシティーを増やす施策を国と検討する事が必須です。
今後の注視する内容は、開発事業者公募タイミングがいつになるのか。そして今回こそは優先交渉権者を選定できる事業案が出てくる事を願いたいと思います。