空前の再開発ブームと訪日客増加に伴い、この10年で激変した街は全国に数多ありますが、中でもその規模や広範囲に渡るという事を踏まえると、横浜・みなとみらい程のスケールで変わった街は、東京都心を除いて他に無いのではないかと思います。
JR横浜駅と桜木町駅の東側一帯に拡がるウォーターフロント・みなとみらい。両駅から近いエリアから開発が進みましたが、中央エリアは空き地状態が数十年続きました。しかし特に過去7年程で姿が一変!次から次へとオフィスやホテルの超高層ビルが建設され、国内有数の高層ビル街へと姿を変えました。
高層ビルの密度は東京・西新宿や丸ノ内にも匹敵するレベルです。また現在もまだ建設中のビルが複数存在します。横浜ビジネス地区における2023年末の賃貸可能面積(総供給面積)は約300万平方メートル。東京都心であれだけの再開発とオフィス新規供給が行われている中で、それに近い横浜にこれだけのオフィス需要が存在する事が信じ難いです。しかし流石にこれだけのビルが供給されているので、空室消化はそう簡単には進まず、エリアの空室率は9%を超えています。ただこれだけのビルが立ってまだ9%に抑制されているのであれば、かなり底堅い需要がある事を示しています。
またみなとみらいは音楽の街としての機能も強化しており、最大級の施設となるKアリーナ横浜は、2万人を収容できる音楽専用のアリーナとして、人々を吸い寄せています。
また桜木町側にはぴあアリーナMMもあり、こちらも音楽ライブを中心としたイベントが開催されています。着席時1万人、立ち見時1.2万人を収容する事ができるアリーナです。もっと小規模のライブ開催には同じくみなとみらい内にあるZepp横浜があります。
更には国際会議場のパシフィコ横浜には国立大ホールがある他、クイーンズスクエア内にも横浜みなとみらいホールが存在します。
集客性の高い音楽イベントが常に街で行われている事のメリットは非常に大きく、高い経済効果をもたらします。先週末のノエビアスタジアム神戸で行われたMrs. Green Appleのライブ前にはハーバーランドにも来場者が溢れていました。
みなとみらいには高層ビルのみでなく、大型ショッピングモールや美術館も立地しています。
みなとみらいエリアの南側のウォーターフロントも激変しています。特に北仲エリアを中心に再開発が盛んです。しかしこのエリアはリーマンショックの煽りを受けて当初の開発計画から大幅に変更と遅れを余儀なくされ、今ようやく完成に向けて進行中です。
汽車道に沿って日本初の都市型ロープウェイ・横浜エアキャビンが運行しています。
横浜博以降、早期に開発が進められてきた新港エリア。イオンモールの運営する横浜ワールドポーターズ、大観覧車のコスモロック、万葉の湯、ブライダル施設のアニヴェルセル、そして煉瓦倉庫の赤レンガ等、神戸ハーバーランドとコンテンツが重なります。
新港埠頭も再開発が進み、客船ターミナル、商業施設、ホテルから成る複合施設・横浜ハンマーヘッドが誕生。
更に奥にはメインの客船ターミナルとして機能している大桟橋やその沖合に横浜ベイブリッジ。
JR根岸線の西側の丘陵帯には延々と市街地が横たわり、300万の人口を抱える都市の全体像を見渡します。
これだけみなとみらいに高層オフィスが林立しているのにも関わらず、関内駅周辺でも再開発が開始されており、オフィスを中心とした高さ170mのビル2棟や120mのオフィス棟が計画されています。どこからこのオフィス需要が湧いてくるのか不思議でなりません。
そんなみなとみらいも低迷期にはタワーマンションの増殖に舵を切っていた時期もありました。複数のツインタワマンやトリプルタワマンが次々と誕生しました。
今後、横浜市はいよいよ真打となる巨大ターミナル・横浜駅周辺の再開発に乗り出す模様です。乗降客数が230万人と大阪・梅田に匹敵しながらも、西口を中心に雑然と老朽感の漂う駅前は300万都市の玄関口としては見劣りします。「エキサイトよこはま22」の構想を軸に今後、首都圏第2の都市のエントランスゾーンは大きく変貌を遂げていく事になりそうです。
地域探訪: 横浜・横浜ランドマークタワーから見渡す横浜の都心・ウォーターフロントの変遷
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