神戸空港

神戸空港基本施設他整備工事(その2)の入札公告より判明した新ターミナル周りの動線整備計画



先週、神戸空港サブターミナルの計画地変更に関する発表が行われ、既存ターミナルにより近い東側・管制塔の北側に新ターミナルが整備される事が判明しましたが、更に神戸市はターミナルから拡張中のエプロンまでの動線整備やエプロンの舗装工事を対象とした神戸空港基本施設他整備工事(その2)の入札公告を実施しました。

この入札公告で公開された図面から更に詳細な設計概要が見えてきました。



まずは神戸空港基本施設他整備工事(その1)によって進行中の駐機場の拡張工事。最終的な舗装と仕上げは(その2)に引き継がれるようです。東西スパン約300mに渡る拡張が行われます。



この拡張によって新たに5スポットの駐機場が追加されます。10番までが、既存のスポットとなり、11~15番が新設スポットとなります。新ターミナル利用の搭乗者は、ビルからエプロンまではバスハンドリングによってアクセスする事になりますが、利用されるスポットは恐らく新設分のみでなく、搭乗ブリッジの設置されていない既存スポットも活用されるのではないかと思われます。拡張後の全15スポットの内、既存ターミナルと搭乗ブリッジで接続しているのは5スポットのみです。



続いてサブターミナルにおけるGSE(Ground Support Equipment)車両の動線インフラ整備に関する図面です。青くカラーリングした部分がターミナルビルです。ターミナルビルの東西スパンは144m、南北スパンは96mとなっています。既存ターミナルは4層という事もありますが、出発・到着ロビー部の東西スパンが80m、搭乗ターミナルを含む南北の奥行は50m程なので、新ターミナル内は移動距離が長く、広さを感じさせるのではないかと思われます。



ロビーは出発と到着が集約される事になり、この機能を建物内北東に配置しています。出発ターミナルは国内・国際線共に南東側に配置。従って搭乗用のランプバスは建物の南側から出発します。到着ターミナルは西側全体を占めており、到着用のバスも西側に停車する動線が見込まれます。



図面上でのターミナル南側の整備道路の様子です。右/東側に転回用のロータリーが整備されます。左/西側に「国際線」の表示があるバス停車場が設けられています。これらが到着用停車場と想定されます。そのすぐ下/南側にバス旋回場があるので、国際線用ランプバスはここで転回して、最短距離でピストン輸送を行います。位置的には搭乗待合が左/東側なので、停車場もロータリー近くになるのではないかと思われます。



続いて到着エリアの図面です。見やすいよう図面を90度回転していますが、左側が北です。ロータリーが3箇所設けられており、左から国内用2箇所、国際用1箇所となっています。左/北側に「国内線」の到着バス停車場が確認できます。右二つのロータリーはターミナルの荷捌エリアに面しており、スーツケースや貨物の運送用に宛てがわれます。



着々とサブターミナル整備の内容が固められていますが、まだ今回の図面からは新ターミナルの付帯施設である一般車やバス、タクシーの乗降エリアや新ターミナル利用者の駐車場整備計画については示されていません。



また新ターミナル開業後の既存ターミナルとの棲み分けはどう行われるのでしょうか。国際線は必然的に新ターミナルの利用が必須となりますが、国内線はやはり航空会社によって既存か新ターミナルに分かれる事になるのでしょうか。それともスカイマーク等、就航便数の多い航空会社は両ターミナルにカウンターを設けて、どちらのターミナルも利用を可能にするのでしょうか。

新ターミナル開業後の既存ターミナルの活用や改修等についての具体的な方針が示されていないので、30年の国際線定期便就航開始に向けてグランドデザインを考える上で、早急に将来設計を固める必要があります。

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POSTED COMMENT

  1. さんたん より:

    既存ターミナルから離れた場所に造るのは、将来的な現ターミナルの拡張建替えを考えているからなのか。たとえ僅かな距離でもバス等への乗換えを必要とするのなら、すぐに不便だなんだと言われるであろうことは、火を見るよりも明らかな感じです。

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