神戸空港の国際化と発着便数拡大に向けた第一段階の対応策として、神戸市は既存ターミナルの西側にサブターミナル施設の建設を計画しており、新ターミナルビルの設計施工を行う事業者公募案を示していましたが、遂にその公募を広告しました。
その内容はほぼ公募案を踏襲する形となり、原則地上2階建てのターミナルで延床面積17,000平方メートル。国内線と国際線を施設内で一体的に対応します。航空機の乗降にはバスハンドリングを想定し、既存ターミナルやポートライナー神戸空港駅間とのアクセスも無料巡回バスの運行を予定しています。
その他、今回の公募にあたって公開された整備事業要求水準書及び提案の要件には新たな詳細情報が含まれていました。
ターミナルのエントランスロビー・にぎわい空間には「利用者へのおもてなしを表し、日本らしさ、 神戸らしさが感じられる印象的な空間」である事が求められ、木材や天然素材を豊富に活用した内装設計を軸としています。空間には大型のモニュメントの設置が計画されています。
また屋外には床材をウッドデッキ化した展望機能の整備も必須とする他、イベント開催など、多目的に活用できる空間を確保することを想定し、音響システ ムや投影設備、スポット照明や配線ピット、音響用反射板の設置用吊りワイヤーなどを設ける事も求められています。
商業施設については、出発・到着ロビー、及び国内線・国際線ホールディングルームにおいて、物販店及び飲食店の商業施設の配置を計画し、国内線の飲食店は軽食の提供、国際線はレストランの整備を想定する他、物販店には免税品店の導入を図ります。
また国際・国内線共に有料ラウンジとVIPルームを設ける他、イスラム教徒の訪日にも備えて祈祷室も備わる予定です。
床面積としては既存ターミナルと同等ですが、既存ターミナルが地上4階構造で、面積を積み増しているのに反して、サブターミナルは2階構造で同面積を有するので、1フロアの面積は必然的に広くなります。
出発動線については、出発ロビーから搭乗待合エリアまで、搭乗に係る手続きに要する時間を約10~15分、到着動線は降機から到着ロビーまでに要する時間を30分以内と想定しているようです。
今後のスケジュールですが、5月中旬までには事業者と仮契約の締結まで漕ぎ着ける予定となっており、公募広告からプレゼンテーション実施までは実質1.5ヶ月程という非常に短納期で進める事になっています。25年2月末にサブターミナル供用開始を目指しており、エプロンの拡張工事と共に今後2年で空港機能が大きく拡大します。
既存ターミナルは梓設計と竹中工務店のJVで設計と施工を行いました。サブターミナルのコンペにはどの事業者が参加するでしょうか。
「神戸空港サブターミナル(仮称)整備事業」事業者の公募が広告される!神戸らしい、日本らしい空間を有するターミナルの実現へ
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
デザインビルド方式での発注ということですが ゼネコン+設計事務所 の共同受注もOKなので事業者の顔ぶれが今から楽しみです。有力事業者を予想すれば、関西ですからゼネコンでは 竹中工務店 大林組 あたりが代表企業でしょうか。共同受注で設計事務所が参加するなら 日建設計 梓設計 安井建築設計事務所 あたりが有力ではないかと想像します。
それにしても神戸空港国際化に向けて神戸市にしては珍しく怒涛の勢いで整備を進めていますね。神戸空港が神戸復権に繋がる最重要な交通インフラと確信しているのでしょう。2025年までのロードマップは目標がハッキリしているので、サブターミナルの完成まで是非予定通り推進して欲しいと思います。
新港町や神戸空港などの住宅のない地域の開発は非常にスピーディーだと感じています。
一方、阪神連立事業や三宮、名谷再開発、湾岸線事業、王子公園事業は周辺住民や利権者からの反対が強く計画変更や一時中断が度々行われており、難しさを感じます。
マスコミも一部の声の大きい住民にフォーカスを当てて報道するもんですから、なんとかならんもんなのかなと思いますね。先日も阪神連立事業の報道がありましたが偏見のあるひどいものでした。
半数以上の住民は納得しているというのに、もう少し一部の住民が好き勝手に言える状況を改善できないものでしょうか。行政の動きに支障が出過ぎです。
公募を見ましたが施工者には空港実績を求め、設計者に空港の実績を求めないのは大変疑問に思います。
その割には非常に短期のスケジュールなので神戸市は本当に大丈夫かと思います。
何かあるのか?と思ってしまいます。