ポートアイランド2期地区のほぼ最南端で空港連絡橋近くの市有地を購入した神姫バスが新しい神戸営業所の建設を進めています。
新営業所の施工は神姫バスグループ会社の神姫バス不動産が担っています。
この開発事業は神戸市がポートアイランドや神戸空港へのアクセス強化を目的とした運輸事業者を選定し、ポートアイランド2期地区の市有地への同事業者の進出を計画。神姫バス株式会社が事業者に決定していました。同社はこれまでにもポートアイランドへのアクセス向上社会実験の協力事業者として、バスの増便やポートライナーとバスの共通乗車証の導入に取り組んでいます。
当該地は11,682.91平方メートル。ここに既に姿を現している地上4階建の事務所棟、車両整備工場、車庫を整備する予定です。
この新営業所設置によって、バス収容台数の確保、来月からいよいよ運行を開始する連節バス『ポートループ』に対応した車両整備工場の整備、三宮駅周辺等とポートアイランド・神戸空港間を結ぶ路線の充実を加速させ、公共交通ネットワークの強化を図ります。
地方都市のバス事業も人口減少社会において今のままではジリ貧です。新しい事業に果敢に挑戦していく事が重要となります。神姫バスのこれらの神戸での様々な新規プロジェクトは未来への成長戦略・投資の一環と言えます。
姫路に本社を置く同社は姫路駅前の再開発においても重要な役割を果たしました。駅前の保有地に商業ビルを建設し、不動産事業も行なっています。
中でも姫路ターミナルスクエアは同社不動産事業の旗艦プロジェクトです。
今後、雲井通の再開発でバスターミナルが新設されると、現在の神姫バスの三宮バスターミナルは閉鎖して、新ターミナルでの営業へと意向します。同社にとっても神戸での事業はますます重要性を増す事になります。
ポーアイ2期エリアでもう一つ大きな事業用地での建設工事が進んでいます。ユミコアジャパンの西側の敷地面積約1.4ヘクタールの用地には業務用及び家庭用調理食品の開発・製造・販売を行うエム・シーシー食品が進出します。
東灘区に本社を置く同社はポートアイランド新工場を建設。コロナ禍で需要の上がった業務用と家庭用のパスタソース、カレー、スープなどのレトルト食品や、冷凍食品を製造する予定です。
既に基礎が構築されつつあります。投資額は約40億円です。土地は2018年に取得済みでした。
既に神戸市内に3工場を稼働していますが、第4の新工場の完成は来年初頭の予定です。
神姫バス、エム・シーシー食品共に1ヘクタールを超える事業用地での新たな拠点整備を進める攻めの経営戦略です。
ポートアイランド2期地区の大型事業用地への進出案件2件 神姫バスとエム・シーシー食品 神姫バスは神戸での事業を大きく拡大
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記事内でも触れていらっしゃる通り、神姫バスはポートアイランド内外の交通や、神戸電鉄粟生線沿線の急行バスの運行など神戸の交通の向上に多大な寄与があります。
個人的には、神戸の交通やブランド力の向上に多大なる寄与のある神姫バスや阪急にはいろいろ便宜を図ってあげてほしいと思ってしまいます。
このポートアイランド2期地区はある程度まとまった土地があるのでバスの営業所にはサイズ的に適していることは否定できませんが、一方で神戸空港-三宮間という後々の一等地にも当たりますので、「中心地から少し離れたところでも営業所は設置できるので、できれば企業のオフィスなどが入ってくれた方がありがたかったなぁ」という思いも捨てきれません。
with コロナが定着して航空需要の回復並びに神戸空港の発着数などの規制が大幅に緩和された暁には、一等地となったこの土地を他の企業に高値で売り払って、営業所は阪神高速5号湾岸線延伸によって近くなった六甲アイランドや和田岬の方に移転するのかもしれません。
六甲アイランドや和田岬の方が土地が安いので、その方が経営戦略としては優れています。
ただし、どれだけまとまった土地があるかの問題はありますが。