神戸新聞が6日付けで報じたところによると、神戸市と阪急電鉄が検討してきた阪急神戸線と神戸市営地下鉄西神・山手線の相互直通運転について、「投資に見合う効果を見込めない」という結論に達し、一旦、白紙に戻す事になったとの事です。一時は三宮駅北側に新地下駅の建設構想も報道される程、期待の高まり感がありましたが、現時点では検討に区切りをつけ、将来的に再検討の必要性を探る事になったようです。
この乗り入れ構想は阪急が長年、神戸市にラブコールを送りつつも、市がこれを振り続け、阪急も態度を硬化させて当時計画していた駅ビルの建替構想を凍結。その後、10年以上も膠着状態が続いてきましたが、三宮の再開発計画が動き出し、駅ビルの建替が遂に始動。これらの一連の動きに合わせ、また神戸市の郊外における人口減少が加速した事も手伝って、乗り入れについての本格的な協議・検討が開始されました。
しかしここに来て急転直下の今回の結論です。神戸市はそもそもどこまでこの構想に本気だったのかは定かではありませんが、これで阪急が納得したのかどうか。阪急自体がもう乗り入れ自体に興味を失っていたのであれば、今回の件をキッカケとして今後の三宮における阪急の方針がどのように変化するのかが非常に気になるところです。細る鉄道事業に大型投資を行う事を避け、神戸阪急の建替を含めた三宮の都市開発に余った資金を投じる事も可能になるというポジティブな考え方もできる一方、神戸に見切りを付けたというネガティブな考え方もあります。他に地下鉄乗り入れではなく、神戸空港への鉄道アクセス強化という方針転換もあり得るかもしれません。また今回の決定を別の角度から眺めると、なかなか新駅ビルの計画を進展させないJR西日本に対し、地下鉄から三宮でJRに乗り換える通勤客を維持できるという神戸市からの同社への配慮をもたらしたという見方をする事もできるでしょう。
いずれにせよ地下鉄沿線開発と人口増対策は今回の乗り入れ白紙化によって、全て市が自前で実行しなければらない事になりました。乗り入れが実現の方向に向かっていたのなら、自ずと阪急が沿線としての開発整備に力を貸していたでしょう。その後ろ盾を失った事になります。しかしながら、この乗り入れ構想は今回の検討開始前にも既に最適な時期を逸したとも言えます。もっと早い決断が成されていれば、既に直通運転は実現し、沿線開発の着手によって、今起きている人口減は防げていた可能性もあります。また阪急を中心とした都心の再開発も同時且つ更に大規模に進められており、現在程の三宮の地盤沈下は起きていなかったかもしれません。全てはタイミングを逃す事によって大きく結果が異なってくる一例であったと思わせます。
神戸阪急ビルのリニューアル工事が来年完了し、神戸への投資がひと段落した後の阪急の次の一手によって同社の神戸での今後の方針が見えてくる事になるでしょう。乗り入れ協議を棒に振った事が凶と出るか吉と出るか。予断を許しません。
阪急神戸線と神戸市営地下鉄の相互直通運転協議は白紙へ 今後の阪急の出方は?
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私はかつて実家の西神から梅田まで通勤していました。でも今は乗り換えがアホらしいので大阪に住んでいます。
もし、地下鉄の阪急乗り入れが実現して西神中央〜梅田間が1時間以内になるなら神戸に帰ろうと考えていました。
ところがここにきての白紙という結論…。
なぜ梅田で働いているのかというと、単純に神戸には仕事が無いからです。
阪神大震災以降、地下鉄沿線には何も良いことがありません。働くところも無ければ、遊ぶところも無い。
このまま高齢化に伴い西区は神鉄沿線の三木市のような運命を辿るのかと…
そんな中で唯一の希望だったのが阪急への乗り入れ計画です。
おっしゃる通り、もし乗り入れが実現するならば阪急は沿線の開発に積極投資すると思います。
阪急オアシスが進出するかもしれないし、西神そごう跡には阪急百貨店、西宮ガーデンズのような大型SCの建設、何ならグリーンスタジアムを拠点に阪急の球団復活さえ夢見ていました。
地価も大幅に上がり、ゆくゆくは西北のように関西住みたい街ランキング上位に名谷や西神がランクインすることだって可能だったはずです。
引退世代の方は知りませんが、現役世代には三宮のベッドタウンではなく梅田のベッドタウンになるべきと考える人が多くいます。
このままでは阪急はいよいよ神戸に見切りをつけ西宮北口以西への開発投資に消極的になるのではと。
専らの課題としてリニア、北陸新幹線が通る新大阪への接続の方がうまみが大きいので、ベッドタウンにすらならない神戸は企業からも個人からも捨てられやしないか心配です。
近年20年位の神戸市の都市開発における姿勢は、この件に留まらず、過剰かつ非合理的な規制を乱発するなど、民間の投資を呼び込もうとする方向とは真逆です。震災があったにせよです。神戸が守るべき文化遺産は北野付近の景観くらいで、積極的に民間の投資を呼び込まないと生き残れないのは明白なのに、現市長以下、現状認識能力からまったく欠如しています。まともな現状認識と民間の投資を呼びこむ積極的な施策を打ち出せる人が次期市長になっていただかないと神戸の衰退は決定的となってしまいます。
ただ単に、神戸市側が車両や設備投資に回す以外で阪急側との直通運転にお金をかける余裕がないのもありますが。
この手の西神中央寄りに住む方々の期待を膨らませるだけの構想は、神戸市側も阪急側も、採算性の問題から一旦白紙に戻す等と、ずるずると引きずる位なら潔く諦めるべきだと思います。
第一、神戸市も鉄道に限らず東須磨小学校の問題や職員の不祥事や神戸市バスの経営問題等、色々な問題を抱えていて、今の神戸市は久元市長だけが悪い訳じゃないですが、阪急と神戸市交の直通運転の件に関しては今の市長では期待が出来ません。
将来の市長でも結果は一緒です。そもそも、阪急自体がやるやる詐欺で、神戸市交との直通運転問題に限らず、なにわ筋連絡線、新大阪連絡線、曽根伊丹空港線も出来るか?といえば疑問符が付きます。
今の現状では、神戸市に限らず、少子高齢化で日本の人口が減少していくのみで、神戸市も西神ニュータウンも過疎かするだけではなく、神鉄粟生線も廃線問題が囁かれる事態で、阪急も神戸市側も相互乗り入れ(直通運転)云々と絵空事を呟いている場合ではないと思います。
長文失礼します。
「感染者の行動を暴き立てて、何になるのですか。地下鉄を使っていたら乗るのをやめるのですか」同じ日にコロナ対応で久元市長がこうツィートして炎上していますが、久元市長と神戸市行政の視野の狭さを表している興味深い出来事だなと思いました。
久元市長と神戸市職員は、地下鉄でも景観規制でもマンション規制でも人口減や子育て支援対策や空家対策、そして再開発…どれもこれも行動が遅く、ピントがずれているのが解らない…まるで裸の王様のようです。
地下鉄の相互乗り入れの協議中に何故、阪急が北神急行を売却したのか不思議でしたが、現時点の相互乗り入れ構想に投資メリットが無いと判断した時点で、一旦、資金の回収をしたのかもしれませんね。とすれば、流石阪急、売り時としては絶妙のタイミングだなぁ。
神戸市はいったい何をやってるんだろう?
今、建築や開発の現場では、中小零細から大企業まで神戸市に対する不満が渦巻いていると言っても過言ではないでしょう。
行政にこの不満が見えていない、いや見ようとしないところが最悪で神戸市に投資してもそれに見合う開発が出来ないと彼らは考え始めています。神戸市はもっと危機感を持たなければいけないとおもいます。
むしろ鼻から神戸市は相互乗り入れする気は無かったと推察します。
ポーズだけの検討に、期待を持たせ、その気にさせて神戸阪急ビルを建て替えさせて、にんまりしているのは神戸市長でしょう。
ただ阪急も馬鹿じゃないので薄々分かっていたからこそ、そごう西神店を引き受けなかったのでしょうね。沿線になれば抑えておきたい所ですから。
お互いあまり金をかけずにいい思いをしようとしたのかもそれません。相互乗り入れしたところで西神が大化けするとも思えませんし。
神戸における阪急の次の一手が手詰まりになりそうですが、神戸市としては神戸阪急の再開発に便宜を図り、神戸阪急ビルの借りを返すのが筋かと思います。
ここまで阪急に期待させて、結論を先延ばしにしたのなら神戸側が多少譲歩してでも受け入れるべきだったのではないでしょうか。
引っ張るだけ引っ張っておいて、結局いい返事がないのであれば、企業側からすると「神戸市は民間に対して不誠実」と映ったでしょう。
相互乗り入れを蹴ったこと自体よりも、民間に対する印象のさらなる悪化が心配です。
JR三ノ宮駅ビルの件でも、JRと神戸市の意思疎通ができないのは神戸市の民間軽視が原因ではないでしょうか。
「投資見合わず」とは「神戸市に投資しても見合わない」の意味なのかもしれません。
私が阪急関連会社の経営者なら確実に神戸は投資対象として不適格と判断します。
今時、自治体の方から企業に頭下げて開発をお願いするでしょうから、他の自治体を当たります。
阪急は神戸市営地下鉄との相互乗り入れの他にも、なにわ筋線、新大阪連絡線、伊丹空港アクセス線の3つが計画されていますので、そちらに注力する可能性が高いです。
斜陽の神戸に比べて、大阪・京都はインバウンドの恩恵を受けて景気がいいので投資するなら大阪・京都が優先でしょう(新型コロナの件で今後はどうなるかわかりませんが)。
申し上げにくいのですが、神戸空港線を阪急が担ってくれるとは期待できないと考えています。
阪急からすると、「神戸空港は発着数の規制ばかりで期待できんわ。そもそもホンマに発着数の規制緩和してもらえるん?神戸市が独断で決定できんやん。ましてや神戸市が所有する空港のためになんでこっちが利益出るかわからんリスク背負って便宜を測ってやらなあかんねん。慈善事業ちゃうねんぞ。伊丹空港アクセス線作って伊丹に注力して、なんなら三空港懇談会に働きかけて、神戸空港の規制緩和させんようにしたるわ」ぐらいの事は考えるでしょうね。
神戸高速鉄道の運賃撤廃して新開地神戸再開発、東西分断解消狙った方が全然よいと思うんですが。。
そんなに濡れ手に粟な関所運賃が大事なのかな。
主導権を阪急阪神か神戸市かどっちがもってるのか知らんけど
地下鉄沿線は神戸のベットタウンでよい。
どうしても大阪出たい奴は新開地神戸方面住めばよい。
以前にも書きましたが、
・キタへの通勤圏としてのライバルは、明石・新三田・日生中央・京田辺あたりで、箕面萱野には遠く及ばない
・梅田-三宮間を値上げするわけにはいかない
・駅徒歩3分以内の場所に、投資に見合う新築住宅群を供給する気が無い
・駅徒歩7分程度の場所を、「新築+通勤世代」へ大規模に入れ替える方策が無い
極めて筋の悪いプランでしたね。
いっそのこと駅前の商業施設は食品スーパーくらいに限定して、残りは全てタワーマンションにする方がマシだったかもしれません。三宮駅直近に50万平米くらいの最新大規模オフィスが供給されれば、今からでも実現出来ると思います。
……オフィスが供給されれば、ですが。
相互乗り入れの話が進まない一方で、神戸三宮駅のペンシルビルが決まり、ホームドア設置や花隈駅の改修工事が進んでいく現状を見て本当に大丈夫か?と思っていましたが現実になりました…。
以前も同じことを書きましたが、神戸市は何をするにもタイミングが悪すぎて呆れますね。
新大阪連絡線や伊丹空港連絡線(こちらは事実上断念しているようですが)の話が出てきている今、市営地下鉄乗り入れの優先順位は相当低くなったのでしょう。今さら「地下鉄沿線の利便性を向上させないと…」と焦っても手遅れです。
神戸空港のアクセスについても同じです。数年前までは運用規制による伸びしろが無かったのは事実ですが、ポートライナーによる輸送力では今後パンクするというのは随分前から分かっていたことです。今更バスに分散させようと小手先対策をしている現状は滑稽そのものです。それこそ、ポートライナーを廃止・市営地下鉄を空港まで南伸・新神戸付近から阪急乗り入れを打診するくらいの構想を立てる時間はあったはずです。
インフラの再編はほんの数か月で出来ることではなく、年単位で時間を要します。三宮のクロススクエアに30年も時間を掛けている暇があったら、30年後の神戸市のインフラの在り方もしっかり考えてほしいですね。
失敗を恐れて何もしないことが将来どんな結果をもたらすのか。神戸市はそろそろ自覚しなければなりません。
素人の勘ぐりで恐縮なのですが、阪急にとっては乗り入れ効果よりも三宮駅の地下化による不動産開発に旨味があったのではないかと推測していました。ただし現在開発中のビルの賃料水準が阪急の思惑から外れたため旨味がないと判断し既存駅舎の改築クラスのリモデルに着手したのではないかと私は思います。
私も一時期だけ西神・山手線沿線に住んでいましたが、三宮駅の構造が秀逸で各線への乗換も非常にスムーズなため全く苦痛を感じませんでした。もちろん乗換いらずはとても楽なのでしょうが、それに2,000億円も投じるのなら、上沢あたりに通過線を作るなどして速達メリットを出すなどした方が良いように思います。三宮から西神中央まで30分かかるとなると三宮都市圏としても外れてしまいそうです。
乗り入れ構想自体は断念せずも一旦白紙ということですか。
西神の伸びしろの乏しさを考えると、2000億の巨費を投じる決断ができなかったというのはまあ納得できます。西神沿線の人はがっかりでしょうが。
もっとコストのかからないやり方があれば実現できるかもしれませんね。
個人的には旧市街地の再開発のほうが伸びしろがあると思うので神戸市はそちらに注力したほうがよいでしょうし、阪急も三宮に集中投下したほうがベターでしょうから、この決断はやむなしかなあという感想です。
いずれにしても神戸が再浮上するには空港の発展しかないでしょうね。神戸空港を国際化して外資系企業を呼び込み、三宮にオフィスを集積して、という流れでなければ西神も長期衰退に陥るでしょう。正直西神は大阪のベッドタウンとしては競争力が低いのは否定しがたい。
さしあたりは旧市街地の再開発で人口減少を食い止めることに神戸市はエネルギーを割くべきでしょうね。タワマンもきちんと規制したうえで建設を認めればよい。そこは市長も柔軟に判断してほしいものです。