来年3月末で閉館を予定しているJR三ノ宮駅ビルである三宮ターミナルビル。その地下2階から地上3階までの5フロア(延床面積 約3,300平方メートル)で営業しているファッションビル「三宮OPA」が来年2月28日の閉店を公式発表しました。前身のプランタン三宮を含めて37年の歴史に幕を閉じます。
同店では37年感謝セールを開催中ですが、12月22日からは閉店売り尽くしセールがスタートします。また建て替え後の新しい駅ビルへの出店はありません。
OPAは今年、ダイエー三宮駅前店内にOPA2を開店しましたが、元祖OPAの閉店後の店名等についてはまだ決まっていないようです。そのOPA2も2025年までに閉店し、跡地はバスターミナルII期ビルへと再開発される予定です。
これらは全てかつて栄華を誇った神戸に本店を置くダイエーの象徴的な存在でした。OPAも十字屋からダイエーの生み出したファッションビルブランドで新神戸オリエンタルシティにそのルーツとなる1号店を開業。その後、プランタン三宮もOPAへ業種転換し、一時は神戸の都心で2店舗体制を敷きました。そのOPAも現在はイオンリテールグループのファッションビルブランドとして、傘下にビブレ、フォーラスと事業統合されてイオンモールの完全子会社となっています。OPAが三宮から消滅すると、同社の三宮の拠点は老朽化する小型店のビブレのみとなります。流通小売最大手がバスターミナルビル内への出店可能性や将来的な三宮センター街の再開発にてどのような存在感を表していくのか興味深いです。
反面、今後、予定される再開発が進むと、三宮からほぼ完全にかつてのダイエーの記憶は消滅する事になります。いざ実際に無くなると思うと寂しい気持ちもありますが、これも時代の流れなのでしょうね。過去の栄華を引きずると、街は新陳代謝できずに衰退します。
先行して1階(ベーカリーカフェ)、4階(フロント、レストラン)、6階から10階(客室)で営業するJR西日本ホテルズの運営する三宮ターミナルホテルは年内で営業を終了します。
未だ新ターミナルビルの概要を明らかにしていないJR西日本ですが、神戸阪急ビル同様に、景観審議会等において神戸市とかなり深い協議・調整は進められているものと思われます。よって発表まではもう時間の問題です。遅くとも中期経営計画で定めた年度末までには必ず発表されるものと思いますが、個人的には年内の発表をクリスマスプレゼントとして期待しています。これが出ると駅周辺の他民間再開発も触発されて、一気に浮上し始めるのではないでしょうか。
三宮OPAが来年2月28日に閉店を発表
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新神戸発祥のブランドが新神戸からなくなったときは随分と寂しい思いを感じましたが、三宮はそれほどではないかな・・・新神戸オリエンタルアベニュー、不思議なサウンドスケープと、幽霊?みたいなウサギのホログラム(覚えている人いるのかな)。
西武やパルコみたいな東京のブランドが進出するときの喜びよりも、あるいはプランタンみたいな外国のブランドへの思い出よりも、OPAみたいに神戸から消えても神戸から始まったものには思い入れがある、というか、大開発自体が目的とならずにそういう無形のものを生み出す街であってほしいなと思います。
無形のものを作り出す、生み出すにはやはり企業の力が必要ですね。そうした企業が創出され、根付く都市である事が肝要です。神戸市もスタートアップに力を入れています。勿論、これは1つの未来への挑戦として評価されるべき事ではありますが、博打とも言えますし、時間も掛かります。当時のダイエーのような地場の強いデベロッパーの存在が欲しいところです。