神戸空港

神戸空港運営権を関西エアポートに譲渡

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神戸市は神戸空港の運営権に関する優先交渉権者にオリックス、バンシ、関西エアポート連合を決定したと発表しました。事実上、来年4月の同空港民営化が決定し、関西エアポートの完全子会社が運営を開始する事になります。

開港から11年。開港までの紆余曲折に加え、開港後の道程も平坦ではありませんでした。案の定、搭乗者数が需要予測には一度も届いた事がなく、破綻による日航の撤退や就航便数の大半を占めるスカイマークの破綻によって一時は空港存続の危機にも直面しかけました。

それでも三宮から18分という距離や周辺道路網の充実性、海上空港による24時間運用が可能な事等、そのポテンシャルは非常に高く、開港から課されている運用時間や就航便数の制限などの規制が緩和、撤廃されれば、飛躍的に成長する可能性を秘めています。神戸市は規制緩和に対する最も有効的な手段として、関西三空港の一体運用へその解を求めました。

神戸空港への規制は開港時にはまだ低迷していた関西国際空港への配慮によるものです。しかし今や関空は関西エアポートによって伊丹と一体運用され、昨今の外国人観光客増加によって、活況を呈しています。今後に至っては更に需要が高まると、関空や伊丹のみでは対応に限界が生じる可能性が高まり、自ずと神戸の活用が必須となる状況が見え始めています。

そんな環境の中での運営権売却はタイミングとしてはまさにベストと言えます。関西の自治体の首長も次々と神戸空港の規制緩和に肯定的な意見を述べるようになり、物事を大局的に見る余裕が出てきました。万博誘致やIR施設が検討される夢洲は5号湾岸線が延伸されると神戸空港が最もアクセスの良い空港になります。東京圏への一極集中がますます高まる中、関西の受け入れキャパを高め、域内の回遊性を改善し、オール関西での活性化を図る事が必要であるという風潮に変わりつつあります。

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規制緩和が実現するまでにはまだ議論や時間が必要になります。それまでの措置として、関西エアポートはチャーター便やビジネスジェットの拡大、ターミナルビル内の商業施設の拡充、スマートレーンの導入等、民間ならではの手法を採り入れて、2022年までに利用者数を300万人まで増加させる計画です。

規制が撤廃され、24時間運用が開始となり、離着陸回数も大幅増となった場合、どこまで需要が伸びるでしょうか。国際線も就航するようになれば、年間1000万人という数字も現実的になるかもしれません。ちなみに伊丹は1500万人です。そこまで増えると、現状、ポートライナーに偏る交通アクセスも限界が生じ、新たな交通機関の検討も必要になりますし、ターミナルビルの増築もあり得るでしょう。その玄関口となる三宮はアクセス性の良さが好感されてホテルやオフィス需要が伸び、再開発に弾みがつくでしょう。

神戸空港の搭乗者はこの3ヶ月間、連続で過去最高の月間数を更新し続けていますが、3000億円のインフラ投資がようやくそれに見合う経済的効果をもたらし始める可能性が高まってきました。



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POSTED COMMENT

  1. sirokuma より:

    私も神戸市の持つポテンシャルを活かすには、オール関西で臨まねばならないと思います。離着陸本数制限撤廃や利用料の調整などは単体では到底なしえないでしょう。港湾利用も同じです、今後神戸市はAIを導入した先進的で高品位のロジスティック集積地を目指すようですがこれも大阪湾岸の協力関係が重要になると思います。
    今後関西の持つポテンシャルを効率よく引き出すには、各自治体間の目先の利害に囚われない行政の垣根を超えた協力関係が必要となるとおもいます。
    関西圏の地域開発計画を練り都市計画を統一性のある解り易いものに変えてオール関西で湾岸再開発・都市再開発も出来たら良いのになぁ。

  2. 夢想家 より:

    神戸空港悲願の国際線就航が現実味を帯びてきましたね。東京オリンピック、IR、万博(未定)と、ますます増大が予想される訪日客を関西で受け入れるためには関空だけでは心もとないと、関西財界・政界も確信したのでしょう。
    ただそれが神戸の発展に寄与するかどうかは、これからの神戸市・兵庫県の取り組みにかかっています。現に神戸港に寄港する豪華客船の乗船客は、大半が神戸をスルーしそのままバスで大阪、京都の観光に向かうと聞きます。阪神高速5号湾岸線延伸もそれに拍車をかけかねません。
    訪日客をまずは神戸で一泊してもらうためにも、ビジネスホテルだけでな無く、国際的なハイグレードホテルの誘致を急がねばなりませんね。

  3. カン より:

    AIに関して言えば、せっかくあるわけですからスパコン京の有効利用を図って、AIの国内有数の実験場や医療と関連した特区を作ればいいと思うんですが
    このAIの大波の中で何をやっているんでしょうかね。神戸市は。

    港湾に関して言えば、神戸港と大阪港は阪神港としてすでに統合され有機的に協業体制にあり、すでに神戸港では8回目のクイーンエリザベス号の寄港地を初めて大阪港に振ってみたりと行政の垣根を超えた協力関係築きつつあります。
    阪神港株式会社は三ノ宮本社です。

    神戸空港の一体運営も、それら大きな協業体制の一環で執り行われつつあることで、オール関西の体制は整いつつあると思います。

  4. ロッコーマン より:

    国策でインバウンド4000万人に増やすと決めたら結果はどうあれ必ず国はやりますよ。キャパ的にも神戸空港に国際線が導入されるのは既定路線だと思います。
    あとは海外旅行会社に向けて観光ルートづくりと観光目玉のあるなしにかかってるんじゃないでしょうか?
    神戸は自然環境は整っているので一泊させるモチベーションをいかにインバウンドに
    PRできるかでしょう。こちらで取り上げられているように神戸の最大の武器は夜景だと思いますね。超高層ビルもやはり必要で、その上で湾岸ブリッジは大きな目玉になりうると思います。

  5. しん@こべるん より:

    そうですね。オール関西でお互いの足の引っ張り合いはせずに役割分担を明確にしてそれぞれの発展に繋がればと思います。医療産業拠点があちこちに出来ているのも気になります。

  6. しん@こべるん より:

    関西自治体の首長が神戸空港の規制緩和に肯定的なのも、クルーズ船のケースがあるので、空港についても同じ事が起きることを念頭に置いているのかもしれませんね。

  7. しん@こべるん より:

    スパコンの神戸経済への効果を検証すると共に活用策をもっと見いだすべきでしょうね。これをオール関西にも繋げていければと。

  8. しん@こべるん より:

    やはりアピール力の弱さが神戸の弱点ですね。海外へのプロモーションにはもっと予算を割かなければならないかと思います。

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