JR博多シティの誕生後も駅前周辺では博多口を中心に大型再開発が目白押しです。アジアのゲートウェイの玄関口として更なる風格向上に向けた取り組みがあちらこちらで見受けられます。駅前広場を挟んだ博多駅前はヨーロッパの大都市をも連想させるのは高層ビルが無いからでしょうか。
駅前広場の広さもその一因かと思います。都心部にこれだけ贅沢に広場を設けられる事は土地の無い神戸では羨ましい限りです。交通広場と歩行者空間を分けても双方に十二分の広さを確保しています。
駅前は交通ターミナルとして高度に機能しています。駅前には博多バスターミナルビルが鎮座します。地上9階 地下1階の建物ですが、1階から3階までの3フロアがバスターミナルとなる立体構造で、1階を市バス、2-3階を高速バス乗り場として38バースを整備しています。その他の階はテナントを入れた商業施設です。
福岡はバス王国です。市営地下鉄や西鉄、JR等の鉄道路線も充実しているものの、バス路線の網羅ぶりと運行台数は目を見張ります。従って道路のバス優先レーンも充実しており、100円で乗れる都心循環バスをはじめ、市民、観光客、ビジネス客問わず、利便性の高い公共交通として広く活用されています。
そんな福岡ですから、勿論、神戸でも導入検討を進めている連接バスによるBRT運行も既に実現しています。都心循環BRTと名付けられ、15台体制で運用されています。
博多駅の南側には博多郵便局がありました。同局周辺を一体的に再開発する博多駅中央街南西街区開発計画が進められ、2016年に駅前広場に面して地上11階 地下3階 延床面積64,296.53平方メートルのKITTE博多が開業。キーテナントに博多マルイが九州初進出。
JR博多シティや博多バスターミナルとも2階空中回廊で結ばれています。KITTEは日本郵便が東京・丸の内、博多、名古屋等のターミナル駅前に立地する郵便局を最大限に活用する不動産開発です。
JR博多シティとKITTE博多の二大商業施設がダブルエンジンとなって博多駅を天神と対抗する商業ゾーンに押し上げました。
駅前の賑わいや通行量は私が最後に福岡を訪れた約10年前とは違い、明らかに大幅に増えているようでした。
KITTE博多の南側で同時に開発されたのがJRJP博多ビル。地上12階 地下3階 延床面積約44,000平方メートルの規模でオフィス、商業施設、博多郵便局から成る大型ビルで、JR九州と日本郵便の共同開発プロジェクトとなりました。商業施設はJR博多シティの一部としめ構成されています。
一連の開発が進められていた間、郵便局はKITTE博多と同じ街区内の真南にあるこの場所で仮設局で営業していました。前述の再開発ビル2棟の竣工後、連鎖的に開発が進み、紙与産業が地上13階のオフィスビルを建設。昨春に紙与博多中央ビルが竣工しました。同社は福岡地所と並んで福岡の二大地場デベロッパーして知られています。
筑紫通りを挟んで紙与博多中央ビルの向かいに仮囲いが設置された区画は深見ビル跡地再開発で三菱地所が福岡初となる地上13階建のオフィスビル「(仮称)博多駅前四丁目計画 」を建設し、1-2階には店舗も入れる予定です。この街区も一体的な再開発が進んでおり、奥の建物は先行開業したアーベイン博多駅前ファーストです。地上14階建の複合施設で低層部には高速バスターミナルとテナント、中上層階はUR賃貸の共同住宅です。街区一体化の上で駅前から伸びる2階の空中回廊が更に延伸されてこれらのビルと連結します。
アーベインの1-2階がHEARTSバスステーション博多です。1階が待合と乗場、2階はスパ+カプセルホテルやカフェとなっています。コンクリートむき出しの斬新な内装です。
博多駅では地下鉄工事も進行中です。市営地下鉄七隈線が天神南から博多駅まで延伸され、博多駅に地下鉄2路線が乗り入れる形になる為、博多の交通拠点性は更に高まります。
これらの追い風環境を機に博多駅前は老朽化したオフィスビルの建て替えやホテルの新規開業が相次いでいます。
反対側で新幹線駅が正面となる筑紫口は博多口と比較するとやはり裏玄関感が漂います。
しかし利便性の良さには博多口と変わりはないので駅前広場に面した近鉄博多ビルが建て替え中です。ビル完成後には都ホテル博多が今年9月に開業予定です。
地上13階 地下3階で1-2階は商業施設とし、3階より上が208室の都ホテルとなる予定です。
筑紫口にも次々と真新しいオフィスビルの建設が相次いでいます。
新幹線と在来線ターミナルである博多は企業にとってもオフィス立地に最適で、特に筑紫口は駅裏である事から博多よりも土地は取得しやすいのではないかと思われます。
福岡市は博多駅周辺半径500mの地帯について博多コネクティッドと名付けられた開発構想を掲げており、高さと容積率の規制緩和や特定都市緊急再整備地区の指定によるインセンティブを駆使してビルの建て替えや集約化を図っています。極め付けは博多駅前から続くこの大通りにゴンドラを通し、博多駅からベイサイドまでを空中散歩できるよう構想を練っています。これはJR九州から出案されたプロポーザルである事に驚きです。JR東海を除けば、JR九州程、積極的な開発投資を進める鉄道会社は無いのでないでしょうか。博多駅周辺は今後5年でも全く違う街に大きく生まれ変わるのではないかと思われます。
地域探訪: 福岡 博多駅前周辺は今後更なる風格向上を目指す
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まさに、特定都市緊急再整備地区とハサミは使いよう…ですね。
福岡では、天神エリアと博多駅前エリア・九大箱崎キャンパス跡地に続きウオーターフロント地区の再開発も本格始動しています。
また市内各所で大規模商業開発も進んでおり正直、人口差以上の開きを感じてしまいます。これらの大事業をダイナミックに同時進行でこなしていく行政の能力は大したものです。この経験は職員の資質を高め福岡市行政の大きな財産となり今後の発展に寄与すると思います。
こべるんさんの記事を読みながら思い出したのが、博多駅前で起こった地下鉄七隈線陥没事故です。
あの時、福岡市は事故と同時に市長が陣頭指揮を執り、めんどくさい手続きは一切後回しにし、官民が総出で復旧作業に着手、あの巨大な穴を7日7晩休まず工事を続け、発生から僅か1週間で原状回復して見せました。あれは何が何でも福岡市の再整備事業を予定通りにやり抜くと言う市長と行政の覚悟の現れだったと思います。
工事完了時には、行政への工事への非難よりも復旧工事の見事さに対する驚嘆の声が世界中から寄せられました。まさにマイナスがプラスに転じた劇的瞬間でした。
あれが神戸市で起きていたら…事故原因の調査委員会を立ち上げて、その調査報告に基づき対策工事の専門家委員会をを立ち上げて…等々、1年でも復旧できなかったかもしれないとホントに思ってしまう。
いやはや、首長の差は大きい。このぶんだとあと2年で福岡と神戸の差はまた大きく開きそうですね。
福岡市の勢いが凄いですね
凄く羨ましいです
現状維持、及び腰、マイペースな神戸市長と違って福岡市長は仕事ぶりがなんだか男前ですね(笑)
特に直近の10年、行政の積極的規制緩和と民間投資のマッチングにより目覚ましい発展を遂げている福岡と真逆に新たな規制を自ら乱発し民間投資も減退している神戸の差は本当に大きく開きましたね。これは二都市の地力の差もあるかもしれませんが首長の差が拍車をかけていることは疑う余地もありません。
福岡市の政策はエネルギーと未来志向に溢れ、神戸市の政策は一部のマスコミから迷走とも言われ、未来志向を感じることが出来ず閉塞感に溢れています。
ここで大転換し都心と空港に思い切った投資をする事を含め、若者や企業に選んでいただける政策を取らないと未来はありません。情報発信も最近ほとんどありませんし、聞こえてくるのが市の不祥事ばかりでは話になりません。 「神戸市よ、もう少ししっかりしてくれ!」と言いたいところです。
2019年度の神戸市の人口は1~3月で毎月1000人以上の人口減です。4月は転入時期なので多少持ち直しましたが、それでも過去10年で最少の月増加です。自然減より転入人口が多少増加したと神戸新聞が書いてますが、転入したのは老人ホーム入居の高齢者です。このままだと一年で1万人超人口減少です。
神戸市長は7年連続の人口減をどうするのでしょう?
単純に今年だけでなく今年以降も続くでしょう。
10年後、人口140万人台を割ったら?
市民だけでなく、関西から、霞が関から、世界から、もう誰からも見捨てられるんじゃないか不安です。
国交省受け売りの都市計画施策は、バスターミナル構想も具体的な話は市長の口からは公言していないし、BRT、LRTはまだ構想段階で社会実験の段階。トランジットモールの拡大構想の三宮スクエアは暗中模索の状態。JR三ノ宮駅建て替えなど肝心の国内企業の投資はほとんど進まず、外資企業の引き留めに税金投入。北神急行の市営化に税金投入、谷上のIT都市化は構想始まる前に失敗の模様。市営地下鉄湾岸線の中学生以下の運賃無料化。
最大の関心事である市営地下鉄と阪急との相直は不透明で難航。神戸空港の微妙な規制緩和を許されたものの、自分で今年度中の便数拡大と言いながら、いまだ駅舎改築やポートライナーの8両化は具体的な話を聞きません。関西で唯一インバウンドから見放され、都心再整備は大幅に遅れ期待を裏切る。
結局、福岡市始め他都市に比べて決定的にハード整備が遅れているのに、ソフト事業ばかりに執心している構図です。
汗をかかない政治と言うか、パブコメ連発で民意の確認を飽きずに収集するばかり。ポピュリズムをはき違え、民意を誘導さえして民意が反発するなら構想見直しさえしそうです。明石市長と比べ、陣頭指揮も取らず市民に問題解決を丸投げしているように見えます。
一般企業に例えると150万都市の神戸市はまだ腐っても間違いなく大企業です。
市民は税金と言う株を買っている株主です。
株主総会以前に、こんな民間大企業のトップがいたら即更迭ですね。
現状、福岡で起業したいと思う人は多くても、残念ながら神戸で起業する積極的理由は特にないように思います。これは、再開発のスピードの違いもありますが、交通の利便性の違いも大きいように感じます。
福岡は、高さ規制が厳しい代わりに、空港が非常に便利だという恩恵を受けていて、起業家にとっての魅力のひとつです。神戸も、神戸空港の利便性向上に真剣に取り組むべきです。
神戸市は関西三都から脱落するのか、このまま大阪や京都と共に関西三都の一つとして君臨するためには十年以内に何とかしないといけませんね。
福岡は、デザイン性の高いビルが多く、写真を見ていても飽きませんね。街が何かおもしろいことが起こりそうな活力に満ちている雰囲気がします。
神戸にも、何か新しいことが始まると予感させるようなビルが建って欲しいです。
北野や旧居留地の雰囲気は好きですが、すべてがそのようなデザインである必要はないですし、神戸に優れたデザインの近代建築があるのもその時代時代で尖ったデザインの建物を受け入れてきたからだと思っています。
よくわからない神戸らしさや高さ規制を掲げる市の方針は、早く刷新して神戸もデザイン都市として頑張って欲しいです。
福岡県に行くと、福岡市の勢いが郊外の周辺都市、特に南西部にシームレスで広がっていることがわかります。国道3号線を背骨に、九州自動車道や福岡の都市高速・西九州自動車道などの道路網の整備が進んでいるからでしょう。太宰府・筑紫野・大野城方面は、かつての高規格道路が無料化されていることも大きく福岡市内へのアクセスが良く車での移動にストレスを感じません。
周辺都市は大規模住宅開発により都市化が進んでいます。これはおとなり佐賀県の鳥栖市までつながっています。
高速道路により利便性が増した糸島市は、海岸線が美しく近年若い世代に人気急上昇です。農村山間部の浮羽町でも若い世代が集まり地域特性を生かした山間部での住宅開発や個性的な街づくりを行い地産地消を基本に買物客・観光客を引き寄せています。若者が大胆なチャレンジをし易い風土があるんでしょうか?私には非常に興味深い空間が広がっています。ほんとに山奥の渓流沿いのスパニッシュレストランや農場の一画に設けられたイタリアンレストラン。山と田園風景を一望できる露天風呂のある温泉。色んな発見があります。
出遅れ感のあった北東部も宗像神社の世界遺産登録など今後注目のスポットです。ここの宗像漁協の活魚センターでは大きないけすがいくつもあり、その中の様々な魚貝を自分ですくって購入することができ、希望すれば三枚おろしにもしてくれます。遊び心がありとても面白い。福岡市周辺には、地産地消…工夫と遊び心のある街づくりが進んでいます。
福岡県は関西と比べ物価が大幅に安いから色んな工夫や仕掛が生まれてくるのかな?関西圏では、販売の工夫より魚も野菜も生産性向上に注力すれば高値取引できるので効率的なのかなぁ?地域特性もあり一概には比較できないですが、福岡県は色んな意味で参考になる都市ですね。