阪神高速3号神戸線の京橋ランプ及びパーキングエリア付近は朝夕のピーク時にひどい渋滞を引き起こす要因の一つです。また休日の国道2号線の渋滞もこの京橋ランプを利用する車両と大丸の駐車場待ちの双方の車列によって引き起こされています。この課題の解消について、ランプの改良とパーキングの再整備を行う検討が神戸市、国土交通省、阪神高速の間で行われています。
京橋ランプ入口です。ここから2号線にまで渋滞の車列が伸びます。
京橋パーキングは阪神高速と浜手バイパスに挟まれた高架橋の上に構築されています。正直、都市高速の都心部にパーキングの必要性がどこまであるのかという疑問もあります。
神戸市はこのランプとパーキングの再整備については単なる改良のみに留まらず、上空を活用した開発という方向性で以下の2案について事業の収益性や実現性を検証したようです。
A案
一つ目の案は阪神高速を跨ぐ形でオフィスビルを建設するというパターンです。地上22階 高さ96mの高層ビルで低層部に京橋パーキングエリアを再整備します。パーキングエリアとオフィスビルの組み合わせの実績としては既に阪神高速5号湾岸線の泉大津パーキングエリアや首都高3号渋谷線の用賀パーキングエリアがあります。
B案
もう一つのパターンはパーキングエリアを廃止し低層部に商業施設を配した地上23階建のオフィスビルという構成でこちらは高さ98m。
検証結果として大手民間デベロッパーにヒアリングを行なったところ、神戸のオフィス需要は弱くマーケットへの影響が大きいという意見が聞かれました。しかしこの検証が行われたのは約5年前。当時と比べて神戸のオフィス空室率は大きく改善していますが、オフィス立地としては今後、三宮の駅周辺に大型オフィスの集積が高まる事を思うと競争力には懸念が残ります。
京橋ランプは道路を挟んで新港突堤西地区再開発地区の向かいにあります。開発が進むと、集客施設を訪れる車のランプ利用も増加するでしょう。また第2突堤の開発事業者の公募も年度内に行われる予定で、エリアの不動産価値が大きく向上する可能性が高まります。エリアへの公共交通機関でのアクセスが改善されれば商業・業務機能に対する需要は出てくるかもしれません。神戸市がBRT導入検討の為に連節バスの社会実験実施と運行事業者の公募を開始したのはこれらウォーターフロントエリアの開発促進を睨んだ動きです。
私の個人的なランプ上空の活用策は波止場町の第二地方合同庁舎及び阪神高速京橋庁舎の移転先として高層庁舎を建設する案です。これにより市が構想する港都グランドデザインで描かれた波止場町の親水公園化が実現できる事になります。
京橋ランプの再整備はまず先行する新港地区の再開発がある程度進み、その需要や集客性を鑑みながら、上空利用の必要性を見極めていくべきかと思います。
阪神高速3号神戸線京橋ランプ・パーキング再整備構想
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この京橋ランプ再整備構想、出入り口を現在の位置でなく、一本南側の道から出入りするような形にして、再整備する案があります。そうなった場合は新港開発前に方針を決めなくてはなりませんね
管理施設ビルは当初、10階がレストランとして活用するように、シースルーエレベーターも3基設置していましたが、とうとうオープン出来なかったんですね。