地質ボーリング調査が行われている元町・鯉川筋のGSパーク神戸。栄町通との角地にはかつて銀泉神戸ビル(旧神戸住友ビル)がありました。建物があった事を示す看板を立てている事からいずれは再開発を目指すものと思われていましたが、6月の測量調査に続き、試掘が始まった事で開発構想が進み始めた事が確実となりました。
敷地面積は約3,700平方メートルあり、都心立地の低度利用地としては最大級です。
試掘は50mの大深度まで行われており、杭をかなり深くまで建て込む事を想定しているようなので、計画される建物は大規模になる可能性が高いです。
このエリアにおける容積率は敷地の東側が700%、西側が600%。単純計算では最大約24,000平方メートルの建物の建設が許される土地です。これに公開空地の整備等によって総合設計制度の容積率緩和を受けられるものと思われますので、建物の高層化で床面積は積み増しが出来ます。またホテルを建物内に整備する場合も最大300%の容積率緩和を享受できます。1,000%超えの容積率を実現できた場合、40,000平方メートルの建物を想定してみましよう。
低層部には確実に商業施設を入れる事になるでしょう。ブログ読者のkkbbさんからもコメントがありましたが、南京町やメリケンパークも近く、面する鯉川筋は観光客の乗降に観光バスが路上停車し、ひどい時には2レーンを塞いでしまいます。神戸市は鯉川筋にバスの停車場を設ける予定ですが、再開発ビルの1階にバスターミナルを整備出来れば、この問題は解消出来ます。
商業施設は地上5階程度でバスターミナルを含み15,000平方メートル。商業フロアはJフロントリテイリングが入居。大丸の別館として神戸店を増床し、建替前の神戸阪急から引き離しを図ります。
セットバックした高層棟の中層部6-14階及び最上階2フロアの11フロアにはホテルを入れ、三井不動産グループの三井ガーデンホテルが進出。残りのフロアは分譲マンションで三井のパークホームズ神戸元町(100戸)。
規模: 地上30階 地下1階
構造: 一部鉄骨造 鉄筋コンクリート造
延床面積: 40,000平方メートル
高さ: 110m
用途: 店舗 バスターミナル ホテル 共同住宅
来夏の神戸市が導入する都心部の住宅規制施行までに建築許可が出るでしょうか。間に合わない場合は住宅面積を減らし、ホテル部分を増やさざるを得ません。さて実際の開発概要はどう出てくるでしょうか。
あそこに商業施設があればメリケンパーク〜元町駅の人の流れが出来そうでいいですね
ウォーターフロントへ行くには鯉川筋が一番行きやすいのでその強みを上手く活用して欲しいです
そして容積率の関係で多分無理だとは思いますが150m規模の新築を久しぶりに拝みたいです
今こうした動きが出るという事は、遅ればせながら神戸市でも化学反応が起こり始めたという事でしょう。
三宮エリアでは縦のラインが今後5~10年で大きく開発され都心域は東へと広がりと厚みを増していくのが決定的ですから、元町エリア特に大丸は、阪急JRの動きには注視しているでしょう。この場所は元町エリアの浮沈にかかわると言っても良いくらいの好立地ですから、福岡のように容積のインセンティブを付けるなどして有名建築家によるデザイン性の高い建物を計画して欲しいと思います。
思うに、神戸市の旧居留地界隈のビルデザインは旧商館風や旧銀行ビルのような旧館風のデザインをモチーフにすればみんな満足しちゃうので新しいデザインのビルを創造するよりも簡単なのかもしれません。
神戸が停滞している原因は、このような安直な景観施策の発想・思考回路から抜け出せない市長や行政とその周辺(新聞社・商工会・一部市民)の懐古趣味によると思います。
神戸市にはデザインに優れ良く管理された本物の旧館がいくつか健在です。これは大いに誇り守る価値があるものです。
しかし、洋館風のデザインで建築された新たな建物や一部を切り取りモチーフにした異人館風とか旧洋館風建物は懐古趣味に過ぎず、所詮、似て非なるものであり、そこに本当の価値を求める事はできません。
もう一度言います、若い人たちの才能を伸ばし新しい力を創造する手助けをするべき市長や行政や新聞社・商工会などの大人たちが、愚かにも古き良き神戸に浸りきり、新しい成長の芽を摘んでいるのです。この事に早く気づくべきです。
『玩物喪志』いつまで現を抜かしているのやら、早く目覚めなきゃ手遅れになる。