JR三ノ宮駅前で竹中工務店の設計・施工で建設中の大型オフィスビル「三宮ビル北館」ですが、いよいよ躯体工事も最終段階に入りつつあるようです。
最高部を確認すると鉄骨の支柱が天に突き出しています。恐らく最後の鉄骨建方ではないかと思われます。高さ的にも隣の日本生命三宮駅前ビルの塔屋とほぼ同じになるので、辻褄が合います。
いよいよ南隣の南館とのツインビル化が実現する日を迎えつつあります。駅前一等地に2階建ての暫定ビルという率直に言えば醜態を20年近くに渡ってさらされなければなかった神戸の現実は直視されなければなりません。
欲を言えばやはり南館と完全に同じ高さのツインタワー化が望ましかったと思います。
しかしながらなぜ神戸はここまでオフィスビルの需要が低迷してしまったのでしょうか。2009年にオリックス神戸三宮ビルが竣工して以来、新規で賃貸オフィスビルの建設はありません。三宮ビル北館は6年ぶりの新規となりますが、あくまでもP&Gの入居・1棟貸しが前提として動き出したプロジェクトですので、ノーカウントに近いでしょう。
リーマンショック後に15%以上に跳ね上がった神戸都心部の空室率はこの5年で10%程度まで下がってきましたが、そこから先は落ちることなく平行に推移していました。ここ最近はアベノミクスによる景気回復を背景に更なる改善が見られて、8%台まで下がったようです。ただ他政令市の空室改善率は神戸以上に進んでおり、札幌・京都は4%台、福岡・広島は5%台まで低下しています。
神戸は震災後の復興再建ラッシュで震災前よりも2割増の賃貸床が一気に供給されました。新規供給の先食いのような状態だったと言えます。しかし震災後の日本はバブル崩壊後の景気後退に直面し、金融機関の再編や企業の支店統廃合によってオフィス需要は低迷しました。この需給ギャップが長らく神戸の空室率を高止まりさせ、新規供給を阻んできました。
ITバブル崩壊後、小泉政権下での「いざなみ景気」によって神戸のオフィス市場にも明るさが見られ、空前のホテル新設ラッシュと共に2006年辺りには明治安田生命神戸ビル、ミント神戸、富国生命海岸通ビルと大型の新築ビルが次々と竣工しました。ただ当時の空室率は12%を越えていたので、現状よりも悪い数字ではありました。その後のリーマンショックによって一気にこの流れは反転。オフィスビルの代わりに神戸の都心には次々とタワーマンションが出現していきました。
今以上に空室率の改善が進んでいけば新規供給需要も強くなってくるかもしれません。今、現実的に新規供給が考えられるのは阪急とJRの新駅ビルです。大手企業が進出したくてもその受け皿が無いのも三宮の欠点です。三宮ビル北館に続け!
三宮ビル北館再建工事
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いつもありがとうございます。
三宮ビルのツインの姿が早く見たいです。
街の姿だけで捉えるとすれば、震災の真の復興完了は阪急三宮駅ビル、市役所2号館、さんプラザ、そごうなどの再建となりました。ホテルシェレナ跡地もヤキモキしましたが やっと完了いたしますね。進捗がゆっくりしている分、期待値が上がります。10年後の神戸が素晴らしい街になっていますように。
tetさん
ツインビル化ももう目の前ですね!ここまで来るのは本当に長かったですね。阪急三宮駅ビル、市役所2号館、さんプラザ、そごうなどの再建まで完了するのにあと何年掛かるのでしょうね。